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ガルネリモデル ホワイトで完成

なかなか製作記をこまめに更新できない状況ですが、、、以前からご紹介しておりましたガルネリモデルのヴァイオリンがホワイトで仕上がりましたので、ご紹介いたします。

写真では伝わりづらいですが、黄金期のストラドに比べると、かなり細身なヴァイオリンです。

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裏板は、細めのトラ杢の1枚板です。
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エフはオリジナルの楽器の特徴を再現しつつ、私自身のスタイルを最大限に取り入れての製作となりました。

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ちなみに、オリジナルの楽器のエフはこんな感じです。
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コーナー部分の仕上げです。
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ガルネリは、普段製作しているストラドモデルの造形とは異なりますし、オリジナル楽器のこの部分は削れてしまって、見本もなく、着地点が難しい作業になりましたが、楽器全体の雰囲気に調和するような造形を目指しました。
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ウズマキも、オリジナル楽器の雰囲気を出しつつ、私の新作楽器としての解釈で製作しました。
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ちなみに、オリジナルのウズマキはこちらです。
この、なんとも言えない力強さを100%再現しようとすると、フルコピーをするしかない気がしますが、、、、
でも、新作楽器としてのスタイルを維持しつつ、ある程度は造形を再現できたのではないかと思っております。

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ご覧いただき、ありがとうございました。

ミケにゃんは、時々、部屋の中をグルグル、何かを探すような感じで、叫びながら^^歩き回っています。
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私達の存在に気がつくと、我に返ったように、安心するようです。
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by violino45 | 2018-03-30 06:44 | 製作記 | Comments(4)

マエストロ・モラッシー氏との思い出。

前回の投稿から、ずいぶん時間が空いてしまいました。

2月の終わりに、現代イタリアを代表するマエストロ、ジオ・バッタ・モラッシー氏が永眠され、3月3日に葬儀が行われました。
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クレモナ全体が悲しみに沈んだことは言うまでもありませんが、私自身も、心に大きな穴が空いたように感じ、なかなか元の日常には戻れない日々でしたが、逝去されてから3週間近く過ぎて、少し落ちついてきました。

モラッシー氏の偉大な功績につきましては、私が語るには畏れ多すぎますので、ブログで触れることはご遠慮いたしますが、私自身、ヴァイオリン製作を始めた20年前から、言葉では言い尽くせないぐらいの影響を受けていたことを、今回、あらためて思うこととなりました。

現役時代に工房で仕事をされていた頃は、楽器が完成すると見ていただき、いろいろご指導くださいました。
学生時代に、仕上げを終えたつもりのホワイトヴァイオリンを持参したら、いきなり、ここがダメだと、大きなヤスリでガリガリと削られたことも、今となっては懐かしい思い出です。

思い出は尽きませんが、いくつか、モラッシーさんと写っている貴重な写真がありますので、ご紹介させていただきます。

1枚目は、まだ日本でサラリーマンとして働きながら楽器を製作していた頃、クレモナへの憧れが抑えきれず、初めてクレモナに来た時の写真です。
1999年の夏ですが、モラッシーさんは現役バリバリで、それこそ雲の上の、そのまた上の存在ではありましたが、思い切って訪ねてみたら、とても親切に応対していただき、感激している私です。
私はまだ38歳、、、息子のシメオネさん、弟子のステファーニャさんも、若いですね。
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この年にクレモナを初めて訪れて、もしかしたら、自分もこの場所で楽器作りをしても大丈夫ではないか?と思った(思ってしまった)きっかけが、この、にこやかに迎えていただいたマエストロとの出会いだったのかもしれません。
でも、この2年後の夏に、クレモナの製作学校の入学試験を受けにくることになるとは、まだまだ、想像もしておりませんでしたが。

2枚目の写真は、2006年、クレモナに来て5年目の春、製作学校を卒業して、ラザーリ師匠の工房で修行に励んでいる頃です。
完成したホワイトヴァイオリンを見ていただいた時のスナップですが、さすがに、この頃は、いきなりヤスリで削られるようなことはありませんでした。
でも、ラザーリ氏の弟子であることを前提に、いろいろ厳しいご意見を伺うことができて、とても勉強になる時間でした。
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この数ヶ月後に、初めて参加したヴィエニアフスキー・コンクールで第1位をいただくことになるのですが、優勝という結果はもちろん嬉しいものでしたが、審査委員長を務められたモラッシー氏に、初めて少しだけ認めていただけたような気がして、そのことが何よりも嬉しいことでした。
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クレモナに憧れて、初めて訪れた日から7年後に、マエストロから表彰状をいただくことになるとは、それこそ夢にも思わない出来事でしたので、この時は完全に意識を失っておりましたが、後から写真を見て、マエストロと握手をしたことはやはり夢ではなかったと、、、もし時間を止めて宝物にできるのなら、この瞬間を永久に保存したいと思う写真です。

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マエストロに少し認められたと思っても、実際には、その後も、工房にお邪魔するたびに厳しい意見をいただく日々でしたが、いつしか、現役を引退されて、工房には来られなくなり、なかなかお会いすることも難しくなりました。

でも、時々、会合などでお目にかかる時は、いつもとても元気なご様子で、少なくとも100歳を超えるまでは心配ない!と誰もが思っていたのですが、昨年末から体調を崩されて、83歳で天に召されることになってしまいました。

クレモナ郊外で執り行われた葬儀には、大雪の中、教会に入りきらないくらいの参列者が集い、しめやかにマエストロを送り出しました。

マエストロは天に召されましたが、その存在は、偉大な功績、そして温かい人柄とともに、永久に人々の心の中で生き続けることと思います。

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さて、ガルネリモデルの製作記が滞ってしまい、失礼しております。
ウズマキ製作中の写真ですが、今回は、モノクロームでご紹介させていただきます。
季節の変わり目、皆様もお体にはお気をつけてお過ごしくださいませ。

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by violino45 | 2018-03-18 07:23 | 日記 | Comments(4)