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3月17日のクレモナ、とホワイトヴァイオリン

<2020年、3月17日(火)のクレモナの状況です>

イタリア、スペインに続き、フランスも外出制限となりました。
そして、ヨーロッパの各国の国境では入国制限が進められているようです。

さらに、本日付けの政令で、イタリアに入国した人は皆、健康監察下に置かれ、14日間の自己隔離を義務付けられることになりました。
仕事での72時間以内の滞在の場合、適用外とのことです。
https://www.it.emb-japan.go.jp/itpr_ja/covid_19_DM0307.html
お気を付けくださいませ。

イタリアの感染者数はさらに増加しておりますが、今日で外出制限から一週間目となり、ウィルスの潜伏期間を考えると、自宅待機の効果がそろそろ現れても良い頃と期待しています。

私自身、3月12日から市内に出ておりませんので、クレモナの状況は分からないのですが、昨晩は、深夜から早朝にかけて、町の全域で、作業車による消毒薬の噴霧が行われたようです。

引き続き、状況を見守るしかできない日々ですが、個人でやれること、やるべきこと、やってはいけないことは変わらないので、静かに暮らしていきたいと思っております。


そういう状況の中ですが、自宅で地道に仕事は進めておりまして、2月からご紹介しておりましたヴァイオリンがホワイトで完成しましたので、ご報告いたします。

まだまだ咲かない桜を背景に、とりあえずの記念撮影です。


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そして、いつもどおり、作業台での撮影です。
今回も、ストラディバリの1705年モデルでの製作です。


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今回は、端正ながらも少し変化のあるトラ杢の、一枚板での製作となりました。


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コーナー部分の造形と、パーフリングの先端部分の仕上げです。


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表板のコーナー部分と、エフとのコンビネーションは、楽器のスタイル、表情を決める重要な要素です。


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エフ孔を含めての、アーチのつながりが上手くいっていると、ライトでできる影が、滑らかに流れます。


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ウズマキは、今回もストラディバリの黄金期、1715年あたりの雰囲気を目指しております。
いつもより、少し多めに写真でご紹介いたします。

真横から。

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少し斜めから。

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真後ろから。

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斜め後ろから。

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後頭部の造形も、普段より多めの写真で。

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ご覧いただき、ありがとうございました。

今後も、製作記も交えながら、クレモナの近況もお伝えできればと思っております。
皆様も、引き続き、ご自愛くださいませ。

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by violino45 | 2020-03-18 05:34 | 製作記 | Comments(2)

クレモナの状況と、サン・ミケーレ教会、製作記など。

<2020年、3月5日現在のクレモナの状況です>

前回の投稿から一週間経過しました。

最初の感染者が見つかった直後の対応は素早かったイタリアですが、その後は一向に収束の方向に向かわず、感染者も死亡者もこの一週間で約10倍になってしまいました。
しかも、その半分以上が、クレモナが位置するロンバルディア州でのこととなると、さすがに、心穏やかに過ごすことは難しくなってきますが、クレモナ市はまだレッドゾーンに指定されていないことが幸いしてか、街を歩いていても、それほど混乱した雰囲気ではないと思います。

ですが、直接影響を受けている職種に関しては、すでに多くのマイナスの影響が発生していますので、なかなか収束の目途が立たない状況に対して、不満の声が上がっているのも事実です。

イタリア全土の学校は3月15日までの休校が決まりましたし、もし、次の一週間も同じペースで状況が進んで行った場合、なかなか厳しい状況になるのではないかと予測せざるを得ないのが正直なところです。

日本もまだまだ不安な状況と思いますが、イタリアほど急激に進行していないように見受けられますね。
いずれにしても、引き続き、お気をつけてお過ごしくださいませ。

息が詰まる話題ばかりでは辛いので、今日は、ご近所にある、サン・ミケーレ教会をご紹介します。

自宅から徒歩3分程度の、坂を少し上ったところにある小さな教会です。


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我が家も含めて、近隣の住人は、この時計台から30分毎に鳴らされる鐘の音で、生活のリズムを感じています。

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記録によると、7世紀ごろに建造されて、12世紀ごろに改装された、歴史のある建築物です。


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クレモナの日本人製作家の大先輩である、石井高さんが、1981年にイタリア人の奥様ジュゼッピーナさんと結婚式を挙げられたのがこの教会でした。

