カテゴリ:製作記( 339 )

弦楽器フェアの展示楽器、最新作2台目

弦楽器フェア、11月1日(金)からの開催となりました。
皆様のご来場、お待ちしております。

会 期:11月1日(金)・2日(土)・3日(日・祝) 各日 10:00~18:00
会 場:科学技術館(東京都千代田区北の丸公園2-1)
入場料:1,000円(3日間有効・高校生以下無料)

宮地楽器さんのホームページにて、詳しくご紹介いただいております。
https://strings.miyajimusic.jp/gengakki_fair/


さて、先日、最新作の1台目をご紹介しましたが、今日は2台目のヴァイオリンをご紹介させていただきます。

今回も、いつものように、ストラディバリ、1705年のモデルです。

d0047461_09175220.jpg



裏板は、ホワイトでもご紹介しましたが、トラ杢が交差した、複雑な模様の2枚板を使用しました。
モラッシー先生が、生前、好んで使われていたような、特徴のある裏板で、モラッシー先生から直接購入させていただいた木材でした。
ホワイトの状態は、こちらの記事でご覧いただけます。

d0047461_09180120.jpg


エフは、裏板の渋い雰囲気に見合うような、落ち着いた感じを目指しましたが、仕上がってみると、普段通りのアマティ風の雰囲気となりました。

d0047461_09184300.jpg


裏側のコーナー部分です。
アップにすると、木材の雰囲気がより伝わってくる感じです。

d0047461_09183349.jpg


ウズマキも、楽器全体の雰囲気に見合うように、少しワイルド感を目指しましたが、前回の楽器よりも少し落ち着いた感じになった気がします。

d0047461_09190282.jpg


正面からの造形です。

d0047461_09185194.jpg


斜めからの雰囲気が良くまとまると、楽器全体のシルエットが締まって見えてきます。

d0047461_09191559.jpg


この楽器も、弦楽器フェアではガラスケース内での展示となります。
前回の楽器と、ぜひ見比べてみてください。
ご来場をお待ちしております。

d0047461_09182394.jpg

d0047461_09181106.jpg



by violino45 | 2019-10-30 20:00 | 製作記 | Comments(4)

弦楽器フェアの展示楽器、最新作1台目

弦楽器フェア、今週末に迫ってまいりました。

会 期:11月1日(金)・2日(土)・3日(日・祝) 各日 10:00~18:00
会 場:科学技術館(東京都千代田区北の丸公園2-1)
入場料:1,000円(3日間有効・高校生以下無料)

詳しくはこちらの宮地楽器さんのホームページをご覧ください。
https://strings.miyajimusic.jp/gengakki_fair/

弦楽器フェアでは、最新作のヴァイオリンも2台展示する予定ですが、今回は、1台目をご紹介させていただきます。
以前、ホワイトでご紹介した楽器です。

いつもの、1705年のストラディバリモデルです。

d0047461_08464110.jpg


裏板は、端正ながら躍動感も感じられるトラ杢の二枚板を使用しました。
ホワイトの状態の記事は、こちらです。
https://violino45.exblog.jp/27748357/

d0047461_08465383.jpg


エフは、いつもどおりのアマティ的な雰囲気ですが、裏板の雰囲気に合わせて、少し若々しい?感じを意識してみました。
ほとんど、いつもと変わりはないですが、、

d0047461_08471958.jpg


反対側から見ると、こんな感じです。
ストラディバリの、コーナー部分の造形の特徴が出ているでしょうか?

