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モスクワ滞在記 楽器返還編

一週間のモスクワ滞在が終り、クレモナに無事に戻ってまいりました。

目的は、チャイコフスキーコンクールの受賞楽器を返還することでしたが、それだけにとどまらず、いろいろな素敵な出会いがあった旅となりました。

今回は、メインの目的の、楽器返還の様子をご紹介します。

返還の会場は、チャイコフスキーコンクールで実際にバイオリン製作部門の審査と、楽器展示が行われたグリンカ音楽博物館でした。
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小雪の舞う中、到着しました。
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この、この黒ずくめの怖そうな男性がコンクール事務局の人、、となりの綺麗な人は、今回お世話になった通訳さんです。
この方のおかげで、無事にクレモナに帰って来れました。
この通訳さんは、実は以前からの知り合いだったこともあり、今回のモスクワ旅行は、いろいろな幸運に支えられて成り立っていたという気がします。
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入る前に、高橋さんと記念撮影です。
緊張してます。
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中に入ると、この博物館の名前となった作曲家の、グリンカさんの像がありました。
少し、緊張がほぐれました。
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返還式の始まりです。
まず、博物館の館長さんのごあいさつ。。。
1年半の期間は空きましたが、楽器を楽しみに待っていてくれたこと、そして、私たちへの歓迎の言葉をいただきました。

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いよいよ、楽器ケースを開けて、バイオリンの確認です。
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確認されるのは、この博物館の、弦楽器修復部門の責任者さんで、コンクールの時の審査員も務められたマエストロと、そのお弟子さんです。
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神妙な表情で、写真と見比べています。
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なかなか、確認が終わりません、、、、なにか問題があるのでしょうか??
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ここで、高橋さんが気がつきました、、、。
私と、高橋さんの楽器の写真が入れ違いになっています~;_;。
2台とも、一枚板のバイオリンで、しかも部品が柘植なので、、、勘違いされたようです。。
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理由が分かって、一気に場の空気が和みました。。
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確認が終り、ホッとしたところで記念撮影です。
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次に、楽器の登録作業です。
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楽器の特徴などを、詳細に打ち込んでいきます。
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各部分のサイズも、厳密に測定します。
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ここで、嬉しい瞬間が。
私の楽器は、実は特別賞も受賞していまして、その副賞として、「金のカンナ」のミニチュアが用意されていました。
コンクールの事務局の責任者さんから贈られました。
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このカンナ、純金製?だそうで、、ネジの部分にはダイヤが4つ埋め込んであります。
アクセサリーとしても美しいですが、手にとってみると、実際のミニカンナとしてもとても精密にできていて、使いやすそうです。。もったいなくて使えませんが。
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もう一度、記念撮影です。だいぶ、緊張がとけてきました。
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通訳さんとも、記念撮影です。
本当に、お世話になりました。。
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最後に、書類に全員でサインをします。
すべて、ロシア語で書かれていますので、、、読めませんが。。
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この女性は、ロシア政府の文化庁の方です。
私たちの楽器は、ロシア政府の所有物となって、ストラディバリなどが保管されている倉庫で保管されるそうです。畏れ多いです。
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高橋さんも、真剣です。
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私も、緊張しながら、でも、楽器のために心をこめてサインをしました。
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これで、本当に見納めです。
長い間、ありがとう、、。
モスクワの地で、幸せな時間を送ることを祈っています。
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長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
一大イベントが無事終了して、このあとは、モスクワを楽しみました。
またご紹介させていただきますね。
取り急ぎ、定番の記念写真を一枚、、、。
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by violino45 | 2009-04-28 15:58 | 日記 | Comments(33)

モスクワに行きます

今日(4月20日)から一週間ほど、モスクワに行ってきます。

2007年6月に、チャイコフスキー・コンクールのバイオリン製作部門で1位をいただいた時に、本来ならそのままモスクワの博物館で永久展示されるはずだったバイオリンなのですが、、、いろいろな都合で、一旦クレモナに帰ってきたのが2007年の10月でした。

今回、1年半ぶりに返還できる運びとなりまして、、2位を受賞した高橋明さんといっしょに、モスクワに行くことになりました。

まだモスクワは氷点下だそうです、、、、無事に帰ってこれるといいのですが、、、。

いろいろな都合で1年半という期間、手元にあったバイオリンですが、そのおかげで、弦楽器フェアなどの展示会で皆様に試奏していただける、良い機会となりました。

そして、この楽器は、私がまだまだ製作者として勉強しなければならない、沢山のことを教えてくれました。
それは、ある意味、受賞そのものよりも価値のある、貴重な時間だったのだと思っております。

そのバイオリンと別れることは、寂しいことではありますが、モスクワの地で、いろいろな経験をして、きっと、良い楽器に育っていくことと信じて、最後まで大切に、モスクワに送り届けたいと思います。

この1年半の間に、この楽器を試奏していただけた沢山の方へ、あらためて感謝申し上げます。
ありがとうございました。

無事に戻って来れましたら、またご報告させていただきます。
コメントをいただけましても、一週間ほどはお返事できませんことを、あらかじめお詫び申し上げます。


お別れの記念に、もう一度、写真を撮りました。
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by violino45 | 2009-04-20 00:41 | 日記 | Comments(14)

残念かつ大切なお知らせです。。。

毎年5月に参加させていただいております、「日本ヴァイオリン製作研究会 作品展示会」ですが、今年は、いろいろな都合により、残念ながら参加できないことになりました。

理由はいろいろあるのですが、一番大きいのは、実は今年、工房の引っ越しを計画しておりまして、その事務手続きや実際の移転作業の時期が、ちょうど5月ごろに重なってしまうので、クレモナを離れられないというわけなのです。

ちなみに、高橋明さんも今年は参加されませんことを、併せてご報告させていただきます。

2005年から2008年まで、4年連続でこの展示会には参加させていただいていまして、私にとって、お客様や演奏者の方にお会いしてお話しを伺える貴重な機会ですので、今年も可能な限り参加できる方向で検討していたのですが、、やはり難しいと判断いたしました。

もしも、私の楽器をご覧になるために展示会に来られる予定の方がいらっしゃると申し訳ないですので、少々早い時期ですが、お知らせさせていただきました。

来年以降は、また参加させていただきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

私の楽器は展示されませんが、展示会は以下の日程で開催されますので、ぜひお立ち寄りいただければ幸いです。(入場無料です)

■2009年 5月30日(土)、31日(日)10~18時
重要文化財 自由学園明日館 講堂 (入場無料)
JR池袋駅メトロポリタン口より徒歩5分

■展示作品を使用したミニコンサート
5月30日 13~15時 三澤裕美子 (バイオリン)
5月31日 11~12時 毛利巨塵  (チェロ)
       13~15時 星野美葉  (バイオリン)

さて、40センチビオラですが、アーチが完成しました。
スクレーパーという、薄い鉄板を研いだものでミニカンナの跡を消しながら、アーチを整えます。
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スクレーパーの形や大きさにはいろいろ種類がありますが、アーチを仕上げる時は大きめのサイズが活躍します。
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滑らかになって登りやすくなりました。
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厚み出しの、丸ノミでの作業が終わりました、、、(ひと汗かきました)
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表板は、この時点でエフを切ります。
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今回のエフは、どんな表情でしょうか?
春爛漫?
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バスバーを削って貼り付けます。
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バスバーも完成して、ホッと一息、、あとはボディを閉じるだけです。
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by violino45 | 2009-04-05 19:39 | 製作記 | Comments(16)