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コンクール終わりました

先日お知らせいたしました通り、ドイツのミッテンバルトで開催された弦楽器製作コンクールにバイオリン部門で参加いたしましたが、結果が発表されましたのでご報告いたします。

バイオリン部門は、150台以上のエントリーがあったようですが、予選を通過した100台のバイオリンの中で、私の楽器は20位という結果でした。

昨年行われたクレモナでのコンクールの時もそうだったのですが、私の楽器は、技術点など見た目の審査では上位に位置するのですが、、、音の審査になると、どうも審査員の皆さまに気に入っていただけないようで、、、少し順位を下げてしまいました。

この結果は真摯に受け止めて、これからも音質の向上に精進していきたいと思っております。

あらためて、コンクールの難しさを感じましたが、20位という結果にはとても満足しています。
2005年からコンクールに参加し続けて5年になりますが、私の中ではいつも、「30位以内に入ることができれば満点」という気持ちで臨んでいます。

コンクールに限らずですが、どんな分野でも、100人以上での競争に参加して、常に30位以上を狙うということを想像してみた場合、それが簡単ではないことがすぐに実感できると思います。

私がコンクールに参加する理由は、いままでもブログに書いていますが、、「いつも通りに製作した楽器を審査の場にさらすことで、自分の欠点や問題点を再確認して、より良い楽器製作に活かす」ということに尽きるわけです。

ですが、ただ参加すれば良いというわけではなく、、

この言葉の中には、「いつでも、どの楽器でも、コンクールに出品しても恥ずかしくない覚悟でなければ、私の製作家人生は終了です」、という意味が私の中では含んでいます。
私のプライドでもあります。

コンクールの結果については、30位以内なら満点と書きましたが、30位以下であろうと、どんな結果が出てもこだわらずに、その楽器に足りなかったものは何か?ということに全神経を注いで集中したいと思っています。
そうしないと、多大なエネルギーと時間を注いで参加した意味がなくなってしまいます。

ところで、30という数字には特に意味はありませんです。
現実的には、いつも30位に入れる自信などは、まったくありませんが、だからこそ、高いハードルとして設定しているわけですし、20位でとても満足と申し上げた意味もご理解いただけると思います。

さて、今回のコンクールでは、嬉しいニュースがあります。

私の同僚?である高橋さんが、見事に4位入賞を果たしました。
メダルを逃して残念、、、というべきなのかもしれませんが、、、でも、とても立派な成績だと思いますし、同じ工房で働く仲間、ライバルとして、誇りに思います。
おめでとうございました。

そして、私の後輩になりますが、クレモナで修行して5年になる百瀬さんが、9位に入りました。
百瀬さんは、昨年製作学校を卒業したばかりですが、とても熱心に修行されていて、私のところにも作品を頻繁に見せにくる勉強家です。
最近は、ラザーリ師匠にも習い始めていて、いわば、弟弟子のような感じですが、将来が楽しみな製作家の一人です。

写真は、楽器提出の前日の記念写真です。
右側の人が、百瀬君です。
私が左手で持っているのが、私のバイオリンです。
右手のは、天野さんのバイオリンです。
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コンクールの楽器の展示会は、5月30日から6月5日までミッテンバルトで開催されています。
機会がありましたら、ぜひご覧くださいませ。
私たちも、展示会は見学する予定ですので、しっかりと研究してこようと思っています。
またご報告しますね。

楽器が戻ってきましたら、写真にてご紹介いたしますし、また、明君の演奏で音もご紹介できればと思っています。

では、取り急ぎ、ご報告までで失礼いたします。
応援いただいた皆様、ありがとうございました。
とても心強く参加することができました。
今後とも、よろしくお願いいたします。

by violino45 | 2010-05-28 08:42 | お知らせ | Comments(12)

