ガルネリモデル 動画と写真でご紹介します。

先日、ストラディバリモデルを動画でご紹介しましたが、ガルネリモデルのヴァイオリンも先日完成しまして、輪野さんに試奏していただきましたので、ご紹介いたします。

曲目は、前回と同じく、パラディスのシチリアーノ、そしてバッハのソナタ1番の冒頭部分の、続けて2曲です
今回も、弦を張って2日目くらいの状態での録音となりました。
生まれたての楽器の声をぜひお聴きください。



お聴きいただきありがとうございました。
今回も、輪野さんには楽器の持つ音色をそのまま引き出していただけたと思います。
普段のストラディバリモデルに比べると、幅が1センチ近く細いヴァイオリンなのですが、低音のふくよかさもある楽器になったのではないかと思っております。


では、完成した楽器を写真にてご紹介させていただきます。

ガルネリ・デル・ジェズ 1731年 ex Huberman モデルです。
オリジナルの楽器の完全コピーではありませんが、サイズ他、楽器の基幹となる部分はできるだけ再現しております。

d0047461_08430479.jpg

裏板は、前回のストラドモデルと同様の、少し変化のあるトラ杢の1枚板を使いました。
名器をモデルとしての製作ではありますが、現代のクレモナで学んだスタイルと、私自身の個性が融合したヴァイオリンに仕上がっていると思います。

d0047461_08422319.jpg
このモデルの特徴が出ているのが、エフの造形です。
ストラディバリほど整っているわけではなく、かといって、後期ガルネリのような大胆さでもない、内なる暴れん坊?のようなエフの雰囲気を、できるだけ再現したいと思って製作しましたが、なかなか難しい経験となりました。。

d0047461_08373976.jpg

こちらが、オリジナルの楽器のエフとなります。

d0047461_08444873.jpg

右側のエフは、こんな感じです。
オリジナルのエフは、少し削れてしまっていて、それも含めて迫力があるのですが、私の美意識の中で、その雰囲気を再現しようとした結果、このような感じとなりました。
d0047461_08403224.jpg

こちらは、裏板のコーナー部分です。
オリジナルの楽器は、長い年月の間に欠けてしまったりして、ガルネリさんがどのような造形を目指していたのか、正確には読み取れないのですが、全体のフォルムとのバランス、トータルでのイメージを考えつつ仕上げました。
d0047461_08364749.jpg

ウズマキも、同じガルネリでもカノン砲のような大胆な造形ですと、特徴が掴みやすいのですが、この時代のガルネリさんのウズマキは、なかなか均整が取れていて、オリジナルの少し荒々しい雰囲気を出すのは難しいところです。

d0047461_08350048.jpg

オリジナルは、こんな感じです。
d0047461_08465653.jpg

反対側は、こんな感じになりました。
d0047461_08352974.jpg

正面は、ストラディバリの流麗なラインとは違って、無骨なウズマキの造形ですが、なかなか味わい深いシルエットです。
d0047461_08361249.jpg

オリジナルは、こちらです。
d0047461_08462780.jpg

斜めから見ると、こんな雰囲気です。
d0047461_08342783.jpg

この数ヶ月、毎日このガルネリモデルを見続けてきたのですが、最終的には、その魅力的な造形に惹き付けられた感じです。
もちろん、今後もストラディバリモデルを中心に製作していくことには変わりはないのですが、機会があれば、ぜひまたガルネリモデルに挑戦してみたいと思っております。
d0047461_08410517.jpg


d0047461_08414056.jpg

この季節、ミケにゃんは少しずつ夏毛に変わっていき、表情も精悍な感じ?になってきます。
足の位置が、少し変な写真ですね。。
d0047461_09084853.jpg


by violino45 | 2018-05-01 06:51 | 製作記 | Comments(8)
Commented by junjun at 2018-05-01 13:47 x
菊田さん、こんにちは。

ガルネリモデルのアップ有難うございます。

輪野光星さんの素晴らしいつ演奏は、さすがです。
同じ演奏者の楽器別聴き比べが出来て
楽器の違いにより奏でる音の差ね比較が出来楽しかったです。

ガルネリモデルは、
元気な中にも、膨らみがあり、音の響きにも厚みがあり、かと言って 篭った感じもなく。。バランス良い素敵な音だと感じました

どちらかと言うと、出来たばかりというより
少し弾きこんだイメージでした。


前回のストラドは、どちかというと
元気さが際立ち、これからどんな
まろやかさが備わってくるのかな?という印象でした。ただ、華やかさは ストラドモデル
に感じました。

