クロウタドリ(ブラックバード)のご紹介

以前、クックロビンの動画をご紹介しましたが、自宅ベランダには、ロビンだけではなく、いろいろな鳥がやってきます。

今日は、クロウタドリ(ブラックバード)をご紹介いたします。

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見た目はカラスみたいですが、体長20センチぐらいの、可愛い鳥です。

クレモナでは、年間を通じて見ることができます。
夏場は、餌となる昆虫類が豊富なのですが、冬場は少なくなるので、ベランダに置いた穀物を食べにやって来ます。

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3分ほどの動画にまとめましたので、ご覧いただければ嬉しいです。



ご視聴ありがとうございました。

動画内でも説明しておりますが、このクロウタドリは、ビートルズの名曲「ブラックバード」のモデルとなった鳥です。

と言っても、曲の中でのブラックバードは、比喩的な存在として歌われています。
作者のポール・マッカートニー氏によると、1960年代、公民権運動の中、人種差別で苦しむ人々に宛てて書いた曲とのことです。


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クロウタドリは、見た目は黒く地味ですが、その歌声はとても美しく、その名前の由来ともなっています。
ビートルズの曲の中でも、後半、その歌声がとても印象的に録音されています。

こちらの、ビートルズの公式動画で聴けますので、ぜひご視聴ください。(1分30秒過ぎ頃から、クロウタドリの声が聞けます)

https://www.youtube.com/watch?v=c5GCNDw4X_0


春も近くなってきて、クロウタドリも元気に飛び回る季節です。
ベランダに来てくれなくなるのは寂しいですが、庭で歌声を聴けるのを楽しみにしています。


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# by violino45 | 2021-02-14 17:12 | 日記 | Comments(2)

ヴァイオリンのニス、磨き作業のご紹介

今回は、ヴァイオリンのニスの、磨き作業をご紹介いたします。

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通常、ニスは30回くらい塗りますが、その途中で何度か、磨きの工程を行います。

理由は、木材の表面にはニスが染み込みやすい場所とそうでない場所があって、それが原因でデコボコするので、それを平滑に慣らす目的が一つ。
あと、ニスを塗るたびにハケの跡が残りますが、ハケの跡がだんだん盛り上がってデコボコすると、美しく仕上がらないので、適度に慣らして平滑にする作業が必要になるのです。

ニス塗りの、どの段階で磨き作業をするかは、楽器の表面を見て判断しますが、私の場合、完成までに3~4回ぐらいの磨きをする事が多いです。

4分ほどの動画にまとめましたので、ご覧いただければ嬉しいです。
特に後半は、分かりづらい作業で、世界中に何冊も専門書が出ているくらいですので、ブログで説明することは難しいのですが、後ほど、少し解説させていただきます。


ご視聴いただき、ありがとうございました。

では、写真とともに、少し解説させていただきます。

まず、サンドペーパーにオイルを付けて、ニスを磨きます。
製作家によって、使うサンドペーパーの種類は違い、いわゆる耐水ペーパーを使う人が多いですが、私は、布タイプのペーパー(Polysand、またはMicromeshの3200番)を使います。


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オイルを付ける目的は、ペーパーの滑りを良くするのと、削られたニスの粉でペーパーが目詰まりするのを防ぐためです。
製作家によっては、水を使う場合も多いようですが、目的はどちらも同じです。
オイルは、サラダオイルでも良いですが、私は、いわゆるベビーオイルや、その原料となっているワセリンオイルを使っています。

まだ色が薄い段階では、ペーパー掛けによって色のムラが出ますが、今後のニス塗りとリタッチで回復できますので、気にせず、表面を平滑にすることに集中して磨いていきます。

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このペーパー掛け作業の後、そのまま次のニス塗りに入っても良いのですが、ニスの状態を見て、もう少し表面を慣らしたい場合、次の作業を行います。

いわゆる、「たんぽ擦り」と呼ばれる作業で、英語圏では、「フレンチポリッシュ」と呼ばれています。
家具や楽器製作では古くから使われている塗装方法で、クラシックギターでは、すべての塗装をこのたんぽ擦りで仕上げるのが伝統となっています。
「たんぽ」は日本語で、短穂、もしくは打包と書くそうです。
面白いことに、イタリア語では、同じものをTampone(タンポーネ)と呼ぶのですが、語源的には偶然の一致のようです。

作業は、まず、たんぽ作りから始まります。
とは言っても、難しいものではなく、テルテル坊主を作るのと同じで、脱脂綿をコットンの布で包めば完成です。

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たんぽに、透明なニスを数滴染み込ませます。

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必要に応じてアルコールも少し垂らして、薄めます。
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そして、少しだけオイルを表面に付け、紙の上で叩いて、余分なニスを取り除きながら全体を馴染ませます。
これでタンポ擦りの準備が終わりです。

