池袋の展示会、ご報告。

5月18日と19日に池袋で開催されました、「日本バイオリン製作研究会」の展示会が無事終了いたしました。

多くのお客様にご来場いただき、ありがとうございました。
長文となりますが、写真にて、ご報告させていただきます。

会場は、池袋アカデミーホール、明るく、広々と落ち着いた会場で、二日間、開催されました。

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今回、私は4台の楽器を展示させていただきました。

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まずは、2017年のヴァイオリン、この2年間、池袋や九段下の展示会の度にお客様からお借りして、出展させていただいている楽器です。

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2011年のヴァイオリン、現在、宮地楽器さんにて試奏見本として常設展示しております楽器です。
先日の吉田直矢さんの演奏会でも弾いていただいたヴァイオリンです。

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2005年のヴァイオリン、数年前まで宮地楽器さんの試奏見本だった、お馴染の楽器です。
14年が経過して、だいぶ音色に変化が出てきました。

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そして、2018年に製作した41.3センチのビオラです。
トリエンナーレコンクールに出品後、現在は宮地楽器さんにて展示されております。

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展示会は二日間、多くのお客様でにぎわいました。
宮地楽器の山本店長も、イタリアからの帰国直後に成田から駆けつけてくださいました。

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私も、たくさんのお客様に試奏いただき、いろいろ貴重なご意見を伺うことができました。
製作者として成長していくためには、やはりこういう経験が欠かせないと、あらためて思った二日間でした。

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いただいたご意見を、自分自身の感覚で確認することも必要な作業です。

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今回も、クレモナの製作仲間である根本和音さんと一緒に参加しました。
以前は、将来有望な若者と紹介しましたが、この数年で、「なかなか手ごわいライバル」に成長しつつあります。

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そして、大切な友人との再会も、展示会の醍醐味となっています。
大久保さんと出会ってから24年、いろいろな事がありましたが、こうして元気に会えるのはとても嬉しいことです。

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そして、今年も松原幸広さんに試奏していただきました。
私が製作した1号機ヴァイオリンを初めて弾いていただいたのも松原さんでしたが、今も、その時とまったく変わらない気持ちで、ドキドキしながらご意見を伺っています。

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さらに、今回はサプライズ的な再会がありました。
私が小学5年生と6年生の二年間、担任を受け持っていただいた、武藤先生です。(中央)

教室にギターを持ち込んで、授業はそこそこにフォークソングを生徒と合唱してしまうような、とても型破りな先生でしたが、私が楽器に興味を持った原点でしたし、私のその後の人生に大きく影響を与えていただいたのは間違いない、大切な恩師です。

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サプライズな再会と書いたのは理由がありまして、この↑写真の左に写っている牧野さんは、武藤先生と長年フォークソングのバンドで一緒に音楽活動をされている方(ギターやバンジョー、マンドリンなどの達人)なのですが、実は牧野さんは、私と一緒にこの展示会で楽器を出展している菅沼利夫さんに、ギターやマンドリンを教えた師匠ということが分かり、ぜひ展示会で再会できればということになったのでした。

というわけで、少し複雑ですが、二組の師弟関係が、それぞれ横にも繋がっていたという、不思議な御縁が引き寄せた、サプライズであったのでした。
貴重な記念撮影↓となりました。


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さて、この展示会の目玉は、やはり、プロの演奏者を招いての、展示楽器を使用しての演奏会かと思います。

今回は、お二人のヴァイオリニストをお招きしての、二日間に渡っての演奏会となりました。
(私はビオラとチェロは試奏に参加しておりませんので、ヴァイオリンだけのご紹介になりますことをご了承ください)

一日目は、昨年と同じく、三澤裕美子さんに2017年のヴァイオリンを演奏していただきました。


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今回は私のリクエストで、モンティのチャールダーシュを演奏していただいたのですが、この曲は、速い音符の繰り返しが多いので、楽器の反応の速さを確認できると思ったのでした。

私の理想の音作りの要素の一つとして、可能な限り反応が早く、でも、音が荒くならずに、丸い粒がシャボン玉のように飛んでいくようなイメージがあるのですが、三澤さんの繊細かつ力強い演奏を聴かせていただきながら、今回はかなりそれに近いイメージを浮かべることができたので、自分としては嬉しい時間となりました。


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二日目は、星野美葉さんの演奏でした。

星野さんは、私がヴァイオリン製作を始めて間もないころ、通算3台目の楽器を弦楽器フェアの試奏コンサートで弾いていただいて以来、20年以上の間、何度も試奏をしていただいておりまして、そのたびに、非常に貴重な勉強をさせていただいております、私としては、とても思い入れの深いヴァイオリニストさんです。

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今回、かなり久しぶりに私の楽器を演奏していただきましたが、ほんとうに素晴らしい演奏で、20年前を思い出しながら聴かせていただき、ただただ感動してしまい、楽器を冷静にチェックはできませんでした。。
ヴィターリのシャコンヌの美しい旋律を、とても綺麗に響かせていただき、嬉しい時間でした。


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今回、初めての試みとして、試奏コンサートの司会者として、プロのアナウンサーさんに来ていただきました。
ケーブルテレビ J:COMのアナウンサー、山縣綾さんの司会により、いままでになく、華やかな雰囲気の試奏コンサートとなりました。

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さて、緊張しつつも楽しく過ごした二日間の展示会でしたが、最後に、もう一つサプライズがありました。

これも今回、初めての試みだったのですが、試奏コンサートに来場いただいたお客様にアンケートをお願いして、音色が気に入った楽器に投票していただくこととなりました。

その投票の結果、二日間を通してのヴァイオリン部門で、私の2017年の楽器が一位となり、優秀賞をいただくことができました。
ビオラ部門の優秀賞は、これもサプライズでしたが、先ほどご紹介した菅沼利夫さんでした。(二位は平田教次さん)
ヴァイオリン部門の2位は、河村盛介さんでしたが、さすが、素晴らしい音色のヴァイオリンでした。


