カテゴリ:製作記( 342 )

最新作、ホワイトヴァイオリンで完成。

少し更新時期がずれてしまいましたが、昨年の12月にホワイトヴァイオリンが完成しておりましたので、今回も写真にてご紹介します。

毎回、同じような写真ばかりで恐縮ですが、製作の記録として、できるだけ同じ条件で撮影するようにしております。
読者の皆様には、その変化を感じていただくのは難しいかもしれませんが、定点観測のように、微妙な違いを楽しんでいただければ嬉しいです。

年賀のウズマキの記事でも書きましたが、10年前のホワイトヴァイオリンと比べると、やはり大きな違いも感じますし、継続していくことで貴重な記録になると思いますので、今後も、地道に更新していきたいと思っております。(どこまで続けられるは、分かりませんが。。。)

というわけで、全景から。 今回も、ストラディバリの1705年モデルでの製作です。


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裏板は、少し細かいトラ杢の二枚板です。
アマティモデルに似合いそうな模様ですが、ストラドの繊細な部分が引き立つ感じで、気に入っております。

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対比の意味もあり、表板は少し広めの年輪の材料を使ってみました。
エフは、いつもどおり、アマティの雰囲気が残るモデルを使用しています。

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広めの年輪の表板は、木目に影響を受けて微妙なカーブを整えるのが難しいです。

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コーナーの部分の造形は、流派を見分けるポイントにもなりますし、製作者の個性や考え方が色濃く表れる部分です。


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力強く、しっかりとした輪郭を表現しながら、全体として柔らかい印象となるのが理想ですが、毎回、試行錯誤しながら仕上げています。

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ウズマキは、黄金期のストラディバリを目指していますが、時にはアマティ風になり、時にはガルネリ的なワイルドな雰囲気になることもあります。
いずれにしても、目指すのはイタリア、クレモナのスタイルで、歴代の名人の作品にはどれも共通の流れがありますので、先日ご紹介したポー川のように、雄大な流れの中で、微妙に変化していければと思っております。

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ウズマキの後頭部の造形は、ヴァイオリンの中でも好きな形の一つなのですが、この部分をスッキリと仕上げるのは毎回、時間もかかりますし、根気の要る作業です。


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まったく別の角度から見ても、破綻なく、バランスが取れたウズマキが理想ですが、なかなか難しいです。

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永遠に続く螺旋階段を上り続けるように、これからも少しずつ前進していきたいと思っております。


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by violino45 | 2020-01-18 08:18 | 製作記 | Comments(6)

ウズマキの製作工程、ダイジェスト

2019年、そして令和元年も、残り二週間ほどとなりました。

庭の桜の木も、完全に枯れ木のようになってしまいました。
でも、それは見かけだけで、夏の間に太陽から吸収したエネルギーを蓄えて、春には満開の花を咲かせる準備中の、元気いっぱいの状態なのかもしれませんね。

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さて、タイトルにも書きましたように、今回は、久しぶりに、ヴァイオリンのウズマキの製作工程をご紹介いたします。

ウズマキの形に切り出した木材の、ペグボックスの部分をまず仕上げます。
この部分が、ウズマキ全体の造形のベースになりますので、重要です。
平らなミニカンナで、慎重に削っていきます。

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ウズマキの一周目を、丸ノミなどを使って仕上げていきます。

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一周目が仕上がったところです。
最終的には修正しますが、この時点で、一周目をきれいに仕上げておくことで、二周目以降の作業の効率と仕上がりが良くなります。

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二周目は、まずノコギリで荒く切り出します。
すでに完成した部分を傷つけないように、慎重に作業します。

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二周目が終わったところです。
ほぼウズマキのイメージが出来上がりましたが、まだ目玉の部分が仕上がっていません。


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目玉の部分を仕上げると、やっとウズマキ全体の造形が仕上がります。
ですが、まだ、前面と後頭部の掘り込みが残っています。

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丸ノミで、後頭部の掘り込みを削ります。
少しでもはみ出したら、今までの作業が無駄になって、やり直しになりますので、慎重に削ります。


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スクレーパーなどで、仕上げていきます。
この部分がエレガントに仕上がると、ウズマキ全体のシルエットが美しくなりますので、時間をかけて作業します。

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これでウズマキの完成です。
ヴァイオリンの音にはあまり影響はないのですが、製作者の美的センスと個性が問われる部分ですので、古今東西、すべての製作者がこだわって製作している部分です。
楽器を前に、製作者が数人集まると、必ず議論の的となるウズマキは、製作者にとっての、永遠のテーマです。