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たんぽを、楽器の上で素早く回しながら擦り付け、ニスを少しずつ乗せていきます。
適量のオイルが付いていることで、滑りがよくなり、たんぽが楽器に貼り付いてしまうのを防ぎます。


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楽器表面のニスを少しずつ溶かしながら、たんぽのニスが融合していくことで、表面の穴やデコボコを慣らしながら、新しいニスの被膜ができていきます。

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たんぽが乾いてきたら、ニスやアルコールを補充しながら作業を進めます。

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横板や、ウズマキの側面などは作業しづらいですが、タンポ擦りをすることで、滑らかに仕上げることができます。

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細かい部分は、小さめのたんぽを作って、作業します。

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なかなか根気の要る作業ですが、手間をかけることで、仕上がりの美しさが違ってきますので、時間をかけて丁寧に磨いていきます。

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ご覧いただき、ありがとうございました。

年末にご紹介いたしました、ちび丸、おかげさまで元気に過ごしております。
生後六カ月を過ぎて、子猫っぽいところと、成猫っぽいところが入り混じった感じです。

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# by violino45 | 2021-02-06 15:21 | 製作記 | Comments(7)

最新作ヴァイオリン、音のテスト。

前回の記事で、最新作のヴァイオリンご紹介しましたが、今回は、音質チェックの様子を動画でご紹介いたします。

実際の音質チェックは、数時間の作業を数日かけて行いますが、その一部分を、2分ほどでご紹介しました。
ご覧いただければ嬉しいです。




ご視聴ありがとうございました。

動画内でもテロップで説明しましたが、私がどのような観点で試奏しているか、少し補足させていただきます。

まず、試奏で最も重要視しているのは、完成したばかりの楽器の健康状態、つまり、元気よく大きな音で鳴っているかどうかです。
ヴァイオリンのどこかに根本的な問題があると、それは必ず音に現れて、元気のない響きになりますので、まず、それを見極めます。
その上で、より良い音色を目指し、細かい調整に入りますが、動画では、その最終段階での試奏をご紹介しています。

①動画の前半は、各弦の音量のバランスと、移弦時の音色変化を確認しています。
各弦の音量バランスが悪いと、音楽的なフレーズがつながらず、演奏者に負担をかけることになりますので、大切なポイントになります。
製作コンクールでも、この項目には大きな点数が設定されています。
そして、移弦をした時の音色変化に違和感が無いかどうかをチェックします。
音量バランスとともに、フレーズが自然につながるための大切な要素となります。

②後半は、ハイポジションでの音色を、一つ上の弦の第一ポジションの音色と比較しています。
同じフレーズをいろいろな弦で弾いて、音色の変化を表現できるのがヴァイオリンの魅力ですが、弦によって、またポジションによっての音色変化が大きすぎると、扱い辛い面が出てきてしまいます。
かといって、あまりにも平均化した音色では、表現力の幅が乏しい楽器になってしまいますので、そのバランス加減が難しいところだと思います。

今回ご紹介したのは一部分ですが、実際には、いろいろなポジションでの音色の変化もチェックしています。

いずれにしても、完成した楽器の最終調整(駒、魂柱、弦の選択など)でできることは限られていまして、製作途中に由来する音の問題(木材の選択、モデル、アーチ、厚み、バスバー、ニスなど)をサウンドチェックで確認できても、それを改善できるのは次の楽器になります。

長いスパンでの試行錯誤の繰り返しになりますが、これを根気よく続けることで、さらに良い楽器を製作できるヒントを得られると信じ、これからも精進していきたいと思っております。

ご覧いただき、ありがとうございました。

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# by violino45 | 2021-01-23 16:43 | 製作記 | Comments(4)

最新作ヴァイオリンのご紹介

久しぶりに、新作ヴァイオリンをご紹介させていただきます。
昨年の12月に完成して、日本にお届けしたヴァイオリンです。
今回も、動画と写真でご紹介いたします。

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今回も、スライドショー動画を作成しました、3分弱の映像です。
ご覧いただければ嬉しいです。





ご視聴ありがとうございました。

この楽器は、昨年の7月にホワイトヴァイオリンで紹介しております↓
https://violino45.exblog.jp/28176831/


以下、写真でもご紹介させていただきます。

いつもの、A.ストラディヴァリ 1705年モデルです。
ラザーリ師匠からモデルを譲っていただき、15年間、主に製作しているモデルとなります。

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裏板は、トラ杢の変化が大きめの一枚板を使いました。

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エフ孔も、ラザーリ師匠からいただいたモデルで、アマティ的な柔らかさ、丸さを感じさせる造形です。