d0047461_08473809.jpg


ウズマキは、ストラド黄金期スタイルには変わりないのですが、少し楕円の成分を多めにして、躍動感を出してみました。

d0047461_08481581.jpg

正面からは、こんな感じです。

d0047461_08480467.jpg


斜めから見ると、また雰囲気が違って見えます。
ウズマキの造形は、立体的で美しい分、難しさも立体的となります。。

d0047461_08475196.jpg


弦楽器フェアでは、ガラスケース内で展示させていただく予定です。
ご来場お待ちしております。

d0047461_08470960.jpg

d0047461_08470107.jpg


さて、夏にご紹介していたハイビスカス、花が一つだけ咲いたと喜んでおりましたが、その後、SNSで教えていただいて、肥料を大量に与えなければいけなかったようで、アドバイスどおりにしたら、数日ごとに咲き続け、10月に入っても咲いております。
合計、20個近く咲きました。

d0047461_09084169.jpg


上手く育てれば、越冬もできるようなのですね。
来年も咲いてくれるかな?

d0047461_09085634.jpg


by violino45 | 2019-10-27 09:10 | 製作記 | Comments(2)

弦楽器フェアのご紹介と、ホワイトヴァイオリン

今年も弦楽器フェアに参加させていただきます。
宮地楽器さんのブースにて、高橋明さん、天野年員さん、百瀬弘明さん、西村翔太郎さんとともにお待ちしております。

d0047461_14361279.jpg

会 期:11月1日(金)・2日(土)・3日(日・祝) 各日 10:00~18:00
会 場:科学技術館(東京都千代田区北の丸公園2-1)
入場料:1,000円(3日間有効・高校生以下無料)

宮地楽器さんのホームページにて、詳しくご紹介いただいております。
https://strings.miyajimusic.jp/gengakki_fair/


さて、先日も、弦楽器フェアに展示予定のヴァイオリンをホワイトでご紹介いたしましたが、もう一台、最新作のヴァイオリンを展示する予定です。
現在、ニスを塗っているところですが、ホワイトの状態でご紹介させていただきます。

いつもの、A・ストラディバリ、1705年のモデルです。

d0047461_14275302.jpg



裏板は二枚板、製作途中の記事でも触れましたが、かなり模様に変化のあるトラ杢の二枚板です。

d0047461_14280440.jpg

トラ杢の、明るい部分と暗い部分が、ところどころで入れ替わる、いわゆる、交差杢と呼ばれる模様です。

d0047461_14283194.jpg

この裏板は、私がクレモナに来てしばらくした時に、モラッシー先生のお店で気に入って購入したもので、15年以上、手元で保管しておりました。

d0047461_14282373.jpg


コーナー部分の仕上げです。
以前もご説明しましたが、パーフリングの先端の向きによって、楽器の印象が違ってきますし、古典的なストラディバリのスタイルの表現にもなりますので、気を遣うところです。

d0047461_14284066.jpg

d0047461_14284965.jpg


エフも、コーナー部分とのバランスや、アーチとの関係性によって、美観的にも音響的にも、単独では定義できない存在です。

d0047461_14290140.jpg

d0047461_14292152.jpg

d0047461_14291124.jpg


ウズマキは、一周目と二周目、そして目玉のバランスで大きく印象が異なります。
それぞれの曲線を変化させると、他の曲線も違って見えてきますし、バランスも違ってきますので、最終イメージを明確に持っていないと、いつまでも終わらない、無限ループに陥ります。

d0047461_14293916.jpg

d0047461_14294943.jpg

d0047461_14293090.jpg

360度、どの角度から見ても造形が破綻しないように仕上げたいのですが、、なかなか難しいです。

d0047461_14295956.jpg

d0047461_14301873.jpg

ヴァイオリン天使も応援に来てくれました。
今回の仕上がりはどうでしょうか?

d0047461_14303016.jpg

by violino45 | 2019-10-12 15:00 | 製作記 | Comments(2)

