大久保さんの展示会のお知らせ。
4月7日の日曜日、私の友人のバイオリン製作家、大久保 治さんが展示会を開催しますので、お知らせいたします。
と言っても、大久保さんの個展というわけではなく、大久保さんが運営しているバイオリン製作教室の生徒さん達が完成させた力作のバイオリンを25台、一堂に展示するという企画です。
大久保さん本人の作品も7台展示されるそうで、分数楽器もあるそうです。
以下、ご本人のブログの告知文をそのままご紹介いたします。
2013年 4月7日(日曜)
午後2時~4時
ルネ小平 レセプションホール(地下) 入場無料
西武新宿線「小平駅」南口下車徒歩2分 (駅前に立ちますと真正面に見えています)
当製作教室にて完成した生徒さんのヴァイオリンを20~25本展示予定。
私 大久保治製作の楽器(分数楽器含む)も7本展示予定。
ほとんどの楽器が演奏出来ます。
2時間しかありませんが、これらの楽器を使ったプロヴァイオリニストによる
ミニコンサート(ピアノ伴奏つき)が後半にございます。
どうぞ散歩がてらお寄りください。
2時間限定とのことですので、お時間等、ご注意くださいませ。
私自身、以前、大久保ヴァイオリン製作教室の生徒さん達の作品試奏会に参加させていただく機会があったのですが、作品の完成度の高さには驚きました。
試奏会には、私のバイオリンも飛び入りで参加したのですが、鳴りの良いバイオリンばかりで、負けそうでした。
今回の展示会では、プロの演奏者による試奏コンサートもあるそうで、きっと、良い楽器の音色を楽しんでいただけると思います。
また、バイオリン製作にご興味がある方、一度作ってみたいと思っていらっしゃる方は、ぜひこの機会に大久保さんや生徒さん達とお話をされてみてはいかがでしょうか?
皆さん、優しい良い方ばかりなので、きっと、親切にいろいろ教えてくれると思いますよ。
以下、ちょっと思い出話です。
思えば、大久保さんと出会ってから17年が過ぎようとしています。
当時、35歳だった私は、バイオリン製作を志したものの、何から始めれば良いのか見当もつかず、途方に暮れていました。
で、とりあえず、職場に一番近いバイオリンショップ、マリオルッチに行ったのですが、その時に出迎えてくれたのが、大久保さんと、当時の店長だった松原さんでした。
このお二人が、その後の私の人生にとって、とても大きな存在になることは、その時は想像もしていませんでした。(松原さんについては、別の機会にまた詳しくご紹介しますね)
当時の私は、バイオリンを触ったこともなかったので、バイオリンショップというものに入るのも初めてでしたし、弦楽器の世界というのはものすごく敷居の高いイメージを持っていたのですが、出迎えてくれたお二人は、とてもフレンドリーな雰囲気で、いきなり、「バイオリン製作を始めたい!」と言い出した私に対して、優しくいろいろと教えてくれたのでした。
思えば、偶然、予備知識が無い状態で飛び込んだお店が、弦楽器業界でも飛び抜けてフレンドリーなお店で、しかも、出迎えてくれたお二人が、穏やかで素晴らしい人間性を持った方だったということが、弦楽器製作を志したばかりの私にとって、最高に幸運なことだったのだと思います。
また、大久保さんは私より3歳年上ですが、当時、都内のバイオリン製作学校を卒業して数年というところで、お店で修理の仕事をしながらバイオリン製作の勉強を続けているとのことで、私にとって理想的な先輩として、いろいろなことを教わることができたのは、NHKの仕事をしながらバイオリン製作の勉強をしていた私にはとてもありがたい状況でした。
そしてなによりも、その飾らない真摯な人柄、真っ直ぐな心に触れたことで、バイオリン製作をする上で一番大切なものは何かを学ぶことができたのが、いまでも私にとって大切な宝物になっています。
