完成したチェロのご紹介と、演奏動画

10年前に製作学校にてマルキ先生とホワイトで完成させたチェロを、以前、こちらの記事でご紹介しましたが、ようやく仕上がりましたので、ご紹介させていただきます。
後半には、演奏の動画もございますので、ご覧いただければ幸いです。

この写真は、10年前当時のマルキ先生と私です。
毎日、厳しくご指導いただいた日々を、懐かしく思い出します。
d0047461_1245884.jpg

今回、10年ぶりに完成したチェロを、マルキ先生にご覧いただきました。
先生は10年前と変わらないですね。。   私は、、、?
d0047461_1285694.jpg

ニスを塗った楽器を見て、とても喜んでいただきました。
d0047461_12105918.jpg

でも、部品の取り付けや、音の調整に関しては、学校時代とまったく同じく、厳しくダメ出しをいただきましたが、それは私にとって、とても嬉しい時間であったことは言うまでもありません。
d0047461_1213831.jpg

もちろん、ラザーリ師匠にも見ていただきました。
ニスに関しては、ラザーリ師匠に習った技術がそのまま活かされていますので、その仕上がりには喜んでいただけて、ホッとしました。
いつか機会があれば、ラザーリ師匠に習いながら新作チェロを製作してみたいと、夢を描いています。
d0047461_1218689.jpg

この、クレモナでの2人の師匠に習った技術が融合したチェロを、写真にてご紹介させていただきます。

表板の右上の、節を修理して木片を貼った部分は、ニスを塗ったらさらに目立つようになりました。
d0047461_12311572.jpg

裏板のトラ杢は、下塗りでもう少し目立たせることができたかもしれませんが、自然な仕上がりを目指してニス塗りをしました。
d0047461_12341345.jpg

d0047461_12355931.jpg

エフは、マルキ先生のスタイルが良く現れている部分です。
d0047461_12351393.jpg

d0047461_12361816.jpg

ウズマキは、高橋明さんの師匠である、サンドロ・アジナーリ先生の授業で製作しましたので、高橋さんのチェロと並べると、ウズマキは良く似ています。。
d0047461_12381948.jpg

d0047461_12384616.jpg

d0047461_12392598.jpg

チェロ独特の、ウズマキとネック部分のつなぎ目は、初めての経験で苦労しました。
d0047461_12413623.jpg

d0047461_1242697.jpg

ネックの仕込み部分も、なかなか上手く行かず、半泣きで作業したことを思い出します。
d0047461_12434753.jpg

今回、初めてチェロのニス塗りを体験して、まだまだ勉強すべきことが多いことを痛感しましたが、でも、10年の時を経てからニスを塗ったことで、なかなか興味深い、貴重な楽器が完成したような気がしています。
d0047461_12472375.jpg

以前、こちらの記事でご紹介しましたとおり、弦楽器フェアと松山での演奏会にてお披露目させていただきますので、この機会にご覧いただけましたら嬉しいです。
d0047461_12542735.jpg

さて、冒頭でお知らせしたとおり、このチェロの音を少しだけでも聴いていただければと思い、製作学校の生徒さんでチェロを弾ける方にお願いして、動画を撮影しました。
演奏を引き受けてくださったのは、クレモナの製作学校の二年生、池山有果(あるか)さんです。
普段は少し小さめのチェロを弾かれているそうで、特にこのチェロのネックは少し太いので、慣れない楽器での演奏はかなり大変だったと思いますが、しっかりした音を引き出していただき、感謝しています。
d0047461_1315662.jpg

曲目は、バッハの無伴奏チェロ組曲第一番の冒頭、1分半程度を抜粋して演奏いただきました。

いかがでしたでしょうか?
私はチェロを弾けないので、このチェロが音楽を奏でたのは、この演奏が初めての瞬間で、私には、まさしく産声のような音色に聞こえました。

さて、高橋明さんが製作して、6月のミッテンバルトのコンクールにて11位を獲得したチェロも演奏いただきましたので、この機会にぜひお聴きくださいませ。
(このチェロは、残念ながら日本でのお披露目はございません)
d0047461_13151778.jpg


池山さん、素敵な演奏をありがとうございました。

この動画の撮影には、製作学校の生徒さん達が見学に来られていました。
d0047461_13242355.jpg

撮影終了後も、新作バイオリンの音を聴きながら、お互いに意見交換もしました。
d0047461_13272490.jpg

将来、私や高橋さんのライバルとなっていく学生さんたちの意気込みを感じながら、私自身も初心に帰ることができた貴重な時間でした。
みなさん、頑張ってくださいね。 私も、まだまだ負けませんよ~^^。
d0047461_13315395.jpg

最後に、明さんとのチェロ記念撮影です。
明さんのチェロも、10年ほど前にサンドロ・アジナーリ師匠とともにホワイトで完成させたままだったのですが、同じく今年、10年ぶりに仕上げたのでした。
なので、今年はお互いにチェロに悩み、試行錯誤を重ねた一年になったのでした。
d0047461_6185627.jpg

長文におつきあいいただき、ありがとうございました。

by violino45 | 2014-10-20 13:37 | 製作記 | Comments(8)