最新作ヴァイオリンのご紹介

かなり前にホワイトヴァイオリンでご紹介していた楽器が、ようやく完成しましたので、写真にてご紹介いたします。

アントニオ・ストラディバリ、1705年モデルです。

d0047461_14004279.jpg

今回はお客様のご要望もあり、少し濃い目の色合いのニスとなりました。

d0047461_14005231.jpg


裏板の、コーナーの部分です。
コーナー全体の造形と、パーフリングの先端の向きが、ストラドモデルの特徴を示していますが、オリジナルストラドというよりも、やはり、ラザーリ師匠のスタイルを受け継いで製作しております。
もちろん、根底には、昨年他界されたモラッシー先生のスタイルが流れております。
最近は、私のオリジナリティも少しずつ自然に出てきていまして、ストラディバリ、モラッシー先生、ラザーリ師匠、私という4つの要素が、微妙にバランスを変えながら混ざり合って、一つの楽器として生まれてきている感じです。

d0047461_14010499.jpg

d0047461_14011303.jpg


エフは、やはり、ラザーリ師匠から受け継いだ、アマティ的な雰囲気の造形がもっとも色濃く出ています。

d0047461_14012808.jpg

d0047461_14013783.jpg


ウズマキは、数年前までは、モラッシー先生のさらに師匠である、ガリンベルティのモデルで製作しておりましたが、この数年は、黄金期のストラドを意識しての製作となっています。

d0047461_14022476.jpg

d0047461_14021482.jpg

d0047461_14020428.jpg


モデルはストラディバリですが、製作スタイル、仕上げはラザーリ師匠のテイストを常に目指しています。

d0047461_14023506.jpg

d0047461_14024540.jpg


クレモナで楽器製作を修業して19年目となり、いろいろな大先輩のスタイルに影響を受けていますが、あらためて見返すと、ストラディバリを根底としつつも、やはり、直接の先生であるラザーリ師匠のスタイルを目指すことが私の本流で、その中で自然にオリジナリティが生まれてきたことが分かりますし、これからも、その方向性で修業していくことに変わりないと、あらためて思い至った気がしています。

今回の楽器は、すでにお客様の元にお届けいたしまして、幸いなことに、外観も音も気に入っていただけたようで、安堵しているところです。
これから、どのような楽器に成長していくのか、生みの親として見守っていきたいと思っています。

d0047461_14015456.jpg

d0047461_14014607.jpg


by violino45 | 2019-09-15 14:45 | 製作記 | Comments(2)

弦楽器フェアに向けて、もう一台のヴァイオリン。

先日、弦楽器フェアに出品予定のヴァイオリンをホワイトでご紹介しましたが、もう一台、製作中のヴァイオリンがありますので、ご紹介いたします。
このヴァイオリンも、弦楽器フェアに出品させていただく予定です。

今回も、裏板は二枚板での製作です。
私は、変化のあるトラ杢のカエデを裏板に使うことが多いのですが、今回のトラ杢は特に変化が大きく、ワイルドな印象のカエデ材です。
ミニカンナで、アーチを削っていきます。


d0047461_06002425.jpg


二枚板は、センターラインが明確に見えますし、トラ杢も左右で対称なので、アーチの造形はバランスを取りやすいです。
また、二枚板は、音響的にも左右のバランスは取りやすいですが、一枚板と二枚板、どちらが音響的に有利ということはなく、良い木材を使い、その特性を最大限に活かせるかどうかが、楽器の音響にとって重要です。


d0047461_06005054.jpg



スクレーパーで、アーチを仕上げます。
ワイルドなトラ杢が、見えてきました。

d0047461_06005735.jpg


ニスを塗ったらどんな感じに仕上がるのか、なかなか予想がつかないトラ杢ではあります。

d0047461_06010623.jpg


厚み出しの工程を経て、

d0047461_06011533.jpg


ボディを閉じる段階までくると、音響に関わる根幹の作業は終わります。
もちろん、最終的に弦を張るまで、音に影響のある作業は続きますが、ボディの完成度がやはり最も重要ですので、膠付けする前に何度も確認することになります。


d0047461_06012382.jpg

いつもながらダイジェストなご紹介で失礼しました。
次回はホワイトヴァイオリンでのご紹介になる予定です。

クレモナは一気に気温が下がり、長袖の生活となりました。
日本はまだ残暑でしょうか? 皆さまご自愛くださいませ。


by violino45 | 2019-09-11 06:29 | 製作記 | Comments(2)