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by violino45 | 2019-12-16 18:02 | 製作記 | Comments(2)

次回作ヴァイオリン、製作中です。

クレモナは、朝晩は氷点下に近い気温になってきました。
庭の桜の木も寒そうですが、冬の間にゆっくり休んで、3月にはまた満開の花を見せてくれると思います。

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さて、日本から戻り、まだまだ時差ボケがありますが、仕事を再開しております。
10月に、ある程度作業を進めておりましたので、ダイジェストになりますが、写真にてご紹介させていただきます。

いつものように、内型への横板の貼り付けから始まります。

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隙間のないように、ぴったり収まるように曲げて、ブロックに貼り付けます。

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貼りついたら、カンナで削って高さを揃えていきます。

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今回も、端正な、少し細いトラ杢の二枚板を使いました。

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丸ノミでの荒削りでアーチのバランスを整えておくことで、全体の作業の効率と、アーチの仕上がりの良さにつながります。

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ミニカンナで、アーチのバランスを整えながら、全体を滑らかに仕上げていきます。

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表板は、エフのデザインとアーチが一体となって、一つの造形となりますので、エフを描いては削って消え、また描いての繰り返しになります。

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スクレーパーで表面を整えて、アーチの完成となりますが、スクレーパーの作業でアーチそのものも修正することが多いです。
滑らかな表面になって、初めて本当のアーチの姿が見えてくる面もあるのです。

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2019年も、いろいろな楽器を製作しましたが、このヴァイオリンが節目となりそうです。
完成まで、また飛び飛びになりますが、ご紹介させていただく予定です。
日本も年末、寒さが厳しくなるころと思いますが、皆さま、風邪にはお気をつけてお過ごしください。


by violino45 | 2019-12-04 19:13 | 製作記 | Comments(4)

弦楽器フェアの展示楽器、最新作2台目

弦楽器フェア、11月1日(金)からの開催となりました。
皆様のご来場、お待ちしております。

会 期:11月1日(金)・2日(土)・3日(日・祝) 各日 10:00~18:00
会 場:科学技術館(東京都千代田区北の丸公園2-1)
入場料:1,000円(3日間有効・高校生以下無料)

宮地楽器さんのホームページにて、詳しくご紹介いただいております。
https://strings.miyajimusic.jp/gengakki_fair/


さて、先日、最新作の1台目をご紹介しましたが、今日は2台目のヴァイオリンをご紹介させていただきます。

今回も、いつものように、ストラディバリ、1705年のモデルです。

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裏板は、ホワイトでもご紹介しましたが、トラ杢が交差した、複雑な模様の2枚板を使用しました。
モラッシー先生が、生前、好んで使われていたような、特徴のある裏板で、モラッシー先生から直接購入させていただいた木材でした。
ホワイトの状態は、こちらの記事でご覧いただけます。

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エフは、裏板の渋い雰囲気に見合うような、落ち着いた感じを目指しましたが、仕上がってみると、普段通りのアマティ風の雰囲気となりました。

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裏側のコーナー部分です。
アップにすると、木材の雰囲気がより伝わってくる感じです。

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ウズマキも、楽器全体の雰囲気に見合うように、少しワイルド感を目指しましたが、前回の楽器よりも少し落ち着いた感じになった気がします。

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正面からの造形です。

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斜めからの雰囲気が良くまとまると、楽器全体のシルエットが締まって見えてきます。

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この楽器も、弦楽器フェアではガラスケース内での展示となります。
前回の楽器と、ぜひ見比べてみてください。
ご来場をお待ちしております。

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by violino45 | 2019-10-30 20:00 | 製作記 | Comments(4)

弦楽器フェアの展示楽器、最新作1台目

弦楽器フェア、今週末に迫ってまいりました。

会 期:11月1日(金)・2日(土)・3日(日・祝) 各日 10:00~18:00
会 場:科学技術館(東京都千代田区北の丸公園2-1)
入場料:1,000円(3日間有効・高校生以下無料)

詳しくはこちらの宮地楽器さんのホームページをご覧ください。
https://strings.miyajimusic.jp/gengakki_fair/

弦楽器フェアでは、最新作のヴァイオリンも2台展示する予定ですが、今回は、1台目をご紹介させていただきます。
以前、ホワイトでご紹介した楽器です。

いつもの、1705年のストラディバリモデルです。

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裏板は、端正ながら躍動感も感じられるトラ杢の二枚板を使用しました。
ホワイトの状態の記事は、こちらです。
https://violino45.exblog.jp/27748357/

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エフは、いつもどおりのアマティ的な雰囲気ですが、裏板の雰囲気に合わせて、少し若々しい?感じを意識してみました。
ほとんど、いつもと変わりはないですが、、

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反対側から見ると、こんな感じです。
ストラディバリの、コーナー部分の造形の特徴が出ているでしょうか?

