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力木

日本語の力木(チカラギ)って、良い響きですね。
なんだか、本当に力強くがんばってくれそうな気がします。

バスバー、と書くと、少し力が抜けます、、、、。

それはともかく、、、。
表板の厚みが終わったら、バスバーを削って貼り付けます。
ピッタリ密着、が基本ですが、写真のように両端に少し隙間を開けます。
両端を押さえるとピッタリ密着します。

この、削り加減は難しいです。
無理矢理押さえつけるのではなく、両端に少し力を加えると、真ん中から徐々にフワ~っとくっついていくような感じで、自然に表板全体にテンションがかかるようにします。

こうすると、音が良くなる、、、、という言い伝えがあるのですが、私自身は比較して試した事がないので、断定した言い方はできません。

ひたすら、良い音になることを念じて、、、精密に作業するのみです。
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by violino45 | 2006-02-25 16:47 | 製作記 | Comments(46)

マエストロ

punyopunyo様からリクエストをいただいたので、私の師匠、マエストロ・ニコラ・ラザーリをご紹介します。

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イタリア人のイメージって、いろいろあると思うのですが、典型的な感じとして、オーソレミオ♪などを歌いながら、両手を広げて、明るくて、開放的で、女性には必ず声をかけて、昼寝をして、、、、というようなイメージがあるのですが、確かにそういう人も居ますが、ごく少数です。

私が出合ったイタリア人の多くは、シャイで、物静かで、神経質で、、、でも心根は優しくて、親切で、知性的で、とてもすばらしい人たちが多いです。

私の師匠、ラザーリも、とても穏やかで、優しい人です。
相手の気持ちをとても思いやる事ができる人です。
でも、自分自身には厳しいです。

実は、日本で製作していた時に師匠のヴァイオリンを見たことがあったのですが、その時の衝撃は今でも良く覚えています。
自分が目指す楽器は、これしかないと、運命的なものを感じました。
会社を辞めて、クレモナに渡ったのも、ラザーリに楽器製作を習うためでした。

弟子入りできた経緯はまたの機会に話しますが、彼の人間としてのすばらしさに接するにつれて、日本で楽器を見たときの衝撃が納得できました。
彼の作る楽器は、やはり彼そのものだったわけですね。
柔らかい感じだけど一本筋がビシッと通っていて、繊細だけど暖かくて、、。

2003年から弟子入りしましたから、もう3年の付き合いですが、彼に対する尊敬と憧れの気持ちは少しも変わらないですし、これからも同じだと思います。


写真の左端に映っているのは、私の兄弟子(年はずーっと下ですが)のアレッサンドロ・メンタです。
彼は若いですが才能があり、将来有望です。
彼も、本当に良く気がつくいい奴です。

このデコボコ3人トリオで、いつも楽しく仕事をしています。
日常の様子については、またあらためてご紹介したいと思います。

by violino45 | 2006-02-24 16:25 | 日記 | Comments(8)

エフ

ヴァイオリンのエフを切ります。
テンプレートで書いた線をガイドに、ナイフで削っていきます。
線の通りに削れば、誰が切っても同じになるような気がしますが、実際は微妙に違ってきます。
線の太さだけでも、誤差が出ますし、もっと小さな、ほんのひと削りで表情が違ってきます。

最終的には、なめらかなカーブを描いているかどうかを目で確認しながら、仕上げます。
ヤスリも最終段階では使います。
このあと、箱を閉じてからも、微妙に修正したりします。

今回のエフは、なんとなく標準的な感じに仕上がりました。

途中では、明月さんのプリングルスのおっちゃんイメージが浮かんできたり、nobaraさんご推奨の二○加せんべいの上目づかい攻撃に屈しそうになりましたが、、、^^。

無事に終わってホッとしています。

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by violino45 | 2006-02-21 15:51 | 製作記 | Comments(20)

アーチ

バイオリンのふくらみ具合を、ミニカンナで作り出し、スクレーパーで仕上げます。
綺麗なラインを、目で見た感覚だけで作り出しますので、センスの良さが問われます。

良くできたヴァイオリンは、まるでそのままの形で木の中から生まれてきたかのような、自然な生命力を感じます。

もちろん、その境地を目指してはいますが、、道のりは遠いです。

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by violino45 | 2006-02-19 16:55 | 製作記 | Comments(16)

持ち物、、、バトン?

