トリエンナーレ・コンクールのご報告⑤ 出品チェロの試奏動画

トリエンナーレ・コンクールに関するご報告⑤、出品チェロの演奏動画をご紹介いたします。

演奏いただいたのは、クレモナ在住の坂本 悠嘉(ゆか)さんです。
坂本さんは、2023年からクレモナ国立弦楽器製作学校にて弦楽器製作を学びながら、チェリストとしても活動されています。

トリエンナーレ・コンクールのご報告⑤ 出品チェロの試奏動画_d0047461_04285470.jpg


坂本さんのプロフィールは、こちらです。

滋賀県立石山高等学校 音楽科を経て、愛知県立芸術大学 音楽学部 器楽専攻 弦楽器コース卒業。
在学中、学内のオーディションにより 「第55回定期演奏会」 「室内楽の夕べvol.21」に出演。
これまでに、チェロを菱倉新緑、松崎安里子、花崎薫、野村友紀の各氏に、室内楽を天野武子、福本泰之、白石禮子、桐山建志の各氏に師事。

今回、御縁があって、チェロの試奏をお願いいたしました。
動画は、クレモナの製作家、フランチェスコ・トト & 根本和音氏の工房にて撮影されました。

トリエンナーレ・コンクールのご報告⑤ 出品チェロの試奏動画_d0047461_04285662.jpg



曲目は、以下の3曲です。
 ・ドビュッシ―:チェロソナタより、プロローグ
 ・サン・サーンス:白鳥
 ・バッハ:無伴奏チェロ組曲 第一番

動画は、こちらとなります。
https://youtu.be/CzNQRNMqa6g






ご視聴ありがとうございました。
初めて弾く楽器、しかも完成したばかりのチェロ、普段お使いの楽器とは音程のツボが異なりますし、運弓角度も違い、演奏しづらいと思いますが、坂本さんには、良い響きを引き出す演奏をしていただき、感謝しております。

このチェロの写真は、こちらのブログ記事でご紹介しております。
https://violino45.exblog.jp/30522016/


演奏中は真剣な表情の坂本さんでしたが、普段は明るいお嬢さんです。

トリエンナーレ・コンクールのご報告⑤ 出品チェロの試奏動画_d0047461_04285431.jpg



チェリストとしてのご活躍はもちろんですが、弦楽器製作のほうも頑張って勉強されていますので、いつの日か、きっと良い製作家になられると思います。

トリエンナーレ・コンクールのご報告⑤ 出品チェロの試奏動画_d0047461_04285539.jpg


撮影風景です。
腰が引けている私 (笑)

トリエンナーレ・コンクールのご報告⑤ 出品チェロの試奏動画_d0047461_05053535.jpg

# by violino45 | 2024-11-23 21:40 | 製作記 | Comments(1)

秋から冬へかけてのイベント、参加の御案内。

今年も、いろいろなイベントに参加するため、年末に帰国いたします。

11月29日(金)と12月1日(日)
昨年同様、大阪の岩井孝夫さんの工房にて、ラッザリ夫妻とともに、4人での展示会。
11月30日の土曜日には、京都の日本イタリア会館にて、講演会。

そして、12月13日(金)~15日(日)、宮地楽器小金井店にて、イベントと展示会に参加します。

以下、順を追ってご紹介します。


①「バイオリンに魅せられて ~4人のバイオリン職人と演奏家で奏でる夢の世界~」

京都の「日本イタリア会館」にて、「クレモナ派4人の展示会」のメンバーがバイオリン製作について語ります。
ヴァイオリニストの馬渕清香さんをゲストに迎え、4人が製作したヴァイオリンでの演奏もしていただきます。
出演:ニコラ・ラッザリ、伊東ラッザリ渚、岩井孝夫、菊田浩 
ゲスト:馬渕清香(ヴァイオリニスト)

日時:11月30日(土)13:30~15:00
場所:芝蘭会館(日本イタリア会館 京都本校より徒歩1分)
〒606-8302 京都市左京区吉田牛の宮町4
Tel: 075-761-4356
受講料:一般・現受講生:2,000円、個人維持会員:1,000円

まだお席に余裕がございます。
お申し込み方法など、詳しくは、以下の日本イタリア会館のサイトをご覧ください。
http://italiakaikan.jp/culture/seminar/index.html


秋から冬へかけてのイベント、参加の御案内。_d0047461_04080943.jpg




②第3回 クレモナ派4人の展示会

昨年、一昨年も開催しました、大阪の岩井孝夫さんの工房での、4人の展示会です。
日時:11月29日(金)及び、12月1日(日) 13時~19時
場所
〒541-0043 大阪市中央区高麗橋4-7-5 淀屋橋三共ビル102 (1階)
地下鉄四つ橋線肥後駅7番から徒歩2分  tel:06-6203-3334