その後、イタリアに渡るまでの5年間は、大久保さんが私の家の近くに引っ越してこられたこともあり、しょっちゅうお宅にお邪魔しては、いろいろなことを語り合ったものでした。
大久保さんも、マリオルッチから独立して、製作家としての道を模索していた頃ですし(まだ製作教室は開いていませんでした)、私も、このままNHKで仕事をしながら製作を勉強していくのか、辞めて独立するのか、ほんとうにこの道で生きて行けるのか? 漠然とした不安をかかえながらも、でも、あきらめなければ、なんとかなるのではないかと、夜中までお茶を飲みながら語りあったものでした(二人ともお酒が飲めないので)。
といいつつ、実際のところは、バイオリンの話よりも、共通の趣味のアコースティック・ギターのこととか、猫ちゃんのこととか、楽しい話で時間を忘れていたことの方が多い気がします。
当時の写真です。(大久保さんのブログから拝借しました)
大久保さんご夫妻と、私達夫婦と、この4人で過ごした時間は、今でもかけがえのない想い出になっています。
2001年に私がイタリアに留学してからは、文字どおり遠距離なお付き合いになりましたが、でも、その関係はまったく変わることなく現在に続いています。
年に1~2回の帰国の時には、かならず工房にお邪魔していますし、お茶の水のギターショップを巡るツアーは、どれだけ忙しくても欠かせない大切な儀式?になっています。
↓この写真は、昨年の11月のものですが、私が持っているバイオリンは、私が大久保さんにお願いして製作していただいた、「ガルネリ・デル・ジェズ」モデルです。
以前から、大久保さんが製作するアンティーク仕上げのバイオリンの雰囲気が好きで、いつかは欲しいなと思っていたのですが、数年前に思い切ってお願いしたのでした。
期待通りに良い雰囲気の楽器で、音も良くて気に入っています。
大久保さんのブログにて、この楽器の写真が紹介されています。
http://blogs.yahoo.co.jp/kingupuuu/23854604.html
とりとめもなく、失礼しました。
7日の展示会は、私自身、なんとしてでも行きたいところでしたが、帰国予定が合わず、断念しました。
お時間がありましたら、ぜひ、お立ち寄りくださいませ。
2年前の弦楽器フェアでの、大久保さんと、松原さんとの3ショットです。
この3人での写真は、あまり撮影する機会がない貴重な写真ですが、私にとって、二人の恩人とご一緒できるのはとても光栄なことなのです。
↑背後に、もう一人の恩人である、あの人が写ってますね。
また機会を見つけて、詳しくご紹介しますね。
長くなりましたが、、今日は復活祭なので、、オマケ写真を。
イタリアでは、復活祭にはこのハトの形をしたケーキ(コロンバ)が欠かせません。
今年も、お世話になっている方から、いただきました。
大きいアーモンドがちりばめられています。
紅茶とともに、いただきます。。
by violino45 | 2013-03-31 08:35 | お知らせ | Comments(11)
17年前のお話、ご紹介くださいまして有難うございます。
素敵な偶然が重なって、今があるのですね。
仕事の分野は違いますが、夢や目標を持ち、それに向って進むにはどうしたら良いか、、、色々な期待や不安も一杯だった頃の自分自身とも重ねて読ませて頂いたので、楽しそうなお写真と共にその内容は 私の心に染みました。
人と人との出会いは本当に素晴らしい財産だなーと感じます。
菊田さんのお人柄が、皆さんを引き寄せているんでしょうね。
また、お知り合いのご紹介のUPも楽しみにしています。
復活祭のハトさん。美味しそうですね。写真も素敵です。
今日は4月1日。新しい始まりの日って気持ちがします。昨日も寒かったので、桜もまだ頑張ってくれてます。
ではでは、呉々もお体ご自愛くださいませ!
いや~ 申し訳ないですぅ。 菊田さんのよな有名な方に 私のような無名の一般人の告知並びにエピソードなど紙面?をさいていただいて!