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正直なところ、試奏コンサートを聴かせていただく中、河村さんはじめ、音の良いヴァイオリンはたくさんありましたので、一位になるのは難しいと思っていましたので、心底ビックリしましたが、とても嬉しい受賞となりました。

とはいえ、私自身、いろいろ今後への課題も見えてきた展示会となりましたので、さらに気を引き締めて良い楽器を目指して精進していきたいと、あらためて思っております。

来年も、ぜひ参加させていただければと思っておりますので、また会場にてお目にかかれます日を楽しみにしております。
長文ご覧いただき、ありがとうございました。

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by violino45 | 2019-05-20 23:47 | 日記 | Comments(4)

Commented by Junjun at 2019-05-21 06:39 x
菊田さん、こんにちは。

展示会ご報告のアップ有難うございます。
バイオリン部門優秀賞おめでとうございます

初日にお伺いいたしましたが、こうして
お写真付きでの、記事を拝読致しますと、
会場での肌で感じたものが、よみがえり
改めて 楽しい音楽に触れる時間だったと感じました。

GWのイベント演奏を聴いて、実際に
使用されたバイオリンを 弾かせて頂け、
演奏家さんが弾かれるのと 音の感じ方が
違うところ、同じに感じるところなどあり、

そういう意味でも、五月は 一つの流れの中で
菊田さん楽器を通して 音楽を楽しめました。

2017年の楽器は、三澤裕美子さんが弾かれた時 広がるような音がしてました。
楽器の持つ幅広音を引き出す ような
かつ、優しい音でした。

お知り合いの方々との ご紹介写真のアップも
楽しみとなっております。
人と人との繋がりが、時間がたってまた
広がっていく 素敵な事だと感じます。

私も音楽を通して、素敵な出会いが沢山出来た事、バイオリンを出来る環境にも
改めて感謝し、日々 頑張っていきたいと思います。また、お目にかかれる時を楽しみにしております。

日々お忙しい中と存じますが、呉々も
お体ご自愛くださいませ。

Commented by 菊田 at 2019-05-21 21:53 x
Junjunさん、こんにちは。

展示会にご来場いただき、ありがとうございました。
会場での雰囲気を、ブログであらためて振り返っていただけたのでしたら、嬉しいです。

私自身もそうなのですが、プロの演奏家さんだけでなく、お客様が試奏されている音を聴いたり、ご意見を伺った後で、あらためてその楽器を弾いてみると、また違った印象を持つことがあったり、新しい発見があったりするので、展示会という場所に身をおくことは、製作者としてとても貴重な機会でありますが、演奏家の皆様にとっても、いろいろな楽器の個性を、客観的かつ主観的に確認していただけるという意味で、面白い空間ではないかと思っております。

そして、毎回、同じ楽器を御試奏いただいて、ご感想を伺えることは、楽器の特色を冷静に分析することができますので、とても感謝しております。

私自身、5月の前半には吉田さん、後半には三澤さんと、演奏の方向性の違うお二人のアーティストに試奏していただけたことで、楽器の持つ可能性をあらためて確認しつつ、問題点も発見できた気がしています。

11月には、また弦楽器フェアにて、いろいろお話しできるのを楽しみにしております。

おかげさまで、5月は有意義な日本滞在となりました。
ありがとうございました。
Commented by 雄一朗 at 2019-06-10 01:28 x
初めて書き込みさせていただきます。いつもブログを楽しく拝見させていただいております。
菊田さんのバイオリンとモンティのチャールダーシュというのは今までに無いパターンで、ちょっと驚いてます。
ブログにアップされてる演奏やテレビで紹介されてた演奏はゆったりと聴かせる曲でしたので、菊田さんのバイオリンがそういうイメージでした。
チャールダーシュと菊田さんのバイオリン、聴いてみたかった。
展示会などにはなかなかいけないので、是非動画アップしていただきたいと思いました。
バイオリンが完成する度に音の記録を残されておられるようですので、勝手なワガママですが、次回は是非チャールダーシュもお願いしたいと思います。

Commented by 菊田 at 2019-06-10 05:52 x
雄一朗さん、こんにちは。
コメントをありがとうございました。
いつも拙ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

チャールダーシュについては、おっしゃるとおり、今まで、私のヴァイオリンではほとんど弾いていただいたことがない曲でした。

池袋の展示会では、今までは、曲目については演奏者さんにお任せだったのですが、今回は、新しい試みとしてリクエストを受けていただけることになったので、私のヴァイオリンでチャールダーシュがどのように響くのかを聴いてみたいと思い、お願いしたというわけです。

この曲は、やはり、早い音符のくりかえし部分が特徴的で、楽器の性能としては、反応の早さと豊かな発音の両立が求められる、なかなかハードルの高い曲と思いますが、2017年のヴァイオリンは、三澤さんの演奏に十分に応えられていたように感じました。

この試奏会の演奏は、残念ながら動画でのご紹介はできないのですが、今後の新作ヴァイオリンでの試奏動画では、チャールダーシュの試奏についても、奏者さんとご相談してみたいと思っております。

ただ、試奏動画は基本、無伴奏での演奏になってしまうことから、今までは、無伴奏でも違和感の少ない曲での選曲になっておりましたので、チャールダーシュが無伴奏でも試聴に耐える曲かどうかは、検討しなければと思っております。

コメントをありがとうございました。
なかなか更新できませんが、、今後とも、よろしくお願いいたします。
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