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アーチの仕上げ

パーフリングを入れた後も、さらに丸ノミでアーチを作っていきます。
荒削りですが、仕上がりの状態にかなり近いところを削っていますので、失敗は許されない作業です。
この時点で、アーチの骨格はほぼ決まります。
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次に、ミニカンナでアーチを滑らかにしていきます。
電灯の影を頼りに、膨らみ具合を確認しながら削ります。
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ミニカンナで、ほぼアーチは完成ですが、この後でスクレーパーを使ってさらに滑らかに仕上げます。
今回は、幸運な事に、魔法の力を借りることができたようです。
幻覚でなければ、、、、。
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たにつちさんのリクエストにお応えして、、、奇跡的に、妖精の近接撮影に成功しましたので、追加アップしました~。
逆光だと、少し怖いかも、、、プリリン。
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by violino45 | 2007-07-28 06:54 | 製作記 | Comments(14)

パーフリング

パーフリングのみぞ彫りです。
アウトラインがゆがんでいると、パーフリングもその通りにゆがみますので、すぐに、「落とし穴」を実感できる作業です。
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もちろん、みぞ彫りの段階でゆがんでしまう事もありますので、慎重に作業します。
ゆる過ぎずきつ過ぎず、深過ぎず浅過ぎず、そして、滑らかなラインを描くのは、簡単な事ではありませんが、ウズマキのように、自分でデザインを作っていく作業ではありませんので、その点では気が楽ですね。
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みぞが彫り終わったら、実際にパーフリングを入れていきます。
表板は、年輪に負けてゆがみやすいので、特に慎重にカーブを点検します。
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コーナー部分は、最後に仕上げますので、とりあえず長めに残します。
なんとなく、寄り添う恋人同士、、、みたいな、いい雰囲気ですね。
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仕上げて、ニカワ付けしたコーナー部分です。
これで、一生離れることはない、、、夫婦ですね。
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by violino45 | 2007-07-25 17:44 | 製作記 | Comments(8)

ヴァイオリンのアウトライン

材料から切り出したばかりの状態では、厚すぎますので、まず、丸ノミで全体を荒削りします。
表板は柔らかいので、サクサク削れて楽しい(その分、危険)ですが、裏板は硬いので、体力的につらい作業です。
夏場は、とくに大変です。
刃物の切れ味が悪いと、さらに力が必要になって、悪循環ですし、切り口もきたなくなります。
↓この写真は、悪い例?です。 この後、ノミを研ぎなおしました。
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荒削りが終わって、周辺を平らにしたら、いよいよアウトラインの仕上げです。
初期の段階の仕事ですが、この時点で仕上げたアウトラインの形は、最後まで残るので、気持ちを切り替えて、最終仕上げモードで作業します。
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最初は、平らなミニカンナを使います。
90%は、このカンナで仕上げますが、どうしても微妙なデコボコが残ってしまいますので、その後は、ヤスリで仕上げます。
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ヤスリで、残りの10%を綺麗に仕上げます。
この段階で美しくないアウトラインのバイオリンは、この後で、どれだけ丁寧な仕上げを心がけても、美しい楽器にはなりませんので、とても大切な仕事です。
私も、最初の頃はそうでしたが、楽器製作の初心者の方の「落とし穴」は、この辺にあるのかもしれません。
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by violino45 | 2007-07-22 16:18 | 製作記 | Comments(12)

