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コンクール速報、と、弟子入りについて。。

複雑なタイトルですみません。

まず、コンクール速報から。。

先日、ブレーシアの北のイゼオ湖畔にある、ピゾーニェという町で弦楽器製作コンクールが行われ、私の友人でありライバルでもある、高橋明さんが見事優勝を飾りました。
おめでとうございます!
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高橋さんのブログにて、詳しくご紹介されていますので、ぜひご覧ください。
ちなみに、私は、今回は参加しておりませんです。。


さて、「弟子入りについて」、、とは、意味深なタイトルですが、、。

最近、私のところに弟子入りを希望されるメールが時々届くようになりました。

ですが、私自身、まだまだ修行中の身でありますので、弟子を受け入れて自分の技術を伝える段階ではないと考えていますので、残念ながら、すべてお断りしております。

私自身、ラザーリ師匠に師事したい一心でクレモナに来ましたし、それがかなった時の喜びはたとえようのないものでしたので、私にメールをくださる人の気持ちは痛いほど良く分かりますし、皆様、それなりの決断をして、勇気を出しての行動だと思いますので、事前に私の意志を分かっていただければ、回り道をしなくて済むと思いましたので、今回、私の状況を説明させていただいております。

私も、いずれはラザーリ師匠から受け継いだ技術を後世に伝えたいですし、それは、技術を受け継いだ人間の責任であるとも思いますので、将来的には弟子を受け入れたいと思っておりますが、現時点では、私自身にまだそういう余裕が無いというのが正直なところです。

もし、私に弟子入りをと思っておられる方は、この記事をご覧いただけたら、再度ご一考をお願いいたします。

ご参考までに、蛇足ですが、だれかに弟子入りを希望されるようなメールを書く場合のアドバイスを、いくつか、、、。

フルネームはもちろんですが、住所、電話番号などの連絡先をすべて書いてください。
個人情報を知られたくないという気持ちからか、書いてこない人が多いですが、、、そもそも、信用できない相手に弟子入りをお願いするというのはおかしいですよね。

あと、バイオリン製作を志す理由、きっかけ、経験などを、できるだけ詳しく書くべきです。
弟子入りというのは、人間同士の、かなり深い部分を共有するかもしれない関係への第一歩ですから、詳しい自己紹介なしに弟子入りを希望することは、私の感覚ではありえないと思っています。

以上のことに関係するのですが、携帯メールなどの簡易手段は、伝えられる内容が限られるので、使わない方が良いですし、重要なお願いをする手段としては、軽すぎます。
普通のメールが使えなければ、手紙を書くべきだと思います。

最後に、私がラザーリ師匠に師事するまでの経緯を、かいつまんで書いておきます。

日本で修行中に、ラザーリさんのバイオリンを見て感銘を受けて、ラザーリさんに師事したい一心でクレモナに渡ったのが2001年でしたが、すぐにラザーリさんに会いには行かず、メールや電話などで連絡することも控えました。
まずはイタリア語を身につけてからでないと習えるものも習えませんし、第一、失礼になると思ったからです。
また、日本では10台以上の楽器を製作していましたが、イタリア流の製作方法をクレモナの製作学校で一通り勉強してからでないと、ラザーリさんのスタイルを学べないと考えたからです。

ラザーリさんと初めて話したのは、2002年の秋でしたが、その時も、弟子にして欲しいなどとは恐れ多くて言えませんでしたので、最初は、時々工房に通って、製作した楽器を見ていただいたり、ラザーリさんの仕事を見学させてもらっていました。

週に一度工房に通う生活を2年間続けて、徐々に信頼も得られてきた2004年、製作学校を卒業するというタイミングで初めて、「弟子にしてほしい」と伝えました。

学校のインターン制度で、その年の秋からラザーリ工房にて3カ月の修行をさせていただいて、それ以降も引き続き工房で作業をする、いわゆる弟子の生活がスタートしたわけです。

弟子になりたい、と決意してから、4年を費やしたわけですが、私は、弟子になるという事はこういうことだと最初から思っていましたので、苦にはなりませんでした。

なので、もしも私が現在、弟子を募集している状況だとしても、誰かから面識のない状態でメールなどで弟子入りを希望されても、そのまま受け入れることはおそらくないと思います。