見た目は、二つ横にして比べてみないと
私にはわかりませんが、
とても美しい楽器であると伝わってきました。

一枚の裏板 虎杢は、品があり、少し
落ち着いた大人っぽいイメージです。

毎回、全くの素人が本当に生意気な事を書いてしまい、大変恐縮ではありますが、
こういったバイオリンに対する感想を
言うのも、楽しく嬉しく感じさせて頂いています。感謝致します。

穏やかな明るい光の中の
ミケニャン。クレモナの風を感じられる素敵な写真ですね。(o^^o)空気の感じ、
過ごしやすそう。。

ついに、五月となり
お忙しい日々と存じます。
お体ご自愛くださいませ。

Commented by 菊田 at 2018-05-02 02:04 x
Junjunさん、こんにちは。
楽器について、いつも丁寧にご感想をいただき、ありがとうございます。
とても参考になるご意見、嬉しく拝読いたしました。

実際に生の楽器の音を聴いての私自身の感想も、概ね、Junjunさんのご意見と同じでした。

実は、先日のストラディバリモデルは、ニスを塗り終わってからの乾燥の時間が比較的長く取れたのですが、今回のガルネリモデルは、帰国が迫っている関係で、ニスが理想的に乾燥するのを待つ余裕がなく(一週間程度の違いではあるのですが)、そのニスの乾燥度の違いが、華やかさの印象として少し現れているかもしれませんです。

録音してから数日経過しておりますが、現在は、少しキラキラした音色に変化しつつあります^^。

もちろん、全体的な音色の違いは、モデルの違いが大きいですし、材料の個性もありますが、その条件の中で、それぞれ最良の音質を目指して製作した結果がトータルで現れてくるのかもしれませんね。

いずれにしても、生まれたての音色は、楽器の本質的な個性を知る上で重要で、それを良い条件で記録することは意義深いことですが、実際に楽器がこれからどんな状態で音楽を奏でていくのかは別の次元の話ですし、様々な状況が変化する中で、良い音で響いていってくれるのかどうか、製作者としては心配とともに楽しみでもあります。

これからも、録音シリーズを続けていきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

もう5月なのですね、、早いです。
ミケにゃんも、この季節は過ごしやすくて好きみたいです。。

Commented by 西野 at 2018-05-06 02:37 x
突然のコメント失礼致します。
いつも楽しく拝見させて頂いております。
YouTubeのバイオリン製作で表板の年輪が詰まりすぎていないものをあえて使用されていると仰られていましたがどのような特性があるのでしょうか。
弦楽器の杢目は音に影響はないが、表板の年輪は詰まっている方がいい音がする!というのが定説であるのかと思っておりましたので目からウロコがおちました。
企業秘密な部分などもあるとは承知しておりますがお答えいただけると嬉しいです。
宜しくお願い致します。
Commented by violino45 at 2018-05-08 19:12
西野さん、こんにちは。
菊田です、コメントをありがとうございました。
ブログの不具合で、通常モードでコメントすることができず、お返事が遅くなり失礼しました。
ログインしてのコメントでは名前が表示されませんが、、本人です^^。

さて、年輪と音の関係については、いろいろな要素が絡んできますので、明確には説明が難しいのですが、特に秘密はありませんです^^!

年輪の茶色い部分(いわゆる冬目)は、固くて重いので、その部分が太い木材は重い傾向があって、ヴァイオリンの材料としては使いづらい面があるのですが、それでも、全体の質が良ければ、良い音で響きます。

一方、冬目が細い材料は、軽めの傾向があり、また、見た目も軽快な感じで、一般的にヴァイオリンの材料として好まれます。
ここで、話題の、年輪がどの程度詰まっていれば良いかという話になるのですが、例えば年輪が極端に少ない(年輪が詰まっていない)木材は、とても軽いですが、強度が低く、強い音を出しづらい楽器となります。

逆に、年輪が極端に多い木材は、強度が高くて強い音を出しやすいですが、重くなりすぎると、響きが足りなくなります。

ただ、例外も多く、私の実感としては、年輪の詰まり具合と木材の音響特性、つまり音の良さとはあまり強い関係はないのではないかと思っております。

私が、年輪が詰まり過ぎていない木材を好む理由としては、年輪が通常の幅かそれ以上の幅の木材のほうが選択肢が多く、結果的に、音響的に優れた材料を仕入れやすいことがあります。
年輪が詰まった材料は、その分、樹齢が高い木材ですので、年々貴重になってきておりまして、選択肢が少ないのです。