裏板の加工

コンクールの楽器は一枚板でしたので、このバイオリンも、一枚板にします。
最近は、綺麗な一枚板を入手するのは難しくなってきました。
まずは、カンナで平面を出します。
今見えているトラ杢は、右肩上がりですが、実際にはこの面は裏側になりますので、完成した楽器は、右肩下がりのトラ杢になります。
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次に、横板の形にあわせて、裏板を切り取るためのラインを描きます。
微妙に位置調整をして、より楽器が美しく見える場所を探します。
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バイオリンのアウトラインは、横板から2ミリ程度、出っ張っていますので、そのラインを正確に描かなくてはなりません。
製作家によって、いろいろな方法があるようですが、私は、ある「装置」を使っています。
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はい、これが、2ミリのラインを描く「装置」(^^)デス。
巷では、「2ミリ君」とも呼ばれているらしいこの装置は、シンプルですが、なかなか使い心地が良いです。
難点は、小さいのですぐに失くしてしまうこと、、、、でも、作り直すのに5分もかかりませんが、、、。
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描いたラインから少し余裕を取って、切り抜いたら、バイオリンの形になりました。
でも、まだ、すごく厚いですね。
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by violino45 | 2007-07-19 14:41 | 製作記 | Comments(12)

次のヴァイオリンは、、、

久しぶりの、製作記ですね。
カノン砲の予告はいたしましたが、今は、ストラディバリモデルを製作中です。

チャイコフスキー・コンクールで優勝した楽器は、そのままコンクール事務局(ロシア政府?)に献上(召し上げ?)になってしまいましたので、あのヴァイオリンをお待ちいただいていたお客様のために、まったく同じ楽器は作る事はできませんが、でも、もっと良い楽器を製作するつもりです。(もしかして、強気?)

内型にブロックを貼り付けると、不思議と、気持ちが引き締まります。
モデルは、A.STRADIVARI の1705年モデルです。(コンクールの楽器と同じです)
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でも、横板を曲げる時になると、気持ちが逃げ腰になります。
少し広めのトラ杢で、しかも杢が深いと、本当に曲げづらいです。(;_;)
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半泣き状態で、やっと曲げ終わり、接着すると、ホッと一息です。
最初の強気な気持ちはどこへやら、、、、、。
横板が割れなくて、本当に良かった~(^^)。
穴があったので、入っちゃいました。
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そんなわけで、またまた、頼りない製作記が続きますが、よろしければお付き合いいただければ幸いです。

by violino45 | 2007-07-17 05:01 | 製作記 | Comments(8)

「オフコースの夕べ2」のお知らせ

大久保治さん、私の親友であり、バイオリン製作家、ミュージシャン、そして、ねこぽの飼い主です。
その大久保さんが、2年ぶりに「オフコースの夕べ2」を開催します。

2年前のステージは、本当に感動的でした。
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なんといっても、元オフコースのメンバー、清水仁さんがベースで参加ですから、音楽的にも完璧ですし、大久保さんと黒澤さん(メインヴォーカル)もすばらしかったです。

前回は、オフコースの比較的初期のナンバーをメインにアレンジして、アコースティックなサウンドでしたが、今回は、中期~後期のいわゆるオフコースの黄金期の「さよなら」「愛を止めないで」などのおなじみのナンバーをたくさん聴けそうです。
バンドは、もちろん、ベースの清水仁さんをはじめ、さらにパワーアップ。
キーボードに、元世良正則&ツイストの神本宗幸さんをお迎えしています。

オフコースファンの方でしたら必見のイベントだと思いますし、そうでない方も、ぜひ、この機会に大久保さんの音楽の世界を体験していただければ幸いです。

単なるコピーバンドにとどまらず、バークリー音楽院で学んだ大久保さんが、その全てを注ぎ込んで、他では聴けない管弦アレンジでお送りするオフコースサウンド、ぜひお聴きください。

「オフコースの夕べ 2」

2007年9月23日(日曜日)
市川市文化会館 小ホール
午後 5時30分 開場、 6時 開演
チケット料金 前売り\3,000 当日\3,500
市川市文化会館 〒272-0025 千葉県市川市大和田1-1-5
TEL. 047-379-5111
JR・都営新宿線「本八幡駅」南口より徒歩約10分
コンサートの内容についてのお問合せは大久保ヴァイオリン工房まで
TEL. 04-2947-4699
okuboviolinkoubou@view.ocn.ne.jp

                出 演

        大久保 治 (ピアノ、ギター)
        黒澤 孝浩 (ヴォーカル)The night with us
        清水 仁 (E.ベース)元 オフコース
        神本 宗幸 (キーボード) 元 世良公則&ツイスト  

