ストラディバリモデル、製作その後

1月15日(土)18時から、宮地楽器さんにて、日本人製作家を紹介するコンサートが開催され、私もリモートで出演いたします。
Youtubeにて、リアルタイム配信の予定です。
配信URLは、こちらです。(アーカイブ動画も、こちらでご覧いただけます)

さて、少し間が空いてしまいましたが、以前からご紹介しておりますストラディバリ・モデルのヴァイオリンの製作が進んでおりますので、ダイジェストでご紹介いたします。

厚み出しは、大き目の丸ノミから始めます。
いつもながら、勢い余って突き抜けてしまわないか、怖い作業です。。

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ミニカンナ作業になると、少し落ち着いて削ることができます。

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ヴァイオリンの音色を決める、重要な作業ですので、慎重に削っていきます。

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別の楽器ですが、厚み出し工程を以前、動画でご紹介しました。

スクレーパーで厚みを仕上げた後は、バスバーの接着となります。

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表板との相性の良い木材を選び、ピッタリと合わせて接着した後、最適な高さ、形状、厚みに削って仕上げますが、最適と言っても答えは一つではなくて、求める音色によって、削り方は変わってきます。

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バスバーの動画は、こちらです。

先に完成していた裏板を横板に貼り付け、内型を抜き出します。
ここまで来ると、ヴァイオリンのボディの完成が近いことを実感して、気持ちも盛り上がってきます。

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内型を抜き出す動画は、こちらです。

表板を貼り付ければボディの完成ですが、その前に、焼き印を押して、ラベルを貼ります。

焼き印は、特に決まり事ではなく、押さない製作家も多いですが、私は、将来的にもし真贋を問われることがあった場合に、その参考になればと思い、というか、「真贋を問われるような製作家になりたい」という願望を込めて(笑)、押しています。
ただ、製作コンクールに出品する楽器には、規則上、押しておりませんので、私の作品で焼き印が無い楽器を見かけた場合は、コンクール参加作品の可能性をご考慮くださいませ。

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125番目の楽器ということで、これも一つの区切りでしょうか。
生涯200台を目指して頑張っておりますが、まだまだ先は遠いです。
この楽器から、2022年の作品となります。

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ボディを閉じる準備が完了です。

やり残したことが無いか、、、何度も確認しますが、いつも、心配になります。

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スプールクランプで表板を接着します。
これで、ボディの中を触れなくなります。

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ボディの完成です。

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このタイミングで、毎回、ボディをコンコンと叩いて、響きを確かめます。
反応良く、元気に響いてくれたら、まずは一安心です。
以前、この作業の動画をご紹介しましたので、よろしければご笑覧くださいませ。




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ご覧いただき、ありがとうございました。

さて、隣の猫シェルターなのですが、ビッキーとクロ丸を最後に、閉鎖になるはずだったのですが、大家さんのご厚意で、というか、大家さん自らが保護した猫がやってきて、現在、里親募集中です。

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人懐っこいのですが、他の猫との折り合いが悪く、一度、ちび丸を面会させたのですが、大喧嘩になりかけてしまいました。
なかなか難しい猫ですが、幸いにも、良い里親さんが見つかりそうです。

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そして、こちらはウサギです(笑)

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ボランティアさんの活動は、猫だけではなく、犬はもちろん、保護が必要な動物すべてというわけです。
以前、コウモリもやってきました。

飼育放棄されていたのを引き取ったそうで、最初はストレスからか暴れていましたが、環境を整えてからは落ち着いているようです。

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早く、良い飼い主が見つかって欲しいものです。

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by violino45 | 2022-01-13 15:14 | 製作記 | Comments(4)

Commented by Junjun at 2022-01-13 19:40 x
菊田さん、こんにちは

ストラディモデル。製作のアップ有難うございました。

2022年の初めの楽器。125番、
とても美しい楽器。やはりこれからどんな音のするヴァイオリンになっていくのか、、とても気になりますが、こうしてホワイトの状態で画像を拝見いたしますと一つの楽器が出来上がっていくには
沢山の想いが込められていると、改めて実感いたしました。