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ウズマキは、ストラド黄金期スタイルには変わりないのですが、少し楕円の成分を多めにして、躍動感を出してみました。

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正面からは、こんな感じです。

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斜めから見ると、また雰囲気が違って見えます。
ウズマキの造形は、立体的で美しい分、難しさも立体的となります。。

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弦楽器フェアでは、ガラスケース内で展示させていただく予定です。
ご来場お待ちしております。

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さて、夏にご紹介していたハイビスカス、花が一つだけ咲いたと喜んでおりましたが、その後、SNSで教えていただいて、肥料を大量に与えなければいけなかったようで、アドバイスどおりにしたら、数日ごとに咲き続け、10月に入っても咲いております。
合計、20個近く咲きました。

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上手く育てれば、越冬もできるようなのですね。
来年も咲いてくれるかな?

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by violino45 | 2019-10-27 09:10 | 製作記 | Comments(2)

弦楽器フェアのご紹介と、ホワイトヴァイオリン

今年も弦楽器フェアに参加させていただきます。
宮地楽器さんのブースにて、高橋明さん、天野年員さん、百瀬弘明さん、西村翔太郎さんとともにお待ちしております。

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会 期:11月1日(金)・2日(土)・3日(日・祝) 各日 10:00~18:00
会 場:科学技術館(東京都千代田区北の丸公園2-1)
入場料:1,000円(3日間有効・高校生以下無料)

宮地楽器さんのホームページにて、詳しくご紹介いただいております。
https://strings.miyajimusic.jp/gengakki_fair/


さて、先日も、弦楽器フェアに展示予定のヴァイオリンをホワイトでご紹介いたしましたが、もう一台、最新作のヴァイオリンを展示する予定です。
現在、ニスを塗っているところですが、ホワイトの状態でご紹介させていただきます。

いつもの、A・ストラディバリ、1705年のモデルです。

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裏板は二枚板、製作途中の記事でも触れましたが、かなり模様に変化のあるトラ杢の二枚板です。

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トラ杢の、明るい部分と暗い部分が、ところどころで入れ替わる、いわゆる、交差杢と呼ばれる模様です。

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この裏板は、私がクレモナに来てしばらくした時に、モラッシー先生のお店で気に入って購入したもので、15年以上、手元で保管しておりました。

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コーナー部分の仕上げです。
以前もご説明しましたが、パーフリングの先端の向きによって、楽器の印象が違ってきますし、古典的なストラディバリのスタイルの表現にもなりますので、気を遣うところです。

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エフも、コーナー部分とのバランスや、アーチとの関係性によって、美観的にも音響的にも、単独では定義できない存在です。

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ウズマキは、一周目と二周目、そして目玉のバランスで大きく印象が異なります。
それぞれの曲線を変化させると、他の曲線も違って見えてきますし、バランスも違ってきますので、最終イメージを明確に持っていないと、いつまでも終わらない、無限ループに陥ります。

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360度、どの角度から見ても造形が破綻しないように仕上げたいのですが、、なかなか難しいです。

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ヴァイオリン天使も応援に来てくれました。
今回の仕上がりはどうでしょうか?

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by violino45 | 2019-10-12 15:00 | 製作記 | Comments(2)

最新作ヴァイオリンのご紹介

かなり前にホワイトヴァイオリンでご紹介していた楽器が、ようやく完成しましたので、写真にてご紹介いたします。

アントニオ・ストラディバリ、1705年モデルです。

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今回はお客様のご要望もあり、少し濃い目の色合いのニスとなりました。

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裏板の、コーナーの部分です。
コーナー全体の造形と、パーフリングの先端の向きが、ストラドモデルの特徴を示していますが、オリジナルストラドというよりも、やはり、ラザーリ師匠のスタイルを受け継いで製作しております。
もちろん、根底には、昨年他界されたモラッシー先生のスタイルが流れております。
最近は、私のオリジナリティも少しずつ自然に出てきていまして、ストラディバリ、モラッシー先生、ラザーリ師匠、私という4つの要素が、微妙にバランスを変えながら混ざり合って、一つの楽器として生まれてきている感じです。