        桃井 聡子 (キーボード)
        金子 浩介 (キーボード)作・編曲家       
        柏尾 晃宏 (E.ギター)ジャズギタリスト
        今村 越郎 (ギター)
        大久保 亘 (E.ギター)
        河本 奏輔 (E.ベース)ジャズベーシスト            
        竹森 正幸 (ドラムス)元小室哲哉グループ
        根本 達也 (ドラムス)
        井上 英昭 (コーラス) REAL MIND
        朝長 てつや (コーラス・フレンチホルン)
        古石場 修司 (フルート)
        前川 光世 (オーボエ)オラトリオ・シンフォニカJAPAN
        トニーズ ストリングス スーパーセッション


チケット購入などの詳しいことは、こちらの大久保さんのHPをご覧ください。

チラシは、こちら。
クリックすると、原寸大になります。
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大久保さんのHPのメインページはこちらです。

バイオリン製作教室では、生徒さん募集中です。
そして、猫ちゃんコーナー、バラのコーナーも充実していて、とても面白いHPです。
見てくださいね。

by violino45 | 2007-07-13 03:09 | お知らせ | Comments(8)

チャイコフスキーコンクール 現地写真

実は、バイオリン製作部門で優勝はしたものの、表彰式には行くことができず、手元には、いまだに表彰状もメダルもない状態です。

そして、公式HPを見ても、現地の写真も無い状態で、すごく実感に乏しいこの数週間でした。

そんな中、救いの手が差し伸べられました。
実は、今回のチャイコフスキー・コンクールのメインスポンサーである「トヨタ」の関係者の方と知り合いになることができて、その方が撮影された写真を譲っていただけました。
この場を借りて、感謝申し上げます。 ありがとうございました。

まず、バイオリン製作部門が行われた、「グリンカ音楽博物館」です。
ここで、楽器の審査と展示会が開かれました。(見たかった~)
オブジェが綺麗な、しゃれた建物ですね。
民族楽器が多数展示されているそうで、モスクワ行きが実現したら、ぜひ見学したいと思っています。
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審査発表と表彰式です。
もう少し、こじんまりとした会場を想像していたので、写真を見てビックリです。
この会場で、3次審査はオーケストラ伴奏で行われたそうです。(聴きたかった~)
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チャイコフスキーさんの肖像の前で、賞状を受け取りたかったです。
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そして、記念演奏会で、私のバイオリンが演奏されました。
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チャイコフスキーさんの肖像の前で、弦楽アンサンブルをバックに演奏されているのが私のバイオリン、、、いまだに信じられない気持ちです。
どんな音が会場に響いていたのでしょうか、、、、。
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そして、展示会の様子です。
おそらく、中央のショーケースの中に、私と、高橋さんのバイオリンが展示されているのだと思います。
他にどんな楽器が展示されていたのか、見たかったですが、すでに終了しています。
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今回、思いがけず写真を見ることができて、やっとコンクールの実感が湧いてきました。
演奏シーンの写真を見た時は、自然に涙がにじんできました。。
そして今、この楽器よりもさらに良いバイオリンを作りたいという衝動がこみ上げてきています。
まだまだ、製作家としてはスタートラインだと思っていますので、これからもよろしくお願いいたします。

by violino45 | 2007-07-06 20:28 | 日記 | Comments(22)

パガニーニのカノン砲

ずいぶんご無沙汰してしまいました。

遅くなりましたが、チャイコフスキーコンクールのヴァイオリン部門での、神尾真由子さんの優勝は、私もとても嬉しく拝見しました。
おめでとうございます。

実は、私も出演させていただいた、昨年末の「スマステーション・海外で活躍する日本人特集」で、神尾さんも紹介されていまして、すごく迫力のある、線の太い音を出す方だと、とても印象深く思っていました。
同じ番組に出演した仲間?として同じコンクールでの優勝を喜んでおります。
でも、神尾さんは、私のことは知らないでしょうけれど、、、。
、、、、いいんです、、、そんなことは、、、。(;_;)