そして、2015年に石井さんが亡くなられた時のお葬式も、この、サン・ミケーレ教会でした。

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近隣のクレモナ市民の生活に密着して、何百年もの間、喜びも悲しみもすべて見守ってきた教会です。


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さて、私自身は、普段と変わらず、楽器製作の日々です。

バスバーを貼り付けて、所定の高さまで削ります。


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すべてが整ったら、ラベルを貼って、焼き印を押して、ボディを閉じます。
毎回、やり残したことがないかどうか、何度も確認しますが、いつも、後ろ髪を引かれます。


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このラベルを使い始めてから、18年が過ぎました。


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焼き印は、もう少し後の時期から押すようになりました。


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次回の製作記は、おそらく、ホワイトヴァイオリンになる予定です。
毎回、ダイジェストになってしまい、申し訳ありません。。

by violino45 | 2020-03-05 08:30 | 製作記 | Comments(2)

大聖堂の絵画と、次回作ヴァイオリン

クレモナの中心地に用事があると、たびたび、大聖堂(Duomo)の前を通るのですが、タイミングによっては、扉が開いていることがあり、中を見学することができます。


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私はクリスチャンではないのですが、大聖堂内の荘厳な雰囲気に包まれると、やはり神妙な心持になります。
1107年に建築が始まり、1491年に完成したと言われている大聖堂、アマティやストラディバリ、ガルネリも礼拝に訪れたと思うと、ヴァイオリン製作者として、この地で生活することの重みをあらためて感じます。


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堂内を少し進んでから振り返ると、大きな丸いステンドグラスに目がくらみながら、その下に位置するフレスコ画に目を奪われます。
ジョバンニ・アントニオ・デ・サッキス、別名ポルデノーネが1520年から1521年にかけて描いたフレスコ画で、イエス・キリストの処刑シーンをモチーフにした、ポルデノーネの代表作の一つとされています。


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詳しい画像はこちらです。
中央の人物がとても印象的な、ダイナミックな映像ですね。

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実は、自宅の壁にも、同じ絵が飾ってあります。
昨年のクリスマスに、お向かいに住んでいるイタリア人のご夫婦が、私たちにプレゼントしてくれました。
クレモナに来て20年近く、同じアパートで暮らすイタリア人はみな親切で、突然やってきた日本人の私たちに温かく接していただけたことが、不慣れな土地で頑張ってこれた一つの要因だったと、あらためて思います。


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さて、次のヴァイオリンの製作も進んでおります。
このヴァイオリンから、荒削り用の丸ノミを新調しました。
実は、この作業は腰や背中、腕の負担が大きくて、年々、厳しくなってきていたのですが、友人の製作家のAさんに相談したところ、彼が自作した丸ノミを譲っていただけることになったのでした。
持ち手が少し長くなり、また、握り具合も絶妙で、体にかかる負担がかなり軽くなり、傷みや疲れが少なくなりました。
Aさんには本当に感謝しております。

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ミニカンナでのアーチ削りは、いつもどおりです。
低い位置からの光でできる影を頼りに、最適な膨らみを目指して削っていきます。


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表板は、エフを描きながら、完成したイメージを想定しながら、整えていきます。


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スクレーパーで仕上げて、アーチの完成です。
トラ杢が浮き立って、楽器としての美しさを初めて実感できる瞬間です。


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by violino45 | 2020-02-14 07:31 | 製作記 | Comments(2)

最新作ヴァイオリンのご紹介

気が付けば2月も第二週、今年も時間の流れに追い付いていけない状況ですが、最新作のヴァイオリンが完成しましたので、写真にてご紹介させていただきます。

前回の記事でご紹介したホワイトヴァイオリンにニスを塗り、楽器として誕生しました。
ストラディバリ、1705年モデルです。
このモデルをラザーリ師匠からいただいて15年間、メインのモデルとして追及してきましたが、外観的にも、音色的にも、まだまだ奥が深く感じています。

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少し細目のトラ杢、繊細ですが、変化もある模様の裏板です。


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アマティ風のエフも、15年間、いろいろ試行錯誤してきましたが、時には明るい表情に見え、時には少し寂し気に見えたりもする、魅力的なモデルだと感じています。
これからも、長い付き合いになると思います。


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今回は、どんな表情でしょうか?