【注】11月30日(土)は、上記の日本イタリア会館での講演のため、展示会はお休みとなります。


落ち付ける空間で、ごゆっくり試奏いただけます。

秋から冬へかけてのイベント、参加の御案内。_d0047461_04231820.jpg


今回も、ヴァイオリニストの馬渕清香さんをゲストに、展示楽器を使用したミニコンサートを開催いたします。

秋から冬へかけてのイベント、参加の御案内。_d0047461_04231811.jpg


会場にて、お待ちしております。

秋から冬へかけてのイベント、参加の御案内。_d0047461_04230078.jpg


③東京 宮地楽器小金井店での、展示会とイベント

日時:12月13日(金)~15日(日)
場所:宮地楽器小金井店 店内ホール及び展示スペース。

「日本人製作家の饗宴」と題し、今年も9人の製作家が宮地楽器に集合します。
各種イベントも盛り沢山です。
ぜひ、以下の公式サイトでご確認くださいませ。


以下、昨年の「饗宴」の写真をいくつかご覧ください。


展示コーナー

秋から冬へかけてのイベント、参加の御案内。_d0047461_17425509.jpg
 


ヴァイオリン弾き比べイベント

秋から冬へかけてのイベント、参加の御案内。_d0047461_17425478.jpg

秋から冬へかけてのイベント、参加の御案内。_d0047461_17425325.jpg


私の名器の物語

秋から冬へかけてのイベント、参加の御案内。_d0047461_17425389.jpg


製作実演コーナー

秋から冬へかけてのイベント、参加の御案内。_d0047461_17425402.jpg



製作体験コーナー

秋から冬へかけてのイベント、参加の御案内。_d0047461_17425465.jpg


製作家による、楽器の見方

秋から冬へかけてのイベント、参加の御案内。_d0047461_17425482.jpg



クレモナ街歩き

秋から冬へかけてのイベント、参加の御案内。_d0047461_17425512.jpg


一同、ご来場をお待ちしております。

秋から冬へかけてのイベント、参加の御案内。_d0047461_17425440.jpg


2024年も、気がつけば、年末になってしまいました。
1年の過ぎる早さを、あらためて実感してしまいますが、健康には留意しつつ、年の瀬を過ごしていきたいと思っております。
イベントの会場にて、お目にかかれますのを楽しみにしております。


# by violino45 | 2024-11-18 17:47 | お知らせ | Comments(2)

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介

トリエンナーレ・コンクールの後に完成したヴァイオリン、写真でご紹介いたします。

最後に、私が試奏している動画もありますので、よろしければご覧ください。

このヴァイオリンは、11月16日(土)から、宮地楽器さんの店頭でご覧いただけます。

モデルは、いつものように、A.ストラディバリ 1705年モデルです。
2005年に、ラッザリ師匠からいただいたモデルなので、来年でいよいよ20周年となります。
ほぼ9割ぐらい、このモデルで製作しておりますので、愛着も深い、馴染みのモデルとなりました。

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23121335.jpg


裏板は、私が好きな、変化のあるトラ杢の一枚板を使用しました。

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23121325.jpg


エフ孔も、同じく20年近く使っているモデルです。
ストラディバリ・スタイルですが、アマティ的な柔らかさを加味したデザインとなっています。

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23121315.jpg


裏板の、コーナー部分の仕上げです。
クレモナに来て23年、より良い造形を目指して精進してきた部分ですが、20年前の楽器と見比べても、あまり変わっていないようにも見えます。
でも、クレモナに来る前の楽器とは、さすがに違って見えますので、クレモナに来て勉強した意義は大きかったとも言えます。

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23121367.jpg


ウズマキは、この数年、黄金期のストラディバリを目指して製作しています。
少しずつ、目指す造形に近付いている気もしますが、まだまだ到達点には遠いかもしれません。

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23121406.jpg

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23121447.jpg


新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23121396.jpg


では、違う角度から、照明も変えた写真もご覧ください。

ライトを変えると、トラ杢もよりダイナミックに見えますね。

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23225020.jpg

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23225010.jpg


コーナー部分のパーフリングの造形も、毎回悩むところです。

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23225089.jpg


エフ孔は、見た目の美しさとともに、音響的にも重要な役割を持ちます。
激しく振動する駒の近くの表板に、これだけ大きな穴が開いているのですから、当然ですね。

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23265958.jpg

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23265953.jpg


もちろん、エフ孔がないと、魂柱を立てられませんので、その役目は重要です。

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23270033.jpg



そして、エフ孔から楽器内部のラベルを見ることができるという、まったく別の役目も持っています。

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23265907.jpg



製作家は、どうしても、美的観点から見てしまうのですが。

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23265972.jpg



ネックのヒール部分は、音には影響しませんが、演奏性の上で重要で、また、製作者のスタイルが現れるところです。

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23324225.jpg



つぶれたような、とか、栗のような、とか、いろいろな表現で言われますが、現代クレモナのスタイルでは、完全な円ではなくて、少し重心の低い、どっしりした造形が好まれています。

