10月には、3年ぶりとなりますクレモナ演奏ツアー(宮地楽器主催)が予定されておりますが、昨年決定していた演奏会場がクレモナ市の都合で使えないことになり、別の演奏会場を検討するため、急遽、宮地楽器の山本さんがクレモナに来訪されました。

今回、候補地の視察に同行して思ったのは、海外で大人数の演奏会をすることの大変さでした。
まず、演奏者数が前回の倍以上となり、それだけの人数が同時に演奏できるかどうかが問題となりました。
3年前の会場はとても雰囲気が良いのですが、40人以上のオーケストラは入らないということで、断念となりました。

さて、会場の選定ですが、経験豊富な現地のプロモーターに任せるという判断もできたと思うのですが、山本さんとしては、半年間、厳しい練習を続けてきた40名の参加者さんに、できるだけ良い環境で演奏して欲しい、思い出に残る演奏会となって欲しい、という強い思いから、二泊三日の強行軍でクレモナに来られたのだと思います。
宮地楽器の店長という立場もあり、忙しい中、クレモナに来られることは大変だったと想像しますが、それでも、自分の目で確認しなければ納得できないという気持ちで実行に移してしまうところが、山本さんが山本さんである所以であり、さすがだなと思いました。

そして、会場を見るだけではなく、実際に演奏してみて、良い音で響くかどうかも確認しなければ納得できないのも、山本さんらしいなと思います。
私が製作した2005年のヴァイオリンを、試奏用にご提供しました。
私としても、いろいろな会場でどのような音で響くのか確認できて、製作者として貴重な機会となりました。

屋内だけではなく、クレモナ大聖堂に面した旧市庁舎内の広場も候補に挙がりました。

開放的で、クレモナの象徴的な場所ですので、記念演奏会の候補としては魅力的ですが、10月の天候、気温が予想がつかないことと、周りの騒音で演奏が聞こえなくなってしまう可能性も考えると、リスクが大きく、なかなか難しいという判断となりました。

そのほか、数カ所を視察しましたが、残念ながら条件が合わず、最終候補地として有力となったのは、大聖堂から歩いて数分の場所にある、マッダレーナ教会でした。

レンガ造りの素朴な教会ですが、内部は荘厳な雰囲気です。

許可を得れば、祭壇の上で演奏できるのが魅力です。

実際に椅子を並べてみて、演奏可能かどうかのチェックです。

広々とはいきませんが、十分に演奏できるという判断となりました。

もちろん、実際に弾いてみてのチェックも欠かせません。
教会らしく、とても豊かな響きでした。
私のヴァイオリンを教会で弾いていただく機会もめったにないので、嬉しい機会となりました。

無事に会場も決まり、山本さんの肩の荷も少しは軽くなったことと思います。
10月6日には、この会場で演奏会が開かれると思うと、私も今から楽しみです。
山本さん、大変お疲れ様でした。

▲ by violino45 | 2018-06-21 08:42 | 日記 | Comments(2)