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ガルネリモデル その後

ガルネリ 1731年 ex Huberman モデル、アーチ削りの作業になっております。

ミニカンナでの作業ですが、普段製作することが多いストラドモデルと比較して、幅が少し狭く、また、全体の形も違いますので、隆起の形も違ってきます。
どのようなアーチにすれば見た目が美しく、また、音が良い楽器になるのか、ミニカンナで削りながらイメージを固めていきます。
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続いて、スクレーパーでの作業になります。
ほぼ真横からに光を当てて影を作り、全体のバランスを整えながら、滑らかなカーブを仕上げていきます。
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裏板のアーチが仕上がりました。
初めてのモデルの場合、アーチによって、どのように音色が変化するのか予測を付けづらいのですが、今までの経験に照らし合わせながら、最適と思われる隆起に仕げていきます。
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表板も、同じ工程で仕上げていきますが、途中でエフをデザインして、最終的な楽器の表情をイメージしながら削っていきます。
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さて、エフの話が出ましたが、オリジナルの楽器のエフはこんな感じで、左右が対称形ではなく、それぞれ、主張を持った造形となっています。
また、ボディのCの部分も、左右で開き具合が異なっていて、アンバランスな印象を受けます。
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ですが、左右、どちらの造形を見ても、この楽器のイメージを明確に表していて、トータルで破綻せずに一つの表情を作っているのは、さすが、ガルネリさんだなと思うところです。
人間の顔も左右で微妙に異なりますが、どちら側を見ても、その人だということを見間違えないですし^^、左右の微妙な違いが表情に魅力を作っている事に似ている気がします。

問題は、この楽器をモデルにして新作ヴァイオリンを製作する場合に、どこまで忠実に造形を再現するのかという点です。
この点については、過去に、イザイモデル、ハイフェッツモデルを製作した時にも説明しておりますが、基本的には、左右対称に製作するというのが私のポリシーですので、オリジナル楽器の左右どちらかを選択して、開く形で全体のモデルを作ります。

ただ、それでは、完全に左右対称な楽器になり、オリジナル楽器のような味わいが足りず、表情が薄い楽器になってしまいますので、実際に木材を削る際に、微妙に修正して、雰囲気を作っていくという作業になります。

いずれにしても、どのモデルで製作する場合でも、製作者の個性、ものの考え方、生き方などが色濃く反映されるのが楽器製作なので、そこが魅力でもありますし、完成した楽器を見れば誰が製作したか分かるような、奥の深い意味でのオリジナリティを追求していきたいと思っております。


ミケにゃんは、ホットカーペットが大好きですが、どちらかというと、上半身というか、頭を温めるのが好きなようです。
のぼせてしまいそうで、少し心配なのですが、、。
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by violino45 | 2018-02-12 15:13 | 製作記 | Comments(2)