少し重い内容になってしまい、失礼しました。

でも、メールで弟子入りを希望してこられる方の熱意を否定しているわけでは決してないことをご理解ください。
むしろ、その短い行間からこそ、本当の熱意を感じておりますし、心から応援しております。
ただ、弟子入りというのは、お互いに本当に責任の重い行動ですので、そこに至るまでには必要な段階がたくさんあるということをご理解いただければと思い、あえて書かせていただきました。


乱文失礼いたしました。

by violino45 | 2009-08-27 08:15 | お知らせ | Comments(4)

ビオラ40センチの写真

2005年にブログを始めて以来の長期に渡るフリーズ状態に陥っておりますが、それでもお立ち寄りいただいている皆様には本当に感謝しております。

工房の移転で時間が足りなかったり、いろいろな理由があるのですが、、4年間ブログを続けてきて、同じ内容の繰り返しをできるだけ避けてきたつもりなのですが、どうしてもワンパターンになりがちな状況を回避できないまま続けるのも心苦しいという気持ちが大きいという感じでもあります。

少し休む中で、いろいろ新しい方向性を考えているのですが、今のところ、以前のようなペースで更新を続けられるようなモチベーションを維持できる名案は浮かんでこない状況です。

でも、私にとって、4年間の思い出が詰まったとても大切なブログですので、これからもできるだけ更新していきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

何を書いているのか分からなくなってきましたので。。

少し、情報としては古いのですが、、以前、製作記でご紹介していた、40センチビオラの完成した写真をご紹介したいと思います。

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このビオラ、楽器店経由でご注文いただいたお客様が、タイミング良くこの夏にイタリア旅行をされるということで、クレモナまでお引き取りにきていただきました。

普段、楽器店経由でお客様に納品されるときには、私はその場にいない場合が多いのですが、それでもその日は一日中緊張して、なにか不都合がなかったかどうかすごく心配で、無事に引き渡しが終わって、お店やお客様からご連絡をいただいた時、そしてお客様から喜びの声をいただいた時の安心感、幸福感は、他にたとえようのない物があります。

今回の場合、直接目の前にお客様がいらっしゃるわけですから、さらに緊張は増すわけでして、、あまり考えたくはないですが、気に入っていただけなかったり、、最悪の場合、受け取っていただけない状況まで考えたりもします。

もちろん、私のお客様はジェントルな方ばかりですので、製作者を目の前にして具体的な不満をおっしゃることはあまりないのですが、、でも、、製作者には分かるんです。。なにも言われなくても、楽器をご覧になった時の表情や、演奏された時の雰囲気、言葉はなくても、すべて伝わってきます、痛いほどに。。

さて、今回も、最高潮の緊張の中、楽器をお客様に手渡して、少し弾いていただきました。
音が出た瞬間、お客様が自然に微笑まれたのが分かりました。
これだけで、私の中から緊張が抜けていくのが分かりました。
この微笑みを見たい一心で2ヶ月間、丁寧に楽器を仕上げてきた時間が報われた一瞬でした。

お客様がさらに演奏を続けられるようなので、しばらく席を外したのですが、楽器を受け取る瞬間ハッとしました。

涙ぐまれているのが分かったからです。

製作者になって良かったと、心から思った瞬間でした。
私も一緒に号泣しそうになりましたが、、、ぐっとこらえました、、^^。

もちろん、すべてのお客様にこうして対面できるわけではありませんが、幸いにも、楽器店経由でお渡ししたお客様からも、メールでご連絡をいただく機会をたくさんいただいておりますし、ブログやHPなどで、楽器が元気で活躍している様子を拝見できるにつれ、私は本当に幸せな製作者なのだと、毎日のように感謝の気持ちでいっぱいです。

これからも、良い楽器を作り続けていきたいと思っておりますので、拙ブログともども、よろしくお願いいたします。

も少し、ビオラの写真をギャラリー風にご覧くださいませ。

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by violino45 | 2009-08-22 05:08 | 製作記 | Comments(30)