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コーナー部分の造形も、この15年間、悩みながらも試行錯誤してきたところです。


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ウズマキは、数年前から黄金期のストラドの雰囲気を目指していますが、15年前の楽器と見比べても、それほど大きく違っているわけではないようにも思えてきます。
モデルを変えても、自分が目指すスタイルや、内面性が自然に出てきてしまうものかもしれません。


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この楽器も、無事にお客様のもとに届けられ、喜んでいただけたようです。

末永く、音楽を楽しんでいただければ、製作者としてとても嬉しいです。


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by violino45 | 2020-02-07 15:55 | 製作記 | Comments(2)

最新作、ホワイトヴァイオリンで完成。

少し更新時期がずれてしまいましたが、昨年の12月にホワイトヴァイオリンが完成しておりましたので、今回も写真にてご紹介します。

毎回、同じような写真ばかりで恐縮ですが、製作の記録として、できるだけ同じ条件で撮影するようにしております。
読者の皆様には、その変化を感じていただくのは難しいかもしれませんが、定点観測のように、微妙な違いを楽しんでいただければ嬉しいです。

年賀のウズマキの記事でも書きましたが、10年前のホワイトヴァイオリンと比べると、やはり大きな違いも感じますし、継続していくことで貴重な記録になると思いますので、今後も、地道に更新していきたいと思っております。(どこまで続けられるは、分かりませんが。。。)

というわけで、全景から。 今回も、ストラディバリの1705年モデルでの製作です。


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裏板は、少し細かいトラ杢の二枚板です。
アマティモデルに似合いそうな模様ですが、ストラドの繊細な部分が引き立つ感じで、気に入っております。

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対比の意味もあり、表板は少し広めの年輪の材料を使ってみました。
エフは、いつもどおり、アマティの雰囲気が残るモデルを使用しています。

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広めの年輪の表板は、木目に影響を受けて微妙なカーブを整えるのが難しいです。

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コーナーの部分の造形は、流派を見分けるポイントにもなりますし、製作者の個性や考え方が色濃く表れる部分です。


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力強く、しっかりとした輪郭を表現しながら、全体として柔らかい印象となるのが理想ですが、毎回、試行錯誤しながら仕上げています。

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ウズマキは、黄金期のストラディバリを目指していますが、時にはアマティ風になり、時にはガルネリ的なワイルドな雰囲気になることもあります。
いずれにしても、目指すのはイタリア、クレモナのスタイルで、歴代の名人の作品にはどれも共通の流れがありますので、先日ご紹介したポー川のように、雄大な流れの中で、微妙に変化していければと思っております。

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ウズマキの後頭部の造形は、ヴァイオリンの中でも好きな形の一つなのですが、この部分をスッキリと仕上げるのは毎回、時間もかかりますし、根気の要る作業です。


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まったく別の角度から見ても、破綻なく、バランスが取れたウズマキが理想ですが、なかなか難しいです。

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永遠に続く螺旋階段を上り続けるように、これからも少しずつ前進していきたいと思っております。


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by violino45 | 2020-01-18 08:18 | 製作記 | Comments(6)

ウズマキの製作工程、ダイジェスト

2019年、そして令和元年も、残り二週間ほどとなりました。

庭の桜の木も、完全に枯れ木のようになってしまいました。
でも、それは見かけだけで、夏の間に太陽から吸収したエネルギーを蓄えて、春には満開の花を咲かせる準備中の、元気いっぱいの状態なのかもしれませんね。

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さて、タイトルにも書きましたように、今回は、久しぶりに、ヴァイオリンのウズマキの製作工程をご紹介いたします。

ウズマキの形に切り出した木材の、ペグボックスの部分をまず仕上げます。
この部分が、ウズマキ全体の造形のベースになりますので、重要です。
平らなミニカンナで、慎重に削っていきます。

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ウズマキの一周目を、丸ノミなどを使って仕上げていきます。

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一周目が仕上がったところです。
最終的には修正しますが、この時点で、一周目をきれいに仕上げておくことで、二周目以降の作業の効率と仕上がりが良くなります。

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二周目は、まずノコギリで荒く切り出します。
すでに完成した部分を傷つけないように、慎重に作業します。

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二周目が終わったところです。
ほぼウズマキのイメージが出来上がりましたが、まだ目玉の部分が仕上がっていません。


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目玉の部分を仕上げると、やっとウズマキ全体の造形が仕上がります。
ですが、まだ、前面と後頭部の掘り込みが残っています。