ミニカンナと、、コンクール参加

アーチの作業は、ミニカンナでかなりのところまで進めます。
ガルネリ型のほうが、ストラドに比べて、いわゆるクビレが少ないので、アーチの成形はやりやすいイメージがあるのですが、、、カノン砲の時もそうだったのですが、いつも途中で悩んでしまいます。
なかなかまとまりのあるアーチにならないときは、一旦休んで、翌日に作業したほうが良い場合が多いです。(余裕がない時は、そうもいかないのですが)
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この作業の時に使っているミニカンナです。
モラッシーさんのお店で売っているものですが、この大きさが絶妙で、、これより大きくても小さくても、使いづらい気がします。
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バイオリン作りには、もうひとつ小さめのカンナも使います。
アーチのカーブが急なところは、こちらのほうが小回りが利くので、便利です。
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これは、昨年、モスクワに行った時にいただいた、チャイコフスキーコンクールの副賞の、金のカンナです。
少し小さめですね。。でも、使いやすそうな形をしています。。。少し使ってみようかな??
でも、もったいないので、、、やめておきます。。
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さて、、、タイトルにありますように、、ふたたび製作コンクールに挑戦しております。
今回は、ドイツのミッテンバルトです。

ミッテンバルトは、マティアス・クロッツという偉大な製作家が活動していた場所として有名です。
現在も、バイオリン製作学校に世界中から留学生が集まってきますし、工房も町のいたるところに存在しますし、バイオリンの材料や工具のお店も有名で、クレモナと同じく、バイオリンの聖地となっています。
現代の巨匠、ヨーゼフ・カントゥーシャさんの工房も、ミッテンバルトにありますね。

この歴史ある町で最初に製作コンクールが開催されたのは1989年ですが、今回は第6回となります。

バイオリン、ビオラ、チェロ部門に分かれていますが、私はバイオリン部門への参加となります。
聞くところによると、バイオリンだけで150台以上の楽器が集まったそうで、、、、クレモナのトリエンナーレに並ぶ規模の大会のようです。。

審査は、実は今週から始まっていまして、来週の後半には結果がでる予定です。
例によって、、、結果が良かったらご報告しますね。。^^

ちなみに、コンクールのサイトはこちらです。
まだ、結果など、何も発表されていませんが、、審査員の名前は見ることができます。
http://www.geigenbauwettbewerb-mittenwald.de/MW_web_seiteneng/contest.html

by violino45 | 2010-05-22 06:05 | 製作記 | Comments(6)

イザイ・ガルネリ その後

みなさま、良いゴールデンウィークを過ごされましたでしょうか?

なかなか更新が進まず、失礼しております。

イザイモデルですが、、横板に合わせて裏板と表板を切り抜きます。
イザイ・ガルネリの本物は一枚板ですので、コピーモデルということで、一枚板を使用しています。
最近は、なかなか良い一枚板を確保することが難しいです。
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まず、荒削りということで、大きい丸ノミで削っていきます。
この時点で、おおまかなアーチの雰囲気を作り出すことが大切なのですが、普段のストラディバリモデルとはだいぶプロポーションが違いますので、少し戸惑います。
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荒削りが終わったら、アウトラインを整形していきます。
この作業で作られたシルエットは、楽器が完成するまで変更はできませんので、作業としては初期段階ですが、仕上げの作業とも言えますので、慎重に進めます。
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ここで、初めて、ポスターに対応した、楽器のシルエットが生まれました。
完全コピーではないので、若干の違いはありますが、楽器の雰囲気が大きくは違わないように、見比べながら修正していきます。
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パーフリングを入れます。
無意識に、ストラド風のコーナー部分の処理になってしまいそうなので、意識して、ガルネリの雰囲気を出そうとしていますが、、、でも、最終的にはストラド的なテイストも混じることになりました。。
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これで、2次元的に正面から見た楽器の雰囲気はほぼ完成です。
これからが、3次元的なアーチの造形になりますので、楽器の音に直接関わる、大切な工程になります。
今回は、、ここまでです。
次回は、ミニカンナの登場です。
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by violino45 | 2010-05-08 06:21 | 製作記 | Comments(8)