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ホワイトヴァイオリンと、ハイビスカス

残暑お見舞い申し上げます。
クレモナも今年はアフリカ熱波の影響もあり、夏らしい、とても暑い日が続いております。

暑さのせいだけではないのですが、いろいろあって、仕事のペースが大幅に落ちてしまい、心穏やかではないのですが、でも、急いでしまって楽器のクオリティを下げることだけはしたくないので、じっくり仕上げていきたいと思っております。

今回は、初夏から夏にかけて製作していたヴァイオリンがホワイトで仕上がりましたので、ご紹介させていただきます。
このヴァイオリンは、たぶん、11月の弦楽器フェアにてお披露目させていただく予定です。

いつものように、A.ストラディヴァリ、1705年モデルで製作しました。


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裏板は、アーチ作業の時にもご紹介しましたが、端正なトラ杢の二枚板です。
以前、モラッシー先生の工房で気に入って購入したものですが、程よく乾燥してきたので、今回使ってみました。

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裏板のパーフリングのコーナー部分です。
ストラドモデルの場合、コーナーの中央を向くのではなく、少し内側に向けて傾けるのですが、その造形は、技術力とセンスを問われる部分です。
うーん、、もう少し内側に向けても良かったですね、、、

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エフは、単独で存在するのではなく、アーチの膨らみや、コーナーの造形との融和性が大切です。

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ウズマキは、今回も黄金期のストラドを目指しておりますが、先日、本物のストラディヴァリを手に取って拝見する機会があり、それ以降、またまた思い悩む状況になっております。

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後頭部の流れるような造形は、いろいろな流派によって目指す方向性が違うので、答えは一つではないのですが、毎回、少しずつ変えて試しているところです。


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ここで、久しぶりのアンモナイト師匠の登場です。
2008年ごろ?にミラノのアンティーク市で購入して、当ブログでも時々登場しておりました。
師匠、今回のウズマキはどうでしょうか?
「まだまだ、だね」
はい、修業して出直します。。

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さて、気を取り直して、タイトルにあったハイビスカスですが。
友人の製作家の坂本忍さんにお土産でいただいたハイビスカスの苗木を、春から育てておりました。

グラスに水を入れて放置しておくと、少しずつ芽が出てきました。

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根が数本出てきたところで、鉢に植え替えると、元気よく成長を始めて

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暑くなるとともに、立派な観葉植物に。

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そして、気が付くと、小さなツボミが一つ。

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ここからが長くて、二週間くらいしたら急に大きくなって。

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翌日には見事に開花しました。

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でも、ハイビスカスの花って、一日しか持たないのですね、、、翌朝にはしおれてました、、なんと儚い。。

ですが、あの木の切れ端から芽が出て、根が張って、ここまで成長して花が咲くまでを見ることができて、感激でした。
でも、それ以降、ツボミがまったく出てこないのです、、今年の夏は一つだけの花だったのでしょうか?
一つ咲いただけででも奇跡だったのかもしれません。


by violino45 | 2019-08-30 06:05 | 製作記 | Comments(4)

リサイタルのお知らせと、次回作ヴァイオリンのご紹介

今回は、私のヴァイオリンを演奏いただいているヴァイオリニスト、杉本果凛さんのリサイタルをご紹介させていただきます。

【杉本果凛 ヴァイオリンリサイタル】
2019年 10月6日(日)14時開演(13時半開場)
紀尾井町サロンホール
東京都千代田区紀尾井町3-29 紀尾井町アークビル1F

当日券は1000円ですが、以下のメールアドレスに、私のブログかFacebookを見た旨をご連絡いただければ、招待券を郵送いただけるそうです。
その際は、お名前、住所、チケットの枚数の明記をお願いいたします。
karin.ticket@gmail.com (杉本伸子宛)

杉本果凛さんは、2013年に、フルサイズのヴァイオリンに持ち替えるタイミングで楽器をお届けしたお嬢さんです。
まだプロの演奏家としての活動はされていないのですが、今後の活躍を期待しています。

私自身は帰国のタイミングが合わず、残念ながら聴けないのですが、ご都合が合いましたら、ぜひご来場いただければ嬉しいです。
このチラシに写っている楽器が、私のヴァイオリンです。
製作してから6年間弾き込んでいただいて、音も馴染んできているように思います。

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さて、先日ホワイトでご紹介したヴァイオリンは、現在ニス塗り中ですが、次回作のヴァイオリンを現在製作中ですので、少しご紹介いたします。
今回の裏板は二枚板で、比較的明確なトラ杢のカエデ材を使いました。

まずは丸ノミでの荒削りですが、夏場の作業としてはなかなかハードなものとなります。
暑さの中では、集中力の維持が難しいですが、この段階でバランスを整えておかないと、後の作業が大変になりますので、気合を入れて削ります。

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そして、ミニカンナでのアーチ削り作業です。
二枚板は、左右対称に見えるので、左右のバランスは取りやすいのですが、ハギ合わせのラインに目が惑わされて、均等な膨らみを作るのが難しい面もあります。

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部分によって、サイズの違うミニカンナを使い分けて、アーチを少しずつ整えていきます。

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スクレーパーで、アーチを仕上げます。
面白いもので、表面が滑らかになると初めて見えてくるアーチの不具合もあるので、この段階で再びミニカンナで削りなおすこともあります。


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逆カーブと順カーブを、いかに統合して一つの造形として成立させるか、美的観点と音色作りの観点、両方を追求しながら追い込んでいきます。

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日本も暑い日々が続いているようですね、熱中症には気を付けて、ご自愛くださいませ。

by violino45 | 2019-08-04 06:54 | 製作記 | Comments(2)