「のれんに腕押し委員会」の明月師匠からいただきました^^。

01.財布はどんなのを使ってますか??
おそらく、10年以上は使ってます、、ダンヒルの黒い奴、でも、人から貰った、、と言ってもプレゼントではなくて、「余ってるから持ってく?」みたいな感じでした。
でも、それが結構使いやすくて丈夫で、カードとかもいっぱい入るのでぎっしり詰め込んで、、、ボールみたいになってますけど。

02.携帯電話はどんなの使ってますか??
イタリアに来たその日に買った携帯は安物で、充電しても一日で使えなくなるので却下!
今は、またまた貰い物で(なさけない)、すごく古いタイプ。(ノキアです)
すごく大きくて、、重くて、、一昔前の自動車電話みたいな感じです。
それを、ポケットに押し込んで、、、ボール化した財布も一緒に、、、と、つまりオシャレとは無縁です。
ちなみに、イタリアでは携帯電話は基本的に全てプリペイド式で、50ユーロとかを先払いして、チャージします。
ですので、知らずに残高が減っていて、大事な話の途中に、なんの前触れも無くプチっと切れてしまう事があります。でも、イタリアではこれはお互い様デス。

03.使ってる携帯ストラップは??
ストラップホルダーが付いてないので、、、、。
でも、ストラップって、あまり好きではないので丁度良いです。
ストラップが付いていると、ポケットから鍵とかを出す時に、一緒にひっかかって携帯が出てきてしまって、落としたりするので、、、、。
ポケットに何でも入れすぎ?

04.手帳は持ってますか??
持ってますけど、、普段は使いません。
予定というほどの予定が入らない生活なので、書く事がないのです。
でも、日本に帰るときは、一変して、分刻みのスケジュールで人に会ったりするので、手帳が大活躍します。
ちなみに、6穴の、ミニシステム手帳というやつで、ノックスブレインというメーカーです。
ハンズで買ったのですが、お気に入りです。

05.bagはどんなのを使ってますか??
ドラえもんポケットがあるので、普段はバッグというものは使いません。

06.bagの主な中身は??
ドラえもんポケットの中身は、、タケコプターのほかに、財布、小銭、携帯、鍵です。
鍵ですが、イタリアのアパートは、門の鍵、共用玄関の鍵、玄関の鍵、郵便受けの鍵、物置の鍵、ガレージの鍵、自転車置き場の鍵、とすべて違うので、キーホルダーはじゃらじゃらです。
さらに、通っている工房も、門の鍵と、ドアの鍵が別々で、しかも車の鍵もなぜかドアとエンジンが別なので、ポケットの中はとんでもない状態で、ございました、、。


07.持ち歩いてないとだめ!ってものを3つ挙げましょう。
これ以上、ポケットには入らないので、、、、。
本当は、デジカメとか、常に持ち歩きたい人なのですが、、、、。あと、どこでもドアと。

08.このバトンをまわす7人は??
すみません、自分で書いていて無茶苦茶なので、人に回すのはちょっと、、、。
個人的にはひでさんの持ち物は気になりますが、、、。
そうだ、ひでさん!お願いします。

by violino45 | 2006-02-17 16:13 | 日記 | Comments(34)

パーフリング

昨日、とある演奏者の方から、究極のご質問をいただきました^^。

「この線(パーフリングのこと)って、最初に『描く』のですか?」
「い、いえ、、、こ、これはですね、、、溝を掘って、、、、、」

でも、製作者にとって、この質問は嬉しいものです。
描いてあるように綺麗に見えれば、、、、ですね。
内心、ニンマリです。

パーフリング入れでも難しいのはコーナーの部分です。
ピッタリ隙間無く入れるのも簡単ではないですが、それ以上に、先端の部分の向きとか、長さとかが綺麗に整っていることが大事です。