ホワイトヴァイオリンと、ハイビスカス

残暑お見舞い申し上げます。
クレモナも今年はアフリカ熱波の影響もあり、夏らしい、とても暑い日が続いております。

暑さのせいだけではないのですが、いろいろあって、仕事のペースが大幅に落ちてしまい、心穏やかではないのですが、でも、急いでしまって楽器のクオリティを下げることだけはしたくないので、じっくり仕上げていきたいと思っております。

今回は、初夏から夏にかけて製作していたヴァイオリンがホワイトで仕上がりましたので、ご紹介させていただきます。
このヴァイオリンは、たぶん、11月の弦楽器フェアにてお披露目させていただく予定です。

いつものように、A.ストラディヴァリ、1705年モデルで製作しました。


d0047461_05215346.jpg


裏板は、アーチ作業の時にもご紹介しましたが、端正なトラ杢の二枚板です。
以前、モラッシー先生の工房で気に入って購入したものですが、程よく乾燥してきたので、今回使ってみました。

d0047461_05220251.jpg

d0047461_05221820.jpg

d0047461_05221066.jpg


裏板のパーフリングのコーナー部分です。
ストラドモデルの場合、コーナーの中央を向くのではなく、少し内側に向けて傾けるのですが、その造形は、技術力とセンスを問われる部分です。
うーん、、もう少し内側に向けても良かったですね、、、

d0047461_05222766.jpg

d0047461_05223578.jpg


エフは、単独で存在するのではなく、アーチの膨らみや、コーナーの造形との融和性が大切です。

d0047461_05224565.jpg

d0047461_05225304.jpg


ウズマキは、今回も黄金期のストラドを目指しておりますが、先日、本物のストラディヴァリを手に取って拝見する機会があり、それ以降、またまた思い悩む状況になっております。

d0047461_05230723.jpg

d0047461_05231638.jpg

d0047461_05233829.jpg


後頭部の流れるような造形は、いろいろな流派によって目指す方向性が違うので、答えは一つではないのですが、毎回、少しずつ変えて試しているところです。


d0047461_05232428.jpg



ここで、久しぶりのアンモナイト師匠の登場です。
2008年ごろ?にミラノのアンティーク市で購入して、当ブログでも時々登場しておりました。
師匠、今回のウズマキはどうでしょうか?
「まだまだ、だね」
はい、修業して出直します。。

d0047461_05233183.jpg


さて、気を取り直して、タイトルにあったハイビスカスですが。
友人の製作家の坂本忍さんにお土産でいただいたハイビスカスの苗木を、春から育てておりました。

グラスに水を入れて放置しておくと、少しずつ芽が出てきました。

d0047461_05240285.jpg


根が数本出てきたところで、鉢に植え替えると、元気よく成長を始めて

d0047461_05241176.jpg


暑くなるとともに、立派な観葉植物に。

d0047461_05250969.jpg


そして、気が付くと、小さなツボミが一つ。

d0047461_05242150.jpg

ここからが長くて、二週間くらいしたら急に大きくなって。

d0047461_05242911.jpg

翌日には見事に開花しました。

d0047461_05250037.jpg

d0047461_05245203.jpg

でも、ハイビスカスの花って、一日しか持たないのですね、、、翌朝にはしおれてました、、なんと儚い。。

ですが、あの木の切れ端から芽が出て、根が張って、ここまで成長して花が咲くまでを見ることができて、感激でした。
でも、それ以降、ツボミがまったく出てこないのです、、今年の夏は一つだけの花だったのでしょうか?
一つ咲いただけででも奇跡だったのかもしれません。


by violino45 | 2019-08-30 06:05 | 製作記 | Comments(4)

