アマティモデルの製作
早いもので、一月も半分過ぎてしまいました。
クレモナは、朝晩は氷点下になる寒い毎日が続いております。
昨年末から製作しておりますヴァイオリンを、久しぶりに製作記として少しご紹介させていただきます。
お客様のリクエストで、アマティモデルにて製作しております。
この、1666年のアマティモデルで製作するのは、2009年、2014年に続いて3台目となります。
ストラドモデルよりも、少し小ぶりの楽器になります。
裏板の荒削りです。
今回、アマティモデルとしては初めて、1枚板での製作となりました。
この作業、夏場は汗だくになりますが、この季節は体が温まる感じでちょうど良いです。
ひたすら余分な木材を削り取るだけの作業に見えますが、この時点から、完成のアーチを明確にイメージしていくことが大切なポイントになります。
ミニカンナでのアーチの成形です。
少し特徴のある虎杢の裏板です。
ニスを塗ったらどんな感じになるか、楽しみです。
スクレーパーで整えて、ほぼアーチの完成です。
アーチのふくらみ具合によって、音の傾向が変わってきますが、材料との関係も大きいので、機械的に整えれば良いというものではないのが難しいところです。
これは、ウズマキの一周目をノコギリで切り出しているところです。
このノコギリ、某ノコギリメーカーさんが試作されたものなのですが、その際、ご意見させていただいたご縁で、使わせていただくことになりました。(銘入りです^^)
ウズマキのように、縦横ななめ、どの方向から切っても切れ味が変わらないというのが試作のポイントだったようですが、試用してみて、その性能を実感できるものでした。
この作業は、もちろん、荒削りの第一段階なので、ノコギリの切れ味がそのまま仕上がりに影響するというものではないのですが、この作業がスムーズに行くかどうかで、その後の仕事への勢いが変わってきますので、私としてはとても重要に位置付けている部分です。
私が普段使用している現行の製品でも、十分な切れ味だと思うのですが、さらに改良を重ねて、より良い製品を生み出していく姿は、楽器製作者として見習いたいと思いました。
これからも、主にダイジェストになってしまいますが、製作記も少しずつご紹介できればと思っております。
今後とも、よろしくお願いいたします。
by violino45 | 2016-01-16 16:03 | 製作記 | Comments(3)
アマティモデルの製作アップ、有難うございます。
裏板、一枚板が 荒削りから仕上がっていく姿は、
本当に美しいです。
いつも思うのですが、ライトの色?当て方?
木の暖かさが、伝わりやすい雰囲気で、とても
素敵です。また、今後どんな楽器になっていくか
楽しみです。(⌒▽⌒)
菊田さんの名前が入ったノコギリ、凄いです!
お洒落にも 見えたり、、、(^ ^)
道具を大切に扱う事も、仕事を大切に考えるには必要な事なんだと、改めて感じます。私も見習っていきたいと思いました。
クレモナでは寒さも本格的のようですね。
日本でも大寒近くなると、やはり寒く感じます。
風邪などひかれませんよう
呉々も、お身体御自愛ください。
久しぶりの製作記をご覧いただき、ありがとうございます^^。
以前のようにこまめにアップするのは難しい状況ではありますが、節目節目で製作の過程をご紹介できればと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
写真についてのご感想もありがとうございます。
木材は、光の当て方で質感が違って見えますので、楽器の写真撮影はいつも悩むところですが、以前の仕事^^の経験が役に立っていると感じる部分ではあります。。
名前入りのノコギリ、オシャレですよね。
道具を大切にすることは、やはり、どんな仕事でも重要なことだと、私も再確認する今日この頃です。
良い道具を作ってくれる人がいて、その道具を使わせていただくことではじめて、良い楽器を製作できることを忘れないようにしたいと思います。
クレモナは、寒さが続いておりますが、日照時間が日に日に延びてくるのを感じると、春が少しずつ近付いてきているのを実感します。
日本も、しばらくは寒い日が続きそうですね。
お風邪などにはお気をつけてお過ごしくださいませ。