それはともかく、、

とりあえず今は、コンクールで優勝してロシア政府に献上(没収?)したバイオリンを納める予定だったお客様への楽器の製作を始めたところですが、それはまたご紹介するとして、今年の夏に製作予定のカノン砲について、、、。

これは、カノン砲のポスターです。
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実は、クレモナに留学する直前の2000年に、一台だけ製作したことがありまして、その楽器は、現在、たにつちさんの愛器として、日夜美しい音楽を奏でています。
その楽器の写真は、たにつちさんのHPにてご覧になれます。(直リンクは、こちら。)

超絶技巧を駆使した演奏で、伝説的なヴァイオリニストとなったニコロ・パガニーニが所有し、亡くなる時も、絶対に他人には弾かせないことを条件にジェノヴァ市に寄贈されたこの楽器の製作者は、いわゆるガルネリ・デル・ジェズ(イエスのガルネリ)と呼ばれる、ジュゼッペ・バルトロメオ・ガルネリで、ストラディバリの黄金期と同時期に活躍した製作家です。

ニコロ・アマティの繊細な楽器の影響を強く受けたストラディバリとは異なり、どちらかというとブレシア派の影響を受けたようで、特に後期の作品は豪快な印象ですが、とりわけこのカノン砲は、大胆な造形のスクロールをはじめ、全ての面でデル・ジェズの作風を代表していると思います。

私がたにつちさんのカノン砲を製作した2000年は、ちょうど、クレモナに留学しようかどうか迷っていたのですが、夏にクレモナ旅行をしていろいろなマエストロに出会い、「ああ、やっぱりクレモナに来なければ自分の目指す楽器は作れない」と、決意も新たにした時期の作品です。

クレモナで見たいろいろな楽器の印象がまだ鮮烈なうちに、一気に製作したのが良かったのか、今、あらためて見ても悪くない、勢いのある楽器に仕上がったと思っています。
(デル・ジェズの霊が乗り移ったか?と、半ば、本気で思いました、、^^)

あれから7年過ぎ、今はまさに7年前の夢だった、クレモナでの製作に没頭している毎日ですが、再びカノン砲を製作するチャンスをいただきました。
自分としては、この7年間で何が変わったのか、何を得て、何を失ったのか、さらけ出すようで、内心、怖いのですが、全ての邪念を捨てて、素直に取り組みたいと思っています。

完成したら、たにつちさんのカノン砲と比較することができたら、楽しいかな?と勝手に思っています。

実際に製作を始めるのは、もう少し後ですが、とりあえず、お知らせという感じです。

2000年に作った時の内型は、日本に置いてきたので、内型から製作しますが、モデルになる薄板は当時の物が残ってましたので、それを使います。

オリジナルのカノン砲は、左右も対象ではないですし、かなりゆがんでいますが、それをコピーするのではなく、ストラドモデルを作る時とまったく同じで、可能な限り丁寧な、滑らかな楽器に仕上げたいと思っています。
つまり、カノン砲の形を借りた、現代クレモナ流ヴァイオリン、菊田風味、といった感じでしょうか。

写真は、内型用のベニア板に、モデルからデザインを写し取っているところです。
もちろん、左右対称になります。
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ちなみに、本物のカノン砲は、パガニーニの遺言もどこへやら、、、今は、至るところに貸し出されて、記念コンサートなどで演奏されていますね。
でも、楽器にとっては、その方が良いのはもちろんで、デル・ジェズも喜んでいると思います。
クレモナで、私もコンサートを聴きましたが、朗々と響くその音は、まさに、「大砲」でした。
パガニーニが、カノン砲(IL CANNONE)と名付けた気持ちも分かります。
ちなみに、名前の由来となった、本来の「カノン砲」は、こんな感じです

by violino45 | 2007-07-05 06:06 | 製作記 | Comments(18)