あとは、見た目についての好みの部分も大きいですし、茶色い部分以外の柔らかい部分が多い材料のほうが、ヴァイオリンの低音域を作る上で、製作しやすいという経験則もあって、そのようにしています。

ただ、最優先しているのは、木材そのものの質であることには変わりありませんし、その木材に合った膨らみや厚みを決めることがとても重要と思っております。

明確にお答えできず、申し訳ありません。
ご参考になれば、幸いです。
Commented by 西野 at 2018-05-09 06:39 x
お答え頂きありがとうございます。
木材の音響特性を外見だけで判断するのは難しいのですね。
様々な条件で楽器の音が構成されていると思うと感慨深いです。
Commented by 菊田 at 2018-05-09 15:40 x
西野さん、こんにちは。
いえいえ、少しでもご参考にしていただければ幸いです。
音の良い木材を100%的確に選ぶことができれば、製作者としてはかなりのアドバンテージなのですが、現実にはそれは難しくて、皆、失敗を繰り返して学んでいく感じです。
その失敗の典型が、年輪による判断だったりもします^^。
その失敗の中から、製作者それぞれ、木材の外見で音響特性を判断するノウハウを身に着けていきます。
そのノウハウを言葉にすることは非常に難しいのですが、私の場合、パッと見て、キラキラしている木材を選ぶことが多いです。
根拠も理由づけも難しいのですが、、、^^。
Commented by parnassus at 2018-05-17 21:25
4種類目のガルネリモデル、たいへん興味をもって、型づくりからホワイト、と拝読しました。
ニスまで仕上がった今回の画像で、なるほど細身のモデルがよく感じられました。ワイルドではないF字がまたなんともいえない角度で切り込まれて、繊細に繊細を重ねるような原作だと思いましたが、菊田師匠流に見事にまとめられ新たな美しい造形が生まれましたね。
試奏動画からは、すでに十分鳴っていて、どんな風に成長するかも興味深い印象を持ちました。
お忙しい中での帰国、急に夏日の日本だったりしますが、どうぞご自愛くださいませ。
*たにつち*
Commented by 菊田 at 2018-05-17 22:30 x
たにつちさん、こんにちは。
ガルネリモデルへのご感想をありがとうございました。
カノン砲のような大胆な造形の、ガルネリの特徴が全面に出ているモデルも、その雰囲気をコピーするのは難しいですが、今回のフーベルマンは、ワイルドさと繊細さの絶妙なバランスの上で成り立っているような造形で、取り組み甲斐のあるヴァイオリンでした。

また機会があったら、挑戦してみたい楽器の一つとなりました。
カノン砲も、三台目を製作したいと思っているのですが、なかなか機会が訪れないのです。。。

日本は5月とは思えない、夏の気候ですね。
倒れないように、展示会頑張りたいと思っております^^。
名前
URL
削除用パスワード

菊田ヴァイオリン工房 ブログ


by violino45

プロフィールを見る
画像一覧

最新のコメント

junjunさん、こんに..
by 菊田 at 13:08
りんめいママさん、こんに..
by 菊田 at 06:28
菊田さん、こんにちは。 ..
by junjun at 06:22
メールを出した後にブログ..
by りんめいママ at 19:17
たにつちさん、こんにちは..
by 菊田 at 15:35
いいですねえ!こんなご自..
by parnassus at 00:16
Junjunさん、こんに..
by 菊田 at 15:41
菊田さん、お誕生日おめで..
by Junjun at 08:16
たにつちさん、こんにちは..
by 菊田 at 07:37
遅くなりましたが、拝読い..
by parnassus at 22:34
Junjunさん、こんに..
by 菊田 at 02:23
菊田さん、こんにちは。 ..
by Junjun at 07:20
Junjunさん、こんに..
by 菊田 at 19:48
菊田さん、 山本さ..
by Junjun at 10:26
Junjunさん、こんに..
by 菊田 at 20:57
菊田さん、こんにちは。 ..
by junjun at 07:17
Junjunさん、こんに..
by 菊田 at 19:34
菊田さん、ストラド製作ア..
by junjun at 06:12
Junjunさん、こんに..
by 菊田 at 19:09
菊田さん、こんにちは。 ..
by junjun at 06:55

カテゴリ

全体
製作記
日記
お知らせ
猫ネタ
動画

以前の記事

2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月

検索

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