一言で言えば、カッコいいかどうかです。

これも、製作者によって好みが分かれるところなので、絶対的な物はないのですが。
裏表で八箇所、全てパーフェクトにするのは難しいです。

ストラドモデルなので、少し先端が内側を向いています。

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by violino45 | 2006-02-16 18:23 | 製作記 | Comments(10)

パーフリング、溝掘り

パーフリング用の溝を掘ります。
カッターで引いた線の上を、ナイフで深く切り込んでから、細い彫刻刀で掘り込みます。

地味な作業デス。

でも、溝がゆがんでると、パーフリングは素直な良い子なので、そのままゆがんで入ってしまいます。
製作者同士で、まず技術力を見られるのがこの部分なので、意地でも綺麗に溝を掘ることになります。

一日仕事ですし、結構力を使いますので、終わった後はへとへとですが、綺麗に仕上がれば報われます。
失敗すれば、、、(涙)。
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by violino45 | 2006-02-13 16:27 | 製作記 | Comments(4)

ネックの仕込み

お酒の仕込みみたいですね。

別々に製作していたビオラのボディとネックが一つにつながるわけですが、なかなか難しい作業です。

ネックの長さ、角度、はめ込みの深さ等を調整しながら、ピッタリと隙間なくしっかりとはめ込みます。

ここが緩いと、指板がすぐに下がってくるなどの故障の原因になります。

渦巻きやエフは、感覚的なものが要求されますが、この作業はひたすら技術的な正確さが重要になります。

2番目の写真は、ネックを仮にはめ込んだ状態ですが、まだ隙間があります。
この隙間が無くなると同時に、角度や長さが規定値になるように削っていくのが難しいところです。

乱暴なたとえですが、飛行機の着陸のような感覚です。(操縦したことはもちろんないですが、、、)
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by violino45 | 2006-02-10 17:24 | 製作記 | Comments(15)

アウトライン

パーフリングを入れる前に、ヴァイオリンのアウトラインを仕上げます。

ミニカンナでほとんど仕上げて、最後にヤスリで修正しながら仕上げます。

ヴァイオリンのシルエットが決定される瞬間です。

この作業がうまくいかないと、なんとなく力のない、張りのないシルエットになり、パーフリングも影響を受けてゆがみますし、アーチングや、エフにも影響を及ぼして、バイオリン全体が締まりのない印象になってしまいますので、じっくり時間をかけて仕上げます。

ゆがんだ土台の上に、真っ直ぐな家を立てるのは難しいのと一緒かも?です。
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by violino45 | 2006-02-08 14:47 | 製作記 | Comments(2)

名曲アルバム in クレモナ

今日は、番組のご紹介です。

NHKの名曲アルバム、クレモナ編です。
曲目は「パガニーニの奇想曲第24番」です。
演奏は加藤 知子さんです。

この番組のディレクター氏とは、いろいろな録音で一緒に仕事をした仲だったので、このクレモナ編の収録でも少しだけお手伝いをさせていただきました。
彼はヴァイオリンも達者なので、このクレモナでの名曲アルバムには特別な思い入れもあったようで、とても良い番組ができあがりました。

クレモナという町とヴァイオリンとのかかわりを美しい映像でご紹介していますので、ぜひご覧下さいませ。

もう2度ほど放送されていますが、2月の放送予定は以下の通りです。

2/11(土) 総合 17:55
2/16(木) 教育 13:55
2/23(木) 教育 06:25

詳しい情報は、以下のページでもご覧いただけます。
http://www.nhk.or.jp/meikyoku/program.html

by violino45 | 2006-02-06 15:16 | 日記 | Comments(35)