Commented by Junjun at 2014-10-21 07:05 x
菊田さん、こんにちは。
学生時代からの二人の先生に楽器を見てもらうなんて、羨ましい経験ですね!そして、最後の製作学校の学生さんとの写真。教育、技術、知識など、受け継がれていく
光景が、凄く素晴らしいと感じました。
人間と比べると、10倍以上かけて 産まれてきた、お二人のチェロの音、元気な声として聞かせて頂きました。ありがとうございます。そして11月には演奏会デビュー、ご成功 心よりお祈りいたします。
高橋さんとのお写真、とても素敵な写真ですね!また、もうすぐ日本ですね。お気をつけていらしてください!
フェアでお目にかかれること、楽しみにしています。
Commented by セロ弾き at 2014-10-21 11:25 x
動画拝見しました!すばらしい産声ですね!
見ていて、すぐそこにあるのに手に取れないもどかしさ、みたいなのをなんだか感じてしまいました。いつの日か、大阪でも展示を!(笑)
ところで、とてもつかぬことをおたずねします。写真の中でエフから垂れている紐が見えるのですがなにでしょうか?気になってしまって。
弦はスピロコアとラーセンの組み合わせを選択されたんですね。流行りかもしれないですが、そこだけは自分の楽器と同じなので少しうれしいです。
まもなくご帰国ですね。お気をつけて。
Commented by 菊田 at 2014-10-21 16:28 x
Junjunさん、こんにちは。

そうですね、特にマルキ先生にお会いする時は緊張でした(大汗)。
10年前にホワイトで完成した時、「このまま学校に置いておけ」と言われたのですが、私が無理を言って買い取らせていただいたので、下手な仕上げでは申し訳ないというプレッシャーもありました。
でも、今回も、最後に「お前が手放すのなら、私が買い取るぞ」と冗談交じりに言われたので、ほっとすると同時にとても嬉しかったです。

若い生徒さんたちにも、少しでも伝わるものがあれば良かったです。
普段は、なかなか余裕がなくて、こうした機会が持てないのですが、これからは時々、交流する場を持ちたいとあらためて思いました。

この二つのチェロは、どちらも、10年間、蛹の時期を経過したことで、貴重な楽器ではあると思います。
しかも、同じ年にニスを塗ったのは、まったくの偶然だったので、記念写真を撮る時は、感慨深い思いでした。

こちらこそ、フェアでお目にかかれますのを楽しみにしております。
チェロも、弾いてみてくださいね^^。
Commented by 菊田 at 2014-10-21 17:12 x
セロ弾きさん、御覧いただきありがとうございました。
私も、ぜひ御試奏いただければ嬉しいのですが、今回は残念です。
いつか、その機会がありますことを、楽しみにしております。

あ、エフから垂れている紐ですが、、^^、魂柱に結んであります。
魂柱を調整する時に、何度も長さを削りながら合わせるのですが、バイオリンの場合、楽器をひっくり返して魂柱をエフから落とすことができるのですが、チェロでは大きすぎて大変なので、紐を結んでおけば、エフから引っ張り上げることができるというわけです。

楽器が完成すれば、この紐はもう不要なのですが、念のため、残してある状態で記念撮影してしまったというわけです。

弦は、ラザーリ師匠に見せた段階ではAだけラーセン・ソロでしたが、その後、マルキさんの時にはAとDがラーセン・ソロ、今回の試奏の時には、Dをエヴァに変更しました。
ちなみに、Cはスピロコア・ヴォルフラム、Gはスピロコア・クロムです。
弦の組み合わせによって、楽器の性格も変わり、興味深いですよね。
Commented by セロ弾き at 2014-10-22 11:01 x
素人の質問に丁寧にお答えいただきありがとうございました。魂柱の調整というとS字の道具で刺しているイメージしかなくて大変失礼しました。
弦は、昔に比べたらメーカーも多くなって選択肢がとても広くなり、材質、音質、音量などが様々で、簡単に試すわけにもいかず迷ってしまいます。
最終的には奏者の趣味かもしれませんが、製作者の方がご自分の楽器にどの弦をはって送り出されるのか、けっこう悩ましいことなのかな、と想像しております。
Commented by 菊田 at 2014-10-22 12:08 x
セロ弾きさん、いえいえ、基本はおっしゃる通り、S字の魂柱立てで刺しての作業なのですが、倒れた魂柱をエフ孔から取り出す方法は、製作家ごとにいろいろ工夫があって、この紐を使う方法も、私自身も明さんに教えてもらったことなのでした。

弦は、本当に悩ましいですね^^。。。
チェロ弦は、高価ですし、、、、。

今回も、弦を交換して試すたびに、財布が軽くなっていきましたが;_;、良い経験になりました。

定番の組み合わせは、やはりそれなりの効果があると思うのですが、楽器によって、相性があるのでしょうし、万能ではないのでしょうね。
でも、経験の無い私にとっては、やはり定番は心強い存在でした^^。
Commented by 岡村 at 2014-10-23 16:32 x
菊田さん こんにちは。 素晴らしいチェロの音色ですね♬🎶♫
若い日本の製作者の方が、こんなたくさんいるんですね。
なんだか 本当に楽しそうな雰囲気ですね!
Commented by 菊田 at 2014-10-24 03:59 x
岡村さん、こんにちは、ありがとうございます。
はい、製作学校の学生さんは、このほかにもたくさんいらっしゃいます。私自身は製作学校を卒業して10年になりまして、若い方との交流は少なくなって、この日も、初めてお話する人もいました。
普段は時間が無くて、なかなかこうした交流の場は持てないのですが、やはり、意見交換などをするのは楽しいことで、刺激も多いですので、今後は、時間を見つけて、こうした機会を持っていければと思っております。
名前
URL
削除用パスワード