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動画でも説明しましたが、パーフリングの先端が内側に向いているのが、ストラディバリモデルを製作する場合のポイントとなります。


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ウズマキは、黄金期のストラディバリを意識したモデルを使っています。
アマティ的な繊細さと、ストラディバリの力強さが融合した造形を目指しています。

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長文、ご覧いただきありがとうございました。

いろいろありました2020年の年末に、クレモナで誕生して、日本にお届けしたヴァイオリン。
末永く、音楽を奏で続けて欲しいと、願っています。

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# by violino45 | 2021-01-17 15:29 | 製作記 | Comments(2)

バスバーの工程、動画でご紹介。

久しぶりの製作記となりますが、今回は、バスバーの製作工程を動画でご紹介いたします。

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バスバーは、ヴァイオリンの外側からはほとんど見えず、まさしく縁の下の力持ちという存在ですが、とても重要なパーツです。

ですが、実際どのように機能しているのか、なかなか分かりづらい部分でもあります。
英語では「バスバー」ですが、日本語では「力木」、イタリア語では「カテーナ(catena)=チェーン」と、まったく違う意味を持っているのも、その存在の分かりづらさ、複雑さによるのかもしれません。

実際のところ、バスバーの役割は、①表板の補強と、②駒の振動を表板全体に拡散する、という二つがあります。

また、音作りのもう一つの主役、「魂柱」とは対をなす存在で、良き相棒でもあり、ライバルと言える関係かもしれません。

つまり、どちらかが強すぎても、弱すぎても、楽器のバランスが崩れて、良い音は出なくなってしまうのです。

前置きが長くなりましたが、動画をご覧いただければ幸いです。
今回は、テロップにて、工程を説明しております。
https://youtu.be/QT_sQXdo3Y4




ご視聴ありがとうございました。
BGMは大久保治さんの作曲、演奏で、「The green road to your house」でした。
https://www.youtube.com/watch?v=ISek7kAhVGo

作業内容は、大まかに動画内でご説明しましたが、少し補足させていただきます。

バスバーの接着面は、両端で、コンマ数ミリの隙間を開けるようにします。

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貼り付ける際には、クランプで押し付けることにより、この隙間が消えることになります。

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バスバーの工程、動画でご紹介。_d0047461_06235451.jpg



こうすることで、バスバーと表板、双方に適度なテンションがかかった状態でボディが閉じられることになります。
このテンションが音に良い影響を与えるという考え方が、ヴァイオリン製作の世界では通説になっています。(動画でもそう説明しています)

ただ、私自身は、この考え方がどこまで正しいのか、確証は持てません。
これを実証するためには、まったく同じ条件下で、テンションがかかったバスバーの楽器と、そうでないバスバーの楽器を比較しなければならないのですが、現実的にはそれは不可能だからです。

機会があれば、限りなくイーブンな条件の中で比較する実験をしたいと思っているのですが、なかなかそういう機会を作るのは難しく、今のところ、私自身は、師匠から習ったとおり、テンションをかけたバスバーの楽器を製作しています。

貼り付けたバスバーは、ミニカンナで削り、「最適」な高さ、厚みに整えていきます。

バスバーの工程、動画でご紹介。_d0047461_06235460.jpg


ですが、この、「最適な」という表現が、非常に難しいところです。

前述しましたように、バスバーには、表板の補強と音の拡散という二つの役目があるのですが、補強を重視し過ぎると楽器は響かなくなり、逆に、音を重視し過ぎると耐久性が不足してボディが変形しますので、動画内でも説明しましたが、そのバランスは非常に難しいテーマとなります。
また、表板の材質や、アーチ、厚み配分なども、バスバーの性能に深く関わってきます。

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ボディを閉じてしまうと、それ以降はバスバーを触ることができなくなるので、気軽に試行錯誤ができないこともあり、そのヴァイオリンに最適なバスバーを目指して製作しても、結果が出るのはニス塗りが終わって音を出した時になり、そこで得られたデータを元に、次に製作するヴァイオリンのバスバーを改善することになります。

ですが、次のヴァイオリンは、表板もバスバーも材質が違いますので、データを100%は活かせないことになります。

このように、非常に長いスパンでの試行錯誤をすることで、自分の製作スタイルに合った最良のバスバーを探っていくしかないのですが、亀の歩みのような進歩であっても、真摯に向き合い、少しずつ積み上げていくことで必ず向上していくのがヴァイオリン製作の良いところですので、これからも、より良い音のヴァイオリン、しかも長生きする楽器を目指して精進していきたいです。


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いつもながら、マニアックな説明で失礼いたしました。

いつか、魂柱についても、あらためて御紹介したいと思っております。

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# by violino45 | 2021-01-07 16:02 | 製作記 | Comments(2)