最新作ヴァイオリンのご紹介

かなり前にホワイトヴァイオリンでご紹介していた楽器が、ようやく完成しましたので、写真にてご紹介いたします。

アントニオ・ストラディバリ、1705年モデルです。

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今回はお客様のご要望もあり、少し濃い目の色合いのニスとなりました。

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裏板の、コーナーの部分です。
コーナー全体の造形と、パーフリングの先端の向きが、ストラドモデルの特徴を示していますが、オリジナルストラドというよりも、やはり、ラザーリ師匠のスタイルを受け継いで製作しております。
もちろん、根底には、昨年他界されたモラッシー先生のスタイルが流れております。
最近は、私のオリジナリティも少しずつ自然に出てきていまして、ストラディバリ、モラッシー先生、ラザーリ師匠、私という4つの要素が、微妙にバランスを変えながら混ざり合って、一つの楽器として生まれてきている感じです。

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エフは、やはり、ラザーリ師匠から受け継いだ、アマティ的な雰囲気の造形がもっとも色濃く出ています。

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ウズマキは、数年前までは、モラッシー先生のさらに師匠である、ガリンベルティのモデルで製作しておりましたが、この数年は、黄金期のストラドを意識しての製作となっています。

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モデルはストラディバリですが、製作スタイル、仕上げはラザーリ師匠のテイストを常に目指しています。

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クレモナで楽器製作を修業して19年目となり、いろいろな大先輩のスタイルに影響を受けていますが、あらためて見返すと、ストラディバリを根底としつつも、やはり、直接の先生であるラザーリ師匠のスタイルを目指すことが私の本流で、その中で自然にオリジナリティが生まれてきたことが分かりますし、これからも、その方向性で修業していくことに変わりないと、あらためて思い至った気がしています。

今回の楽器は、すでにお客様の元にお届けいたしまして、幸いなことに、外観も音も気に入っていただけたようで、安堵しているところです。
これから、どのような楽器に成長していくのか、生みの親として見守っていきたいと思っています。

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by violino45 | 2019-09-15 14:45 | 製作記 | Comments(2)

Commented by Junjun at 2019-09-16 08:02 x
菊田さん、こんにちは。

新しいバイオリンの記事のアップ
有難うございます。

1705年モデルのストラディバリ
それに、先生、師匠、菊田さんのスタイルが
まざり、ニスの色、お客様のご希望も加えられたとのこと、
本当に 美しい 新しい楽器ですね。

菊田さんの、ご説明を拝読し
人の考え、技術が受け継がれ 出来上がっていく 伝統あるお仕事、
一つの楽器に流れる背景に、ロマンを感じ
益々、バイオリンという楽器を興味深くおもえました。

こうした製作に対しての記事、これから菊田さんの楽器の出来上がりを待っている方には
特別な気持ちで読まれているのでしょう。
また、私のように 菊田さんバイオリンのオーナーでなくとも、製作者さんサイドの
見方に接する事で、今までに無かった
楽器への愛着が生まれてきます。

改めて感謝いたします。

また、お忙しい中と存じますが
呉々もお身体ご自愛くださいませ。

11月のフェアー でお目にかかれる事、
楽器を拝見できる事を 今から楽しみに
しております。

Commented by 菊田 at 2019-09-16 15:56 x
Junjunさん、こんにちは。
マニアックな記事にコメントありがとうございます^^。

今回書きましたのは、もちろん、私個人の製作スタイルなのですが、製作家によって、いろいろな考え方があるのも面白い世界です。

ストラディバリの忠実なコピー、再現に命を懸けている人も多いですし、逆に、独自のオリジナルモデルの開発に心血を注いでいる人も多いです。

それぞれが信じた道を突き進んで、成果を残していくことで、弦楽器の世界が幅広く発展していくのだと思いますし、演奏者さんも、自身に合った楽器と巡り合える機会も増えるのだと思います。

私自身は、弦楽器製作は、伝統芸能のようなものだと思っています。
例えば、歌舞伎の世界は、揺るぎない評価の固まった古典を中心に演じられていますが、その様式美は代々守られて伝承されていても、歴代の演者によって解釈が加えられ、オリジナリティを感じられる舞台になっていると思います。

弦楽器の世界も、アマティ、ストラディバリという古典の様式を守りつつ、代々、その伝統を受け次いでいきながら、個々のオリジナリティも盛り込んでいくような形で残っていくのだと思いますし、私自身も、その流れの一部として存在できれば、こんな嬉しいことはないと思っております。

すみません、コメント欄のほうがさらにマニアックになってしまいましたね。。

今回の楽器は、弦楽器フェアでは残念ながらお披露目できないのですが、最新作を二台、現在製作しておりますので、またご覧いただければ嬉しいです。


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