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メリークリスマス & あの番組の舞台裏

早いもので、今年もあと一週間ほどになりました。

皆様が、心穏やかにクリスマスを過ごせますよう、クレモナの地からお祈り申し上げます。
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さて、私自身を振り返ってみると、今年も、いろいろなことがありました。
先日ご紹介しました松山でのコンサートをはじめ、関西での展示会東京での弦楽器フェアなどでは多くの皆様にお世話になり、また、たくさんの出会いもありました。
あらためて、この場を借りて御礼申し上げます。

9月にはトリエンナーレ・コンクールに参加して、ビオラ部門でファイナリストに残れたことは、過去の国際大会での優勝と同様、意義深いできごとでした。

プライベートでは、昨年のシマにゃんに続き、ミケにゃんも家族になり、賑やかになりました。
シマにゃんは、残念ながら闘病が続いておりまして、最近は写真を撮るのも忍びない気持ちですので、しばらく、ご紹介するのを控えさせていただいております。

また、「名古屋文化情報」、そして「ニューズウィーク誌」でご紹介いただくという、光栄な出来事もありました。

ですが、やはり、今年一番の大きな出来事は、「笑ってコラえて」でご紹介いただいたことだと思います。
この番組を通じて多くの方と出会えたことは、とても嬉しいことでした。
あらためて、日本テレビのスタッフ様、ご協力いただいた宮地楽器様、他、関係各位の皆様に感謝申し上げます。

さて、この番組の取材中に撮影した写真がありますので、年末ネタということで、ご紹介させていただきます。

ラザーリ師匠の工房でのシーンです。
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再現フィルムでは、ラザーリ師匠が、自ら本人役を演じていただきました。
当時、見ず知らずの日本人だった私に、こういう状況で仕事の全てを見せてくれた、ラザーリ師匠の人間の大きさに、あらためて敬服する思いです。
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私の役は、ローマ支局の二代目支局長となった三林ディレクターが演じられました。
三林さんのイタリアでの初仕事が、再現フィルムの役者さんだったのでした。
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撮影に立ち会いながら、私自身、修業時代を思い出して、初心に帰ることができました。
この作業台には想い出がありまして、、、
当時の私が、弟子入りしたい一心で、ラザーリ師匠に持ち込み許可をお願いした、「子供用作業台」なのです。 実際、このような感じで作業していました。
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2004年当時の私です、、、8年前、、若いですね。。
子供用の作業台を、目一杯かさ上げして使ってます。
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撮影は、終始、穏やかに進みました。
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こちらは、学校での、音響物理の授業シーンです。
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私が学生時代、実際に授業を受けていた先生が、その役を演じてくれました。
美人ですが、怖い先生でした。
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そして、入学試験の面接のシーンです。
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この当時は、「製作学校に入学できなかったら、NHKに退職願いを出せない」という綱渡り的な状況でしたので、ほんとうに必死で面接官に食い下がった記憶があります。
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そして、ローマからの中継のシーンです。
これは、リハーサル中、、リラックスしてますね。
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最近は、パソコンと携帯電話があればリアルタイムで中継ができてしまうということを知り、元放送マンとしては、時代の変化に大いに驚きました。
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本番です、、一気に緊張します。
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青空市が出ている広場の一角のカフェが、中継場所でした。
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支局長の役目を終えられたコマツバラさん、お疲れ様でした。
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三林さんとコマツバラさん、そして、右端の方は、取材担当の飯塚ディレクターです。
皆様、大変お世話になりました。
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2008年の、川久保さんの番組の時も感じましたが、取材を担当されたスタッフの皆様がとても真摯に、良い番組を作りたいという強い気持ちとプロ意識で仕事をされているのが印象的でした。
私も大いに刺激を受けましたし、放送していただいた内容に恥ずかしくない楽器を作り続けていきたいと、あらためて強く思いました。

来年も、初心を忘れることなく、さらに良い仕事ができますよう精進していく所存ですので、今後ともよろしくお願いいたします。

今年の更新はこれで最後になると思います。
皆様、良いお年をお迎えください。

by violino45 | 2012-12-24 06:16 | 日記 | Comments(18)

松山でのイベントのご報告

クレモナに戻ってしばらく経ちましたが、体調がなかなか本調子に戻らず、ブログも更新できずに失礼しております。

弦楽器フェアにはたくさんのお客様にお越しいただき、ありがとうございました。
また、日本滞在中にはいろいろな方にお世話になりました。
あらためて深く感謝申し上げます。

さて、弦楽器フェアの後に、とても印象に残ったイベントがありましたので、感謝の気持ちを込めてご紹介させていただきます。

場所は、松山市です。
私のヴァイオリンのお客様、西村真也氏のご厚意で、私の楽器だけを6台使用したコンサートを企画していただきました。
松山市内で皮膚科を開業されている西村氏は、松山モーツァルト会の会長をされておりまして、普段から音楽イベントなどを地元で企画されている方ですが、2009年に、ヴァイオリニストであるご子息のために私の楽器をご購入いただきましてから、毎年、松山モーツァルト会にて私の楽器を使用したイベントを開催いただいております。
今回は、ヴァイオリン4台とヴィオラ2台を使用したコンサートとなりました。

このようなコンサートは、2007年にも宮地楽器さんにて開催いただきましたが、楽器製作者にとって、これ以上無いくらい光栄で幸せな出来事だということは容易に想像していただけると思いますが、また同時に、私の楽器が演奏者の皆様の演奏に十分にお応えできるのか、音楽を妨げることがないか、という不安も感じるというのが正直な気持ちです。
でも、前日からのリハーサルで、演奏者の皆様が限られた時間の中で、楽器の音色を最大限に引き出していただいている様子を拝聴させていただき、その不安は払拭されました。

