ビオラ製作記 ニス その後

日本のバイオリン展示会参加と、チェコのコンクール参加であわただしい状況でしたが、ビオラは着々と色が付いてきています。
完成時にはもう少し、濃くなると思います。
この時点で、すでに30回以上塗り重ねています。
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でも、ただ塗り重ねるだけではなくて、途中で何度も色むらを取るためにリタッチをします。
リタッチはいろいろなサイズの筆を使って、根気良く何度も繰り返します。
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リタッチをしている途中、自分がメイクアップアーチストになったような錯覚に陥ります。
ただ、ムラを取るだけではなくて、彫りの深さを強調するためにシャドウをつけたり、特にエフ字孔の回りや、パーフリングのあたりなどは、微妙なグラデーションをつけて立体感を出します。

完成した楽器を、マエストロ・モラッシーに見せると、いつも、「もっとムラを残せ」と叱られます。
きれいにムラ無く塗りすぎると、スプレー塗りの工場製の楽器に見えるそうで、手工楽器はもっと個性を主張しなければならないというわけです。
自分では、ムラを残していたつもりだったのですが、なかなか難しいですね、美しく、しかも手作りの味わいが残る楽器というのは。

by violino45 | 2005-07-07 06:06 | 製作記 | Comments(0)

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