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丸ノミで、後頭部の掘り込みを削ります。
少しでもはみ出したら、今までの作業が無駄になって、やり直しになりますので、慎重に削ります。


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スクレーパーなどで、仕上げていきます。
この部分がエレガントに仕上がると、ウズマキ全体のシルエットが美しくなりますので、時間をかけて作業します。

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これでウズマキの完成です。
ヴァイオリンの音にはあまり影響はないのですが、製作者の美的センスと個性が問われる部分ですので、古今東西、すべての製作者がこだわって製作している部分です。
楽器を前に、製作者が数人集まると、必ず議論の的となるウズマキは、製作者にとっての、永遠のテーマです。


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by violino45 | 2019-12-16 18:02 | 製作記 | Comments(2)

次回作ヴァイオリン、製作中です。

クレモナは、朝晩は氷点下に近い気温になってきました。
庭の桜の木も寒そうですが、冬の間にゆっくり休んで、3月にはまた満開の花を見せてくれると思います。

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さて、日本から戻り、まだまだ時差ボケがありますが、仕事を再開しております。
10月に、ある程度作業を進めておりましたので、ダイジェストになりますが、写真にてご紹介させていただきます。

いつものように、内型への横板の貼り付けから始まります。

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隙間のないように、ぴったり収まるように曲げて、ブロックに貼り付けます。

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貼りついたら、カンナで削って高さを揃えていきます。

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今回も、端正な、少し細いトラ杢の二枚板を使いました。

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丸ノミでの荒削りでアーチのバランスを整えておくことで、全体の作業の効率と、アーチの仕上がりの良さにつながります。

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ミニカンナで、アーチのバランスを整えながら、全体を滑らかに仕上げていきます。

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表板は、エフのデザインとアーチが一体となって、一つの造形となりますので、エフを描いては削って消え、また描いての繰り返しになります。

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スクレーパーで表面を整えて、アーチの完成となりますが、スクレーパーの作業でアーチそのものも修正することが多いです。
滑らかな表面になって、初めて本当のアーチの姿が見えてくる面もあるのです。

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2019年も、いろいろな楽器を製作しましたが、このヴァイオリンが節目となりそうです。
完成まで、また飛び飛びになりますが、ご紹介させていただく予定です。
日本も年末、寒さが厳しくなるころと思いますが、皆さま、風邪にはお気をつけてお過ごしください。


by violino45 | 2019-12-04 19:13 | 製作記 | Comments(4)

弦楽器フェアの展示楽器、最新作2台目

弦楽器フェア、11月1日(金)からの開催となりました。
皆様のご来場、お待ちしております。

会 期:11月1日(金)・2日(土)・3日(日・祝) 各日 10:00~18:00
会 場:科学技術館(東京都千代田区北の丸公園2-1)
入場料:1,000円(3日間有効・高校生以下無料)

宮地楽器さんのホームページにて、詳しくご紹介いただいております。
https://strings.miyajimusic.jp/gengakki_fair/


さて、先日、最新作の1台目をご紹介しましたが、今日は2台目のヴァイオリンをご紹介させていただきます。

今回も、いつものように、ストラディバリ、1705年のモデルです。

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裏板は、ホワイトでもご紹介しましたが、トラ杢が交差した、複雑な模様の2枚板を使用しました。
モラッシー先生が、生前、好んで使われていたような、特徴のある裏板で、モラッシー先生から直接購入させていただいた木材でした。
ホワイトの状態は、こちらの記事でご覧いただけます。

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エフは、裏板の渋い雰囲気に見合うような、落ち着いた感じを目指しましたが、仕上がってみると、普段通りのアマティ風の雰囲気となりました。

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裏側のコーナー部分です。
アップにすると、木材の雰囲気がより伝わってくる感じです。

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ウズマキも、楽器全体の雰囲気に見合うように、少しワイルド感を目指しましたが、前回の楽器よりも少し落ち着いた感じになった気がします。

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正面からの造形です。

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斜めからの雰囲気が良くまとまると、楽器全体のシルエットが締まって見えてきます。

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この楽器も、弦楽器フェアではガラスケース内での展示となります。
前回の楽器と、ぜひ見比べてみてください。
ご来場をお待ちしております。

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by violino45 | 2019-10-30 20:00 | 製作記 | Comments(4)