リハーサルの風景が中心になりますが、ご出演いただきました皆様をご紹介させていただきます。

コンサートのメインの演目は、ヴィヴァルディの、「4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲」でした。
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第一ヴァイオリン、そして総監督として、東京芸術大学名誉教授の浦川宜也先生にご参加いただきました。
現在、西村氏のご子息の壮さんが浦川先生に師事されているご縁もあり、このような光栄かつ畏れ多いこととなりました。
先生には、私の2007年製の楽器で、バッハの「シャコンヌ」も演奏していただきました。
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第二ヴァイオリンは、浅野未希さんです。
ハンガリー国立リスト音楽院を修了され、浦川先生にも師事されました。
現在は、クラシック音楽の他、和楽器とのコラボレーションなど、幅広くご活躍されています。
2005年製作のヴァイオリン(宮地楽器展示品)を演奏していただきました。
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第三ヴァイオリンは、高橋暁子さんです。
松山のご出身で、同志社女子大学学芸学部音楽科を卒業された後は、愛媛を中心に演奏活動、また、ヴァイオリン講師としても活躍されています。
弦楽器フェアでも展示しました2011年製のヴァイオリンを演奏いただきました。
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第四ヴァイオリンは、西村氏のご子息、西村壮さんです。
徳島文理大学研究科を卒業後、浦川先生に師事。ソリスト、室内楽メンバーとして幅広く演奏活動をされています。
2009年製のヴァイオリンを演奏いただきました。
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第一ヴィオラは、升田勝喜さんです。
20歳でヴィオラを始め、筒井はるみ、菊田秋一、玉置勝彦氏に師事、オーケストラ、室内楽などで活躍されています。本業は歯科医師さんです。
トリエンナーレコンクールで5位となりました2012年製のヴィオラを演奏いただきました。
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第二ヴィオラは、江口志保さんです。
99年にエリザベト音楽大学音楽学部器楽学科を卒業後、01年に同大学大学院修士を修了され、現在は「なごみアンサンブル」の代表として活躍中です。
2009年製のヴィオラを演奏いただきました。
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特別ゲストとして、後藤一宏さんにご参加いただき、チェロのパートをファゴットで演奏していただきました。
後藤さんは、77年からファゴットを始め、現在は、ワグネルOBオケ、練馬交響楽団の団員として演奏活動をされています。 スタインウェイジャパンの代表取締役をされています。
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ピアノは、藤田浩さんです。
ウィーン国立音楽大学ピアノ科を卒業。第6回シューマン・ユン=チャン国際ピアノコンクール最高位受賞。日本ピアノ教育連盟四国西南支部支部長、全日本ピアノ指導者協会正会員などの活動をされ、済美高校の教諭もされています。
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コンサートの主催者である西村真也さんも、ピアノ演奏で参加されています。
写真は、コンサートの前日、「マツヤマ楽器」さんの店内でリハーサル中の西村氏と、ヴァイオリンの浅野さん、高橋さんです。
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お忙しい中、弾き慣れない楽器に慣れるために寸暇を惜しんで練習を重ね、本番に臨んでいただきました。
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夜は、西村氏の自宅に集合してのリハーサルとなりました。
ヴィオラの江口さんにはこの日に初めて楽器をお渡しすることになり、サイズの違いもあり、申し訳ない状況でした。また、楽器が揃ってのリハーサルはこの時が初めてでしたが、本番までの短い時間の中で、楽器が見違えるほど生き生きと鳴り出していくのは、さすがだと感じました。
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浦川先生は、当日のリハーサルからの参加でしたが、熱の入ったご指導により、音楽がさらに高い次元に昇華していく過程を目の当たりにすることができ、非常に良い経験となりました。
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コンサートでは、ヴィヴァルディの協奏曲の他、デュオやトリオの曲も演奏していただきました。
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私の楽器同士が、どのように響き合うのか、不安と期待が入り交じった気持ちで聴かせていただきましたが、同じ製作者の楽器であっても、やはりそれぞれに個性があって、違う声を持っているものだとあらためて実感することとなりました。
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ですが、やはり同じ遺伝子を持った楽器同士のアンサンブル、普段の演奏会ではなかなか聴くことのできない独特の響きを感じるものだということは、ご参加いただいた皆さん共通の感想でした。
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ファゴットとヴィオラのデュオでは、ファゴットの響きがなんとも温かで美しく、感動的でした。
ふと、弦楽器でもこのような膨らみを持った音色を作れないものかと、真剣に考えてしまいました。
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ヴァイヴァルディの協奏曲では、私が製作した6台の楽器たちの音色が混ざり合って、すごい迫力で迫ってくるように感じました。
それぞれの楽器を製作していた当時の思い出もよみがえってきて、思わず号泣しそうになってしまいましたが、なんとか堪えて、すばらしい音楽を心に刻ませていただきました。
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本番はもちろん大成功のうちに幕を閉じました。
今回のコンサートを聴かせていただいて、あらためて、音楽の持つ力、すばらしさを実感しました。
そして、弦楽器を製作する仕事に就けたことに、心から感謝したいと思いました。
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最後に、素晴らしい演奏をしていただいた音楽家の皆様、西村さんをはじめコンサートの開催に向けてご尽力、ご協力いただきました関係者の皆様、また、大切な楽器をご提供いただきましたオーナーの皆様、そして、会場にお越しいただきましたお客様へ、厚く御礼申し上げます。

私の楽器を使用してのコンサートではありましたが、会場のお客様には、そのことを意識されずに、純粋に音楽を楽しんでいただけたのでしたら、楽器製作者としてこれ以上嬉しいことはございません。
また次回、お目にかかれる日を楽しみにしております。

by violino45 | 2012-12-14 04:52 | 日記 | Comments(9)