ほぼ100%の方がご存じない製作者の教室の小さな展示会ですが、
菊田さんにご紹介していただけるなんて あ~ あの時「マリオルッチ」で働いていてホントにラッキー!私にとっても全く同じなんですよ、菊田さんと松原さんに出会えたことがどれだけ幸運なことだったか 測り知れません。 出会ったころはほんのちょっと楽器製作で先輩でしたので
多分偉そうなことを言っていたと思いますが、 あれよあれよ あっという間に私のずっと先を行ってましたね。もうこちらが教わる事ばかりで
恥ずかしいですぅ・・・。
今回のこの記事、おしりが痒いんですが 私も当時の事を思い出して
幸福な気持ちになりました。ありがとうございます。
これからも菊田さんらしい楽器を作り続けてくださいね~。
そうですね~、junjunさんも同じ頃に、人生の岐路に立たれていたのでしたよね。
ほんとに、夢や目標、そして不安や焦りなどが入り交じった時期だからこそ、どんな人と出会うかで、その後の生き方に大きな影響が出てきますよね。
財産となる出会いがあって、それを大切に思い続けることができることは、やはりすごく幸福なことなのだと思います。
4月1日は、元旦と同じくらい、新しいスタートを感じますよね。
あの方の誕生日でもありますし。。
今年は、いろいろな大切な人(&モノ)をブログでご紹介していきたいと思っておりますので、お楽しみにです。。
いえいえ~、大久保さんは有名人ですので、私などが宣伝しなくてもたくさんのお客様が来られると思いますよ~。
あと、大久保さんが製作教室でたくさんの優秀な生徒さんを育てていらっしゃるという事実は、意外と知られていないと思うので、これを機会に紹介したいと思いました。
大久保さんの生徒さんたちは、皆、幸せだと思います。
これからも、アットホームな製作教室を続けていってくださいね~。
展示会、行きたかったですけれど、クレモナから応援しています。
5月には、お会いできるのを楽しみにしています。
菊田さん、5月、日本に来られるのですか?
お時間がございましたら、ぜひお立ち寄りいただければ嬉しいです。
5月は、池袋の展示会に参加させていただく予定です。
詳しくは、またブログにてご紹介させていただきますね。
菊田さんのおかげで 大盛況でした! 本当にありがとうございました。
菊田さんのブログを見て 来ました、と言う人 多かったんですよ~。
やっぱりこう言ったイベントは 必要ですね!楽しかったです。たぶん生徒さんもそうだと思います。
今度はプロの作家だけの展示会を と言う声もありましたが、それはちょっと難しいですね 今の所・・・。 菊田さんの楽器と同じ場所に並ぶのは夢なので とっておきます。 ではでは まずは 御礼申し上げます。
そうでしたか~、大盛況、なによりでした。
私もとても嬉しいです。
ブログでのご報告を拝見しましたが、良い雰囲気の展示会だったことが伝わってきました。
こうした発表の場が定期的にあることで、生徒さんのモチベーションも上がりますし、その結果、作品の質も上がっていって、良い循環になると思いますので、ぜひ、今後も続けていただければと思います。
私も、ぜひタイミングが合えば参加させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
終始和やかな空気でした。
大久保さんの楽器を拝見しました
製作年代が違うためか
同じ大久保さんなのに
全く違う製作者の楽器に見えたり…
生徒さんの楽器で、完成度の高いもののあったり
なかなか楽しい会でした
願わくば、試奏スぺースがもう少しあれば…と思いました
生徒さんは、鎌田さんに楽器を弾いてもらい
納得した人、更に頑張ろうと思った人
色々居られたのだろうなぁと思います
大久保様、関係者の皆様 お疲れ様でした
展示会にお越しいただき、また、ご感想をいただきありがとうございました。
和やかな、そして楽しい会だったとのことで、なによりでした。
第一回でしたので、次回に向けて、試奏スペースのことなども改善されていくことを期待しています。
私がアマチュアだった頃のことを思い出すと、このような、プロの演奏家に弾いていただける機会というのは、すごく緊張しますが、ほんとうに嬉しく、励みになることだと思います。
ぜひ、続けていって欲しいですね。
温かいコメントをありがとうございました。
展示会ご来場ありがとうございました。
私の楽器もご覧くださりありがとうございます。 流石鋭いですね!(汗)
10年以上前の楽器も出してしまったんで(アマティーモデル) 自分でも作風の違いを感じております。 それから試奏スペースですが、私も
セッティング後せまいな~と感じたんですが 机の間を離すと 楽器の落下を心配する人もいるかも?と思ってそのまま机をつなげてしまいました。次は1テーブルに3本にします。ありがたいコメントありがとうございます。 今回それぞれ 作者が演奏者に自分の作品を手渡す段取りにしたんですが みなさん自分の子をあずけるように していたのを見てちょっと感動しました。 どういう気持ちでわが子?の声を聴いていたのか 他の人には分からない気持ちかもしれません。
来月は研究会会場でお会いできるかも知れませんね!
今後ともよろしくお願いいたします。