弦楽器フェアの展示楽器、最新作1台目

弦楽器フェア、今週末に迫ってまいりました。

会 期:11月1日(金)・2日(土)・3日(日・祝) 各日 10:00~18:00
会 場:科学技術館(東京都千代田区北の丸公園2-1)
入場料:1,000円(3日間有効・高校生以下無料)

詳しくはこちらの宮地楽器さんのホームページをご覧ください。
https://strings.miyajimusic.jp/gengakki_fair/

弦楽器フェアでは、最新作のヴァイオリンも2台展示する予定ですが、今回は、1台目をご紹介させていただきます。
以前、ホワイトでご紹介した楽器です。

いつもの、1705年のストラディバリモデルです。

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裏板は、端正ながら躍動感も感じられるトラ杢の二枚板を使用しました。
ホワイトの状態の記事は、こちらです。
https://violino45.exblog.jp/27748357/

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エフは、いつもどおりのアマティ的な雰囲気ですが、裏板の雰囲気に合わせて、少し若々しい?感じを意識してみました。
ほとんど、いつもと変わりはないですが、、

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反対側から見ると、こんな感じです。
ストラディバリの、コーナー部分の造形の特徴が出ているでしょうか?

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ウズマキは、ストラド黄金期スタイルには変わりないのですが、少し楕円の成分を多めにして、躍動感を出してみました。

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正面からは、こんな感じです。

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斜めから見ると、また雰囲気が違って見えます。
ウズマキの造形は、立体的で美しい分、難しさも立体的となります。。

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弦楽器フェアでは、ガラスケース内で展示させていただく予定です。
ご来場お待ちしております。

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さて、夏にご紹介していたハイビスカス、花が一つだけ咲いたと喜んでおりましたが、その後、SNSで教えていただいて、肥料を大量に与えなければいけなかったようで、アドバイスどおりにしたら、数日ごとに咲き続け、10月に入っても咲いております。
合計、20個近く咲きました。

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上手く育てれば、越冬もできるようなのですね。
来年も咲いてくれるかな?

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by violino45 | 2019-10-27 09:10 | 製作記 | Comments(2)

弦楽器フェアのご紹介と、ホワイトヴァイオリン

今年も弦楽器フェアに参加させていただきます。
宮地楽器さんのブースにて、高橋明さん、天野年員さん、百瀬弘明さん、西村翔太郎さんとともにお待ちしております。

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会 期:11月1日(金)・2日(土)・3日(日・祝) 各日 10:00~18:00
会 場:科学技術館(東京都千代田区北の丸公園2-1)
入場料:1,000円(3日間有効・高校生以下無料)

宮地楽器さんのホームページにて、詳しくご紹介いただいております。
https://strings.miyajimusic.jp/gengakki_fair/


さて、先日も、弦楽器フェアに展示予定のヴァイオリンをホワイトでご紹介いたしましたが、もう一台、最新作のヴァイオリンを展示する予定です。
現在、ニスを塗っているところですが、ホワイトの状態でご紹介させていただきます。

いつもの、A・ストラディバリ、1705年のモデルです。

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裏板は二枚板、製作途中の記事でも触れましたが、かなり模様に変化のあるトラ杢の二枚板です。

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トラ杢の、明るい部分と暗い部分が、ところどころで入れ替わる、いわゆる、交差杢と呼ばれる模様です。

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この裏板は、私がクレモナに来てしばらくした時に、モラッシー先生のお店で気に入って購入したもので、15年以上、手元で保管しておりました。

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コーナー部分の仕上げです。
以前もご説明しましたが、パーフリングの先端の向きによって、楽器の印象が違ってきますし、古典的なストラディバリのスタイルの表現にもなりますので、気を遣うところです。

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エフも、コーナー部分とのバランスや、アーチとの関係性によって、美観的にも音響的にも、単独では定義できない存在です。

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ウズマキは、一周目と二周目、そして目玉のバランスで大きく印象が異なります。
それぞれの曲線を変化させると、他の曲線も違って見えてきますし、バランスも違ってきますので、最終イメージを明確に持っていないと、いつまでも終わらない、無限ループに陥ります。

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360度、どの角度から見ても造形が破綻しないように仕上げたいのですが、、なかなか難しいです。

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ヴァイオリン天使も応援に来てくれました。
今回の仕上がりはどうでしょうか?

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by violino45 | 2019-10-12 15:00 | 製作記 | Comments(2)