リサイタルのお知らせと、次回作ヴァイオリンのご紹介

今回は、私のヴァイオリンを演奏いただいているヴァイオリニスト、杉本果凛さんのリサイタルをご紹介させていただきます。

【杉本果凛 ヴァイオリンリサイタル】
2019年 10月6日(日)14時開演(13時半開場)
紀尾井町サロンホール
東京都千代田区紀尾井町3-29 紀尾井町アークビル1F

当日券は1000円ですが、以下のメールアドレスに、私のブログかFacebookを見た旨をご連絡いただければ、招待券を郵送いただけるそうです。
その際は、お名前、住所、チケットの枚数の明記をお願いいたします。
karin.ticket@gmail.com (杉本伸子宛)

杉本果凛さんは、2013年に、フルサイズのヴァイオリンに持ち替えるタイミングで楽器をお届けしたお嬢さんです。
まだプロの演奏家としての活動はされていないのですが、今後の活躍を期待しています。

私自身は帰国のタイミングが合わず、残念ながら聴けないのですが、ご都合が合いましたら、ぜひご来場いただければ嬉しいです。
このチラシに写っている楽器が、私のヴァイオリンです。
製作してから6年間弾き込んでいただいて、音も馴染んできているように思います。

d0047461_05590551.jpg


さて、先日ホワイトでご紹介したヴァイオリンは、現在ニス塗り中ですが、次回作のヴァイオリンを現在製作中ですので、少しご紹介いたします。
今回の裏板は二枚板で、比較的明確なトラ杢のカエデ材を使いました。

まずは丸ノミでの荒削りですが、夏場の作業としてはなかなかハードなものとなります。
暑さの中では、集中力の維持が難しいですが、この段階でバランスを整えておかないと、後の作業が大変になりますので、気合を入れて削ります。

d0047461_05592606.jpg

そして、ミニカンナでのアーチ削り作業です。
二枚板は、左右対称に見えるので、左右のバランスは取りやすいのですが、ハギ合わせのラインに目が惑わされて、均等な膨らみを作るのが難しい面もあります。

d0047461_05593628.jpg

部分によって、サイズの違うミニカンナを使い分けて、アーチを少しずつ整えていきます。

d0047461_05594462.jpg

スクレーパーで、アーチを仕上げます。
面白いもので、表面が滑らかになると初めて見えてくるアーチの不具合もあるので、この段階で再びミニカンナで削りなおすこともあります。


d0047461_05595253.jpg

逆カーブと順カーブを、いかに統合して一つの造形として成立させるか、美的観点と音色作りの観点、両方を追求しながら追い込んでいきます。

d0047461_06000032.jpg

日本も暑い日々が続いているようですね、熱中症には気を付けて、ご自愛くださいませ。

by violino45 | 2019-08-04 06:54 | 製作記 | Comments(2)

58 & ホワイトヴァイオリンのご紹介

7月12日、今年も無事に誕生日を迎えることができました。
この一年も、お世話になった皆様に感謝しつつ、過ごしていこうと思っております。

d0047461_04532202.jpg

50代は、あっという間に過ぎていくような感覚もありましたが、最後の数年間は、数字の進みがゆっくりなような気もします。
それだけ、体力的にも、仕事の面でも、生きていくことの重みが増していることなのかもしれません。
でも、矛盾するようですが、一年が過ぎるのが年々早く感じられるのも事実です。
いずれにしても、大過なく過ごしていられるのは、やはりとても幸運なことだと思います。

さて、今回の写真は、ギターを持ってみました。
以前も何かの記事で書いたと思いますが、私自身の音楽との出会い、そして深くのめり込むきっかけになったのはギターでした。
5月の池袋の展示会の記事で、その出会いに導いていただいた小学校の先生をご紹介しましたが、その出会い以降、ある時期はストイックにテクニックを修得し、ある時期は仲間を集めてバンド活動に熱中したこともありました。