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エフは、やはり、ラザーリ師匠から受け継いだ、アマティ的な雰囲気の造形がもっとも色濃く出ています。

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ウズマキは、数年前までは、モラッシー先生のさらに師匠である、ガリンベルティのモデルで製作しておりましたが、この数年は、黄金期のストラドを意識しての製作となっています。

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モデルはストラディバリですが、製作スタイル、仕上げはラザーリ師匠のテイストを常に目指しています。

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クレモナで楽器製作を修業して19年目となり、いろいろな大先輩のスタイルに影響を受けていますが、あらためて見返すと、ストラディバリを根底としつつも、やはり、直接の先生であるラザーリ師匠のスタイルを目指すことが私の本流で、その中で自然にオリジナリティが生まれてきたことが分かりますし、これからも、その方向性で修業していくことに変わりないと、あらためて思い至った気がしています。

今回の楽器は、すでにお客様の元にお届けいたしまして、幸いなことに、外観も音も気に入っていただけたようで、安堵しているところです。
これから、どのような楽器に成長していくのか、生みの親として見守っていきたいと思っています。

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by violino45 | 2019-09-15 14:45 | 製作記 | Comments(2)

弦楽器フェアに向けて、もう一台のヴァイオリン。

先日、弦楽器フェアに出品予定のヴァイオリンをホワイトでご紹介しましたが、もう一台、製作中のヴァイオリンがありますので、ご紹介いたします。
このヴァイオリンも、弦楽器フェアに出品させていただく予定です。

今回も、裏板は二枚板での製作です。
私は、変化のあるトラ杢のカエデを裏板に使うことが多いのですが、今回のトラ杢は特に変化が大きく、ワイルドな印象のカエデ材です。
ミニカンナで、アーチを削っていきます。


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二枚板は、センターラインが明確に見えますし、トラ杢も左右で対称なので、アーチの造形はバランスを取りやすいです。
また、二枚板は、音響的にも左右のバランスは取りやすいですが、一枚板と二枚板、どちらが音響的に有利ということはなく、良い木材を使い、その特性を最大限に活かせるかどうかが、楽器の音響にとって重要です。


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スクレーパーで、アーチを仕上げます。
ワイルドなトラ杢が、見えてきました。

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ニスを塗ったらどんな感じに仕上がるのか、なかなか予想がつかないトラ杢ではあります。

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厚み出しの工程を経て、

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ボディを閉じる段階までくると、音響に関わる根幹の作業は終わります。
もちろん、最終的に弦を張るまで、音に影響のある作業は続きますが、ボディの完成度がやはり最も重要ですので、膠付けする前に何度も確認することになります。


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いつもながらダイジェストなご紹介で失礼しました。
次回はホワイトヴァイオリンでのご紹介になる予定です。

クレモナは一気に気温が下がり、長袖の生活となりました。
日本はまだ残暑でしょうか? 皆さまご自愛くださいませ。


by violino45 | 2019-09-11 06:29 | 製作記 | Comments(2)

ホワイトヴァイオリンと、ハイビスカス

残暑お見舞い申し上げます。
クレモナも今年はアフリカ熱波の影響もあり、夏らしい、とても暑い日が続いております。

暑さのせいだけではないのですが、いろいろあって、仕事のペースが大幅に落ちてしまい、心穏やかではないのですが、でも、急いでしまって楽器のクオリティを下げることだけはしたくないので、じっくり仕上げていきたいと思っております。

今回は、初夏から夏にかけて製作していたヴァイオリンがホワイトで仕上がりましたので、ご紹介させていただきます。
このヴァイオリンは、たぶん、11月の弦楽器フェアにてお披露目させていただく予定です。

いつものように、A.ストラディヴァリ、1705年モデルで製作しました。


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裏板は、アーチ作業の時にもご紹介しましたが、端正なトラ杢の二枚板です。
以前、モラッシー先生の工房で気に入って購入したものですが、程よく乾燥してきたので、今回使ってみました。

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裏板のパーフリングのコーナー部分です。
ストラドモデルの場合、コーナーの中央を向くのではなく、少し内側に向けて傾けるのですが、その造形は、技術力とセンスを問われる部分です。
うーん、、もう少し内側に向けても良かったですね、、、

