ストラドモデル開始 と クックロビン
クレモナに戻って二週間ほど経ちますが、未だに時差ボケが抜けきらない感じです。
ブログを開始した2005年の頃は、一週間もかからずに普段の生活に戻れていたような気がするのですが、、、
とりあえず、気のせいと思うことにして、ブログを再開いたします。
クレモナに戻って早々、次のヴァイオリンの製作を開始しております。
今回も、ストラディバリ、1705年モデルです。
横板の、Cの部分を貼り付けて、カンナで高さを揃えているところです。
ヴァイオリン製作の中では、比較的地味な作業となりますが、、
曲がっているものにカンナをかけるのは意外と大変で、気を付けないと、削り過ぎてやり直しという事態にもなるので、慎重に作業します。
ちょっとスキップしてしまいますが、裏板の荒削りです。
体力を使う仕事なので、時差ボケの身には堪えますが、寒い時期には、体が温まっていい感じです。
そして、ミニカンナでのアーチの削りです。
低い照明での影を見ながら、バランスの取れたアーチを作り出していきます。
見た目の美しさに気を取られますが、カーブによって、音の出方が変わってきますので、木材の性質を見極めながらの作業になります。
さて、最近、真冬にもかかわらず、ベランダに野鳥が飛んできまして、どうやら、餌を探しているように見えたので、植木鉢の皿に鳥の餌を入れておいたら、毎日、ご飯を食べにくるようになりました。
でも、すごく用心深くて、写真を撮ろうとすると逃げてしまうので、無人カメラを設置して、動画を撮影してみました。
後で確認したら、見事に写っていましたので、ご覧下さいませ。
野鳥にはまったく詳しくない菊田家ですが、胸が綺麗なオレンジ色という特徴を頼りに、ネットで調べたら、どうやら、「ヨーロッパ・コマドリ」という種類らしいことが分かりました。
英語では、「ロビン」というそうで、もっと調べたら、マザーグースの歌で有名な「誰がクックロビンを殺したか?」の「ロビン」のようです。
たまたまベランダにご飯を食べに来てくれた野鳥が、そんな由緒正しい有名人(鳥)だったということで、ビックリでしたが、その後もロビン様は毎日食事に来ております。
ミケにゃんは、野鳥が来ても、まったく関心が無いようで、熟睡しております。
by violino45 | 2017-12-19 06:45 | 製作記 | Comments(4)
クレモナに戻られ、製作開始されたご様子。今はもうクリスマス一式な街なんでしょうか?ブログアップ有難うございます。
Cのカーブ、とても興味深く拝見致しました。最近、Cのカーブの差が、ストラドモデルでも、年代が違うと差がでる、、らしい、、と言う事に、気がつき、目にする機会がありました。
楽器の奥深さを知るチャンスに恵まれ、今迄には目がいかない細部に気がつくようになりました。これも、菊田さんブログで、こうして製作過程をアップしてくださるからです。
楽器に対しての、想いの振れ幅を広げてくださいまして、感謝いたします。
ロビンさんの、動画!!
凄いです!ベランダと背景も美しく
また、鳥さんの配色と空気感が 素敵でした。
それと対照的に、ミケニャンの
我が道をいく、、まったりさ、、、
安心感ありますね。。😃
気がつけば、あと二週間で今年も終わりです。東京は、今年はなんだか寒いです。
クレモナでも寒さが一段と厳しくなると存じますが、呉々も お身体ご自愛くださいませ。
コメントありがとうございました。
クレモナは、電飾が点いて、クリスマスの雰囲気ではありますが、街はいつもどおり静かです。。
Cのカーブ、注目いただけて嬉しいです^^。
ストラドモデルでも、アマティ工房での修業時代を経て独立、そして黄金期、晩年と、少しずつ全体のシルエットが変化しておりまして、もちろん、Cの部分だけを取っても、かなりの差があります。
製作家同士では、こういう部分をマニアックに語ることが多いのですが、、junjunさんも、既にその世界に近いところにいらっしゃいますね^^。
私の好みでは、というかラザーリ師匠の好みなのですが、黄金期に入る直前の、1703年~1705年頃のシルエットが好きで、その頃のモデルを良く使っております。
どこが良いのかと聞かれると、難しいのですが、、Cの部分が、黄金期よりも少しくびれておりまして、全体的にも少しだけ丸い印象です。
私はめったに黄金期のモデルは製作しないのですが、明さんは黄金期の代表作の1715クレモネーゼで製作されることが多いので、ぜひ機会がありましたら見比べてみてくださいね。
ロビン様の動画もご覧いただきありがとうございます。
毎日来る野鳥の、胸のオレンジ色がかわいくて、アップで見たくなって、固定カメラ(アクションカム)を置いてみました。
仕事の撮影に活かせないかと思って、アクションカムを導入したのですが、野鳥撮影にはまりそうです^^。
クレモナは連日氷点下ですが、東京も寒いのですね、、
乾燥もする季節ですね、お風邪など召しませんように、お気をつけて。
ツグミちゃんも可愛いですよね。
今回、ロビン君を綺麗に撮影できたので、野鳥撮影を趣味とする方の気持ちが少し分かった気がします。。
私自身も、実は、生まれ変われるのなら、菊田家の飼い猫が良いと思っていましたので、来世は飼い猫同士でよろしくお願いいたします^^。