弦楽器フェア出品ヴァイオリン、動画と写真でご紹介
弦楽器フェア、いよいよ今週末の開催となりました。
会場にてお目にかかれますのを楽しみにしております。
先日、新作ヴァイオリンをご紹介しましたが、もう1台、展示させていただくヴァイオリンが完成しております。
いつものように、輪野光星さんに試奏いただきましたので、動画にてご覧下さいませ。
今回、録音の方式を変更しました。
記事の最後に説明しておりますので、マニアックな内容ではありますが、ご興味がございましたら、ご覧くださいませ。
輪野さんの試奏動画はこちらです。
バッハの、無伴奏パルティータ2番から、冒頭部分です。
今回も、完成して弦を張ってすぐの状態の楽器での録音となりました。
楽器本来の実力を発揮できているかどうか分からないのですが、生まれたての音色は、その時にしか聴くことができませんので、ホワイトヴァイオリンの写真と同様、記録に残しておくことで、将来的に意義があるのではと思っております。
輪野さんには、いつも、私の録音にコラボしていただき、感謝しております。
いつも、二人で、録音手法についていろいろ相談しながら進めております。
では、新作ヴァイオリンを、写真にてご紹介いたします。
今回も、ストラディバリ、1705年モデルで製作しました。
裏板をホワイトでご紹介した時、少し変化のあるトラ杢と申し上げたのですが、ニスを塗りましたら、かなり変化のあるトラ杢となりました。
こういう、途中で裏返ったようなトラ杢のカエデは、私が好んで使うことが多いです。
光に当てて動かすと、キラキラと複雑に模様が変化して、美しいです。
エフと、表板のコーナー部分です。
アマティ的な柔らかさを持ったエフと、コーナー部分の対比、バランスはいつも悩みながら仕上げるところです。
裏板の、コーナー部分です。
クッキリしていながら、柔らかくて優美なストラドの特徴を再現したいと思っているのですが、、。
ウズマキは、最近使っている、ストラドの黄金期のコピーモデルです。
やっと、少し慣れてきて、このモデルの特徴が掴めてきた気がします。
正面から。
そして、斜めからの造形です。
この楽器は、弦楽器フェアにて展示させていただきます。
ガラスケースの中での展示となりますが、菊田にお声をかけていただければ、試奏もできますので、この機会にお試しくださいませ。
さて、冒頭でお知らせしましたとおり、今回は、録音方法を変更しました。
まず、マイクロフォンを、変えてみました。
少し珍しい機種なのですが、ロシアのOktava(オクターヴァ)というメーカーで、歴史のある会社なのですが、あまり放送、録音業界では一般的ではないメーカーです。
でも、弦楽器には相性が良いという評判でしたので、以前から試してみたいと思っていたマイクです。
Tulaという町で作られているようですね。
知らなかった町ですが、地図で見たら、モスクワの南、160キロくらいにある町のようです。
今回の大きな変更点としては、このマイクを2本使って、ステレオで収録したことでした。
この2年間くらい、楽器の音をできるだけクリアに収音して、楽器の音そのものを忠実に記録することを目的にしてきましたが、そのためには、マイク1本でのモノラル収録が最適と判断して、実行してきました。
いろいろなマイクを試しながら、この方向性で収録してきたのですが、その目的は維持しつつ、もう少し聴きやすい音で視聴していただける方法もあるのではないかと思い、輪野さんともいろいろ相談して、今回、ステレオでの収音を試してみました。
ヘッドホンで聴いていただければ分かりますが、前回の動画に比べて、左右方向の広がりがある録音になっております。
今回、試してみた結果、楽器の音を忠実に記録するという目的を妨げることなく、音楽的にも聴きやすい収録ができるという判断ができましたので、今後は、この方向性での録音をいろいろ試してみたいと思っております。
マニアックな話で失礼しました。
クレモナもだいぶ寒くなりました。
ミケにゃん、猫用のホットカーペット?がお気に入りのようです。
by violino45 | 2017-10-29 03:12 | 動画 | Comments(2)
新しいバイオリンのアップ、有難うございます。
裏板の模様、凄いビックリしました。
光にあたりキラキラする、、想像すると
ドキドキワクワクします。
実際、今週末に拝見させて頂けるとのこと
ケース越しに その姿を楽しみにしています。
輪野光星さん、さすが、素敵な演奏です。
録音方法を変えられたとの事ですが、
前回の音と比べてみると、前回は演奏してる人に
近くで聴いている感じ。
同じ部屋にいながら聴いている感じ。
今回は、少し響く部屋で、距離をとって聴いている感じ がしました。
録音の違いで差を感じたのか否かはわかりませんが、バイオリンの音は、こちらの方が まろやかな優しい音に感じました。
しかし、元気でハリのある 音もあり
多分、この感じが 弦をはりたての時に
響く いわゆるこの時にしか聴けない響きなのかもしれないなと、、菊田さんの説明を読みながら感じた次第です。( わー。またまた生意気な意見
すいません )
10月もあと、二日。
ついに、今週末は弦楽器フェアですね。
出発前の忙しい中、アップ有難うございます。
呉々も お身体ご自愛ください。
ミケニャン、ホットカーペット
絵になりますね!
日本は、また少し暖かさが戻ってきました。
コメントをありがとうございました。
ちょうど日本への移動中で、お返事が遅くなり失礼しました。
台風を追いかける感じのタイミングでのフライトでしたが、22号が逃げ切ってくれたので、台風一過の中、無事に着陸できました。
動画へのご感想をありがとうございます。
率直なご意見が、とても参考になりますので、大変感謝しております。
そうですね、本来は、楽器の音を比較するためには、同じ条件で録音すべきなのですが、一年で録音できる機会、回数が限られているので、いろいろ試しながらの収録になってしまって、逆に、楽器の音が良く分からない動画シリーズになってしまって、申し訳なく思っております。
でも、純粋な比較はできませんが、楽器の音をそのまま記録するという意味では、毎回、意図通りの録音ができておりますので、今回、Junjunさんが感じた楽器の音の印象は、私がお伝えしたかった音そのままだと想像しております。
新作の完成したばかりの楽器は、ニスが乾いておりませんし、各部も馴染んでいないので、調整を追い込んでもすぐに状態が変わってしまうので、あまり意味がないのです。
なので、定番というか、標準の調整だけをして、元気に鳴ってくれればそれで良しとして、その状態で録音をしています。
もちろん、その後、ニスが乾いてきた状態で、再調整をして、お客様にはお届けしますので、そういう意味でも、生まれたての楽器の音としては、この録音の時だけにしか聴けない音もあるという感じです。
いよいよ今週末、フェアにてお目にかかれますのを楽しみにしております。
体調を崩さないように、気を付けて臨みたいと思っております。