大切に作られ、大切に受け継がれていく。
弦楽器の奥深さを目の前にして、とても神聖な気持ちになりました。

私の楽器 以前オーナーだった人の気持ちは
どんなだったのか、などを考えてみると
とても不思議な感覚になります。

多分とても、大切にされていたのだと思いを巡らせていましたが、ある時に、この楽器はあまり弾かれていなかったのでは、と、言われた事があります。
ずっと飾られていたと。

何かの縁で私の手元に来てくれた事、なんか申し訳ないような気持ちにもなりましたが、
これからも大切にしていきたいと思います。
それも、こうして製作者さんの菊田さんのブログを拝見してから、そういう気持ちになれました。

さて、2022年1月15日、
菊田さん達のイベント、明後日になりました。

今はお忙しい中と思いますが、
大変楽しみにしております。
You tubeにて、拝見いたしますね。

日本をはじめ、世界でもまたまた新たな不安もある
日々ですが、
いつでも、夢と希望をもち
今年も一歩一歩、歩んでいきたいと思います。
菊田さんに、おかれましても
素晴らしい年でありますようお祈り申し上げます。

では、土曜日に!👍

猫さん。うさぎさんにも
沢山幸せがありますように!
Commented by 菊田 at 2022-01-14 03:03 x
Junjunさん、こんにちは。

そうですね、ヴァイオリンがとても長生きすることは、ストラディバリなどの名器が証明していますので、私たち製作家も、それを演奏される方も、ヴァイオリンに対して特別な思いが巡りますよね。

製作家は、もちろん最初のオーナー様に喜んでいただけることを第一に考えて製作するのですが、同時に、100年後、200年後の楽器のコンディションも考えています。

どういう形で次のオーナーに引き継がれるのかは、それぞれではありますが、私がいつも願っているのは、その時に巡り会った演奏者さんが、私のヴァイオリンを弾くことで幸福になって欲しいという一点に尽きます。

もちろん、長い年月の間には、弾かれない時期があったり、飾られたりという状況もあるのかもしれませんが、ヴァイオリンというのは不思議なもので、どんな楽器でも、いつかは動き出して、御縁のある演奏者さんの元へ旅立っていくものだと思います。

Junjunさんのヴァイオリンも、飾られたりして休んでいる時期を経由して、今は、とても幸福な時間を過ごしていると思います。

私のヴァイオリンも、これから長い旅に向かって出発しますが、大切に受け継がれて行ってくれればいいなと、心から思います。

15日のイベント、いよいよですね。
昨日リハーサルしたのですが、各製作家、それぞれ面白い趣向を凝らしておりますので、お楽しみにです。

Commented by parnassus at 2022-01-15 21:04
15日のイベント、ご出演おつかれさまでした。
シャイで丁寧、控えめという師匠のイメージよりも、何かの境地に達した浮世離れした芸術家かの、印象を感じました。
少し声がハスキーではありませんでしたか?体調大丈夫でしょうか?

125号・・100×1・1/4ですね・・そんなに。
同じモデルで、積み重ねていくことの大切さという今日の話、、どんどん積み重なっていきますね。

猫もウサギも、次々に新しいお客さんがやってきますね。
かわいい。モフモフ・・もふもふ


Commented by 菊田 at 2022-01-15 23:29 x
たにつちさん、ご視聴ありがとうございました。

そうでしたか~、何も境地には達していませんが(笑)、浮世離れは進んでいるかもしれませんね~。

もともと、人前で話すのは下手なのですが、リモートでパソコンに向かって話すのはさらに苦手で、内緒話をしているような声になってしまうので、ハスキーな印象だったかもです。

同じ状況でも明瞭に発言できる翔太朗さん、本当に尊敬します。

体調は大丈夫なのですが、3日前に打ったモデルナワクチンで発熱して寝込んだので、その影響はあるかもです。
でも今は元気ですので、ご安心ください。

そうですね、同じモデルでの製作を積み重ねることの大切さは、積み重なってくるほど、さらに感じているところです。
閃きとか、革新性など、相反する部分もあるので、一面だけで考えるのは良くないですが、一つの在り方であるのは確かです。

ウサギちゃん、けっこう過激です(笑)

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