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エフは、単独で存在するのではなく、アーチの膨らみや、コーナーの造形との融和性が大切です。

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ウズマキは、今回も黄金期のストラドを目指しておりますが、先日、本物のストラディヴァリを手に取って拝見する機会があり、それ以降、またまた思い悩む状況になっております。

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後頭部の流れるような造形は、いろいろな流派によって目指す方向性が違うので、答えは一つではないのですが、毎回、少しずつ変えて試しているところです。


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ここで、久しぶりのアンモナイト師匠の登場です。
2008年ごろ?にミラノのアンティーク市で購入して、当ブログでも時々登場しておりました。
師匠、今回のウズマキはどうでしょうか?
「まだまだ、だね」
はい、修業して出直します。。

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さて、気を取り直して、タイトルにあったハイビスカスですが。
友人の製作家の坂本忍さんにお土産でいただいたハイビスカスの苗木を、春から育てておりました。

グラスに水を入れて放置しておくと、少しずつ芽が出てきました。

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根が数本出てきたところで、鉢に植え替えると、元気よく成長を始めて

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暑くなるとともに、立派な観葉植物に。

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そして、気が付くと、小さなツボミが一つ。

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ここからが長くて、二週間くらいしたら急に大きくなって。

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翌日には見事に開花しました。

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でも、ハイビスカスの花って、一日しか持たないのですね、、、翌朝にはしおれてました、、なんと儚い。。

ですが、あの木の切れ端から芽が出て、根が張って、ここまで成長して花が咲くまでを見ることができて、感激でした。
でも、それ以降、ツボミがまったく出てこないのです、、今年の夏は一つだけの花だったのでしょうか?
一つ咲いただけででも奇跡だったのかもしれません。


by violino45 | 2019-08-30 06:05 | 製作記 | Comments(4)

リサイタルのお知らせと、次回作ヴァイオリンのご紹介

今回は、私のヴァイオリンを演奏いただいているヴァイオリニスト、杉本果凛さんのリサイタルをご紹介させていただきます。

【杉本果凛 ヴァイオリンリサイタル】
2019年 10月6日(日)14時開演(13時半開場)
紀尾井町サロンホール
東京都千代田区紀尾井町3-29 紀尾井町アークビル1F

当日券は1000円ですが、以下のメールアドレスに、私のブログかFacebookを見た旨をご連絡いただければ、招待券を郵送いただけるそうです。
その際は、お名前、住所、チケットの枚数の明記をお願いいたします。
karin.ticket@gmail.com (杉本伸子宛)

杉本果凛さんは、2013年に、フルサイズのヴァイオリンに持ち替えるタイミングで楽器をお届けしたお嬢さんです。
まだプロの演奏家としての活動はされていないのですが、今後の活躍を期待しています。

私自身は帰国のタイミングが合わず、残念ながら聴けないのですが、ご都合が合いましたら、ぜひご来場いただければ嬉しいです。
このチラシに写っている楽器が、私のヴァイオリンです。
製作してから6年間弾き込んでいただいて、音も馴染んできているように思います。

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さて、先日ホワイトでご紹介したヴァイオリンは、現在ニス塗り中ですが、次回作のヴァイオリンを現在製作中ですので、少しご紹介いたします。
今回の裏板は二枚板で、比較的明確なトラ杢のカエデ材を使いました。

まずは丸ノミでの荒削りですが、夏場の作業としてはなかなかハードなものとなります。
暑さの中では、集中力の維持が難しいですが、この段階でバランスを整えておかないと、後の作業が大変になりますので、気合を入れて削ります。

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そして、ミニカンナでのアーチ削り作業です。
二枚板は、左右対称に見えるので、左右のバランスは取りやすいのですが、ハギ合わせのラインに目が惑わされて、均等な膨らみを作るのが難しい面もあります。

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部分によって、サイズの違うミニカンナを使い分けて、アーチを少しずつ整えていきます。

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スクレーパーで、アーチを仕上げます。
面白いもので、表面が滑らかになると初めて見えてくるアーチの不具合もあるので、この段階で再びミニカンナで削りなおすこともあります。


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逆カーブと順カーブを、いかに統合して一つの造形として成立させるか、美的観点と音色作りの観点、両方を追求しながら追い込んでいきます。

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日本も暑い日々が続いているようですね、熱中症には気を付けて、ご自愛くださいませ。

by violino45 | 2019-08-04 06:54 | 製作記 | Comments(2)