10代の中頃は、畏れ多くも、このままギタリストになるような人生を想像してしまうほど、時間を割いて練習していた時期もありました。
ただ、そのような大それた夢が実現するほど甘い世界ではなく、ある時期からは、仲間と時々セッションすることがなによりも楽しい、アマチュアギタリストの道を歩くことになりました。

10代から20代にかけては、やはりかなり練習しましたので、それなりに指も動き、難しい曲も弾けたのですが、放送局の仕事が忙しくなり、ギターを弾く時間がほとんどなくなってしまうと、あっという間に腕は衰えて、30代は、時々つま弾く程度になってしまいました。

その頃にヴァイオリン製作と出会い、イタリア留学を目指して、仕事をしながら独学で製作の勉強を始めたので、さらにギターを弾く時間は減りましたが、その頃に出会った製作家の大久保さんもギター奏者だったことから、ヴァイオリン談義とともにギター談義も楽しく、どちらかというと演奏するよりもギターの話で盛り上がり、その流れに触発されて、私が子供の頃から憧れていたギタリスト、ドック・ワトソン氏が使っていたギターを何本か購入することになりました。

d0047461_06170862.jpg


今回の写真のギターも、大久保さんと一緒に、大雪の降る中、宇都宮の楽器屋さんまで買いに行った楽器でした。(ギャラガー/ドック・ワトソンモデル)

40歳になり、ギタリストになることと同じくらい大それた決断をしてクレモナに渡ったのですが、ギターを手元に置いておかないと、一生ギターを弾かない人生になってしまう気がして、このギターだけをクレモナに持ってきたのでした。

とはいえ、クレモナでの修行時代、そしてプロになってからも、生活の全てを楽器製作に注ぎ込んでいるような状況が続いておりますので、ギターの腕は年々落ちていくばかりで、楽器がかわいそうだなと心底思う日々が続いています。

また、せっかく10代の頃に真剣に練習した痕跡が、まったく残っていない状況も残念ですので、実はこの数年、少し集中して練習して、記録に残すようなことを企んではいるのですが、少し弾けるようになった頃には帰国の時期が迫ってきて、ギターを弾くどころではなくなってしまう状況が続いていました。

でも、気がつけばあと2年で還暦ですし、ここで本気にならなければ、そういうチャンスは永遠に失われるのではないかという危惧を感じ始めたので、今年こそはと、少し練習を始めたところです。
と、説明がとても長くなってしまい恐縮でしたが、今回の写真がギターなのは、そういう理由です。

練習しても、記録に残せるほどの演奏にはならないかもしれませんが、でも、気が向いたら、こっそりアップするかもしれません。。


さて、長くなってしましましたが、先日、製作途中をご紹介していたヴァイオリンがホワイトで仕上がっておりますので、写真でご紹介いたします。

いつもどおり、ストラディバリ、1705年モデルです。


d0047461_04534561.jpg

今回は、2枚板の楽器です。
少し変化のあるトラ杢で、ニスを塗った時にどのような雰囲気になるのか、楽しみです。


d0047461_04535405.jpg

d0047461_04544907.jpg


d0047461_04543929.jpg


アマティ風のエフもいつもどおりですが、前回製作したクレモネーゼの影響が少しだけ出ているかもしれません。



d0047461_04562397.jpg


d0047461_04555353.jpg


d0047461_04554320.jpg


裏板のコーナー部分の造形です。

d0047461_04542921.jpg


d0047461_04541887.jpg

d0047461_04561216.jpg


ウズマキは、この2年間取り組んできた、黄金期のストラディバリのモデルですが、正直、どの程度、目標に近づいているのか、よく分からなくなってきました。
いずれにしても、毎回、最高のものを目指して集中して取り組むしかないのですが。

d0047461_04564492.jpg

d0047461_04563310.jpg

d0047461_04565466.jpg


後頭部も、毎回悩むところです。


d0047461_04560480.jpg

いろいろな角度から見ても、破綻のないような造形を目指していますが、それがなかなか難しいです。


d0047461_04545877.jpg


d0047461_04552145.jpg

長文御覧いただき、ありがとうございました。
また来年の7月を目指して、健康に気を付けながら精進していきたいと思っております。
今後ともよろしくお願いいたします。


d0047461_04553214.jpg



by violino45 | 2019-07-12 06:18 | 製作記 | Comments(8)

製作中のストラド1705年モデルと、書籍のご紹介。

池袋の展示会のご報告から、久しぶりの更新になってしまいました。

今回の日本滞在はなかなかハードだったのと、5月は気候の変動が激しくて体調の維持が難しく、後半は少々体調を崩してしまいました。

そのままの状況でクレモナに帰国して、時差ボケの中、なかなか疲れも取れず、仕事も大幅に遅れてしまいつつありますが、春から製作を始めていたヴァイオリンがある程度形になりましたので、ダイジェストになってしまいますが、ご紹介させていただきます。

いつものとおり、横板の曲げ、そして内型への貼り付けから始まります。

d0047461_02583496.jpg


今回の裏板は、2枚板です。
完成した横板の形を写し取り、切り抜いていきます。

d0047461_02584855.jpg


丸ノミによる荒削りから、アーチ作りが始まります。
今までも何度もご説明してきましたが、この時点で完成アーチのイメージを明確に持って、その形にできるだけ近づけながら、バランスに注意して削っていくことが大切です。

d0047461_02585839.jpg


ミニカンナでのアーチ整形で、ヴァイオリンの膨らみはほぼ完成します。

木材の性質に合わせて膨らみ具合を微妙に変えていくことで、理想の音色を目指していきますが、なかなか答えが見つからない作業です。

d0047461_02591627.jpg


いろいろな大きさのカンナを使い分けていきます。

d0047461_02592843.jpg

スクレーパーでの仕上げは、表面を滑らかにする意味合いが大きいですが、でも、この段階でアーチ全体のバランスを調整することも多いです。
表面が滑らかになって初めて見えてくる、微妙な膨らみ具合の違いもあります。

d0047461_02593736.jpg


厚み出しの工程を経て(写真がなくてすみません)、ボディを閉じる作業になります。
厚み出し作業の詰めは十分か、、、バスバーはこれで大丈夫か、、、箱を閉じてしまったら修正できない工程も多いので、毎回、ボディを閉じる前には自問自答の繰り返しとなります。

d0047461_02594680.jpg

d0047461_03000052.jpg



さて、タイトルにも書きましたが、書籍を一冊ご紹介いたします。

演奏家で、指導者としても幅広くご活躍されています、森元志乃さんの著書「ヴァイオリン基礎テクニック、リターンズ!」です。
もともとは、サラサーテ誌にレッスン記事として連載されていたものを、一冊の本にまとめられた内容となっています。
サラサーテ誌でおなじみの、せきれい社からの出版で、1600円+税で発売されています。

d0047461_03405102.jpg



表紙の写真をご覧になって、このブログの読者の方でしたらお気づきになられたと思いますが、私が製作したホワイトヴァイオリンを載せていただきました。
このヴァイオリンは、2018年の9月にクレモナで開催された、トリエンナーレコンクールに出品したヴァイオリンです。
オリジナルの写真は、こちらになります。

d0047461_03403873.jpg


なぜ私のホワイトヴァイオリンを表紙に使っていただいたかですが。
著者の森元志乃さんは、「ヴァイオリン各駅停車」の執筆で有名な方ですが、今回の著書のタイトルにもあるように、基礎的な技術に重きを置いた指導をされています。

また、私のブログは以前からご覧になっていたそうで、ホワイトヴァイオリンが仕上がるまでの工程が基礎的な技術の積み上げであることに共感いただいていたとのことで、今回、この本を出版されるにあたって、演奏の基礎テクニックの再確認という内容にホワイトヴァイオリンのイメージがピッタリとのことで、写真を載せていただきました。


d0047461_03412459.jpg


表紙をめくると、完成したヴァイオリンの写真があります。

d0047461_03410217.jpg


そして、背表紙には、完成したヴァイオリンの裏板の写真も載っています。

d0047461_03411254.jpg


内容は、もちろんタイトル通り、基礎テクニックをじっくりと再確認できる記事が満載です。
演奏技術だけでなく、音楽理論にも踏み込んだ内容で、私の印象では、ある程度レッスンを続けてこられた方が、さらなるレベルアップを目指す際に、もう一度基礎固めをしたいと思った時に、非常に心強く導いてくれる内容ではないかと思います。

d0047461_03413475.jpg


基礎テクニックの修得、そして積み重ねていくことの大切さは、私自身、楽器製作をする中で最も重要視している部分ですので、そのような書籍の表紙に写真を使っていただき、とても光栄なことと思っております。
宮地楽器さんでも購入できますので、ぜひ一度、お手にとって御覧くださいませ。

最後に、いつものホワイトヴァイオリンの場所で、記念撮影です。
ダブルで背景が見える、不思議な写真となりました。。

d0047461_03414455.jpg

by violino45 | 2019-06-14 04:42 | 製作記 | Comments(2)

クレモネーゼ 1715モデル 動画と写真でご紹介

以前、ホワイトヴァイオリンとしてご紹介しました、ストラディバリ、クレモネーゼ 1715モデルが完成しました。

今回も、クレモナ在住の演奏家、横山令奈さんに試奏していただきましたので、動画と写真でご紹介させていただきます。


d0047461_15014380.jpg


今回、たっぷり4曲演奏いただきましたので、10分を超える動画となりましたが、ミニ・リサイタルのように楽しんでいただけるように編集しましたので、ごゆっくりご覧いただければ嬉しいです。
特に、後半のタイスの瞑想曲は、全曲通していただいておりまして、高音から低音までの、楽器の特徴が良く分かる動画となったのではないかと思っております。

この、クレモネーゼ 1715モデルは、5月6日の、宮地楽器さんでのイベントでもお披露目させていただく予定です。
御試聴いただき、ありがとうございました。

横山令奈さんのプロフィールは、こちらです。
https://profile.ameba.jp/ameba/lena-violin

実は横山さんは現在来日中で、4月26日と27日には、大阪で演奏会があるそうです。
妹の横山亜美さんが、ブログに演奏会について書かれています。

4月26日について
4月27日について

前回同様、完成したばかりのヴァイオリンをプロの演奏家さんに試奏いただくのは緊張しますし、また、慣れない楽器での演奏を動画として残すことへの申し訳ない気持ちもあるのですが、そういう不安を一切感じさせない横山さんの演奏は、さすがですね。
そして、生まれたての楽器の最初の状態を記録に残すという意義にご賛同、ご協力いただけて、横山さんにはとても感謝しております。


d0047461_15012721.jpg


では、最後に、写真にて楽器をご紹介いたします。
いつもの1705年モデルとは、やはり少しだけ趣が違うシルエットです。

d0047461_14571162.jpg

d0047461_14572547.jpg

エフも、師匠のニコロ・アマティの影響が少なくなり、黄金期のストラドらしい、力強いエフの造形です。

d0047461_14580705.jpg

ホワイトの状態でも説明しましたが、この、Cの部分のラインの流れ方が、1705モデルとは微妙に違うところです。
超マニアックな違いではありますが、、

d0047461_14582053.jpg

ウズマキも、黄金期のストラドを意識して仕上げましたが、毎回、いろいろ悩む部分ではあります。

d0047461_14585298.jpg

d0047461_14583698.jpg

d0047461_14590531.jpg

今後も、機会があれば、クレモネーゼ・モデルも製作していきたいと思っております。

ご覧いただき、ありがとうございました。


d0047461_14573891.jpg

d0047461_14575315.jpg


by violino45 | 2019-04-24 15:16 | 製作記 | Comments(4)