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23324223.jpg



ウズマキは、いろいろな角度から見ても造形が崩れず、美しいのが理想ですが、なかなか難しいです。

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23365457.jpg

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23365439.jpg

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23365469.jpg


正面からのウズマキが、造形的には一番難しく、製作家が悩むところです。

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23365381.jpg


同じアングルでも、ライトを変えると、また表情が違って見えるのが面白いです。

新作ヴァイオリン 写真と動画でご紹介_d0047461_23365443.jpg



さて、もったいつけてきましたが、拙演奏の動画です。

楽器が完成すると、毎回、音階で音色を確かめるとともに、簡単な曲を弾いて、演奏性もチェックするわけですが、今回は、その様子を撮影してみました。

きちんと練習したわけではなく、必死に譜面を追いかけているだけの、演奏とは言い難い動画ですが、音質のテストとしてご覧いただけたら幸いです。
生まれたての楽器が持つ音色の記録という意味で、私としては意義深い動画となりました。

曲目は、リーディング作曲の、ヴァイオリン協奏曲です。

https://youtu.be/s7xXTbP2ZNc




ご視聴ありがとうございました。



# by violino45 | 2024-11-16 14:21 | 製作記 | Comments(2)

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介

今回は、トリエンナーレ・コンクールに参加したチェロをご紹介いたします。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15273071.jpg



2004年、製作学校にてマルキ先生の指導で製作して以来、20年ぶりのチェロとなりました。
今回は、師匠のニコラ・ラッザリ氏に指導を仰ぎながらの製作でした。

不慣れなチェロであることと、ヴァイオリンの製作を優先したため、完成までには数年かかりましたが、ちょうど、トリエンナーレ・コンクールのタイミングとなったので、良い経験と思い、出品しました。

入賞には至りませんでしたが、今後の製作活動への糧となる、非常に貴重な経験をさせていただきました。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_16510049.jpg


完成したチェロとともに、記念撮影です。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_00281106.jpg


では、出品チェロの写真をご紹介させていただきます。

モデルはストラディバリです、ラッザリ師匠の型をそのままコピーさせていただき、製作しました。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_16560842.jpg


裏板は、20年ほど前に、モラッシー工房にて購入したカエデ材を使用しました。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_16560885.jpg


横板がヴァイオリンと比べて幅広なので、斜めから見るとチェロの雰囲気が出ますね。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15103665.jpg

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15103649.jpg


エフ孔もラッザリ師匠のモデルをいただきましたが、少し、オリジナルを加えています。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15103615.jpg


裏板のコーナー部分の仕上げです。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15103736.jpg


ネックのヒール部分も、ヴァイオリンとの違いが出るところです。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15103749.jpg

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15103630.jpg


ウズマキのモデルも、ラッザリ師匠から受け継ぎました。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15155459.jpg

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15155460.jpg


背面の、根本部分の造形は、ヴァイオリン以上に製作者の個性、というか経験が出るところです。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15155445.jpg


2台目のチェロなので、ウズマキに限らず、楽器全体の造形にいろいろ悩みましたが、なんとか無難にまとまったという感じです。



トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15155359.jpg


では、別アングルからの写真もいくつかご覧ください。

光の当て方を変えると、裏板のトラ杢も違った表情に見えます。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15244375.jpg

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15244241.jpg

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15244315.jpg


パーフリングの仕上げです。
ヴァイオリンと微妙に造形は違いますが、少し内側に向いたストラディバリのスタイルは同じです。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15244390.jpg


駒の形と高さを見ると、やはりヴァイオリンとの違いを感じます。
チェロの駒には、ベルギー・タイプとフレンチ・タイプがありますが、今回はフレンチを使用しました。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15283134.jpg

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15283215.jpg


横から見ると、駒の高さを感じます。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15283297.jpg

そういえば、この表板は、20年前にマルキ先生に選定していただいたのでした。
ようやく楽器にすることができました。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15283235.jpg



トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15283274.jpg


ウズマキの造形、いろいろな角度からです。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15465354.jpg


トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15465348.jpg


トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15465485.jpg


お客様のもとで末永く、音楽を奏でて欲しいと願っております。

トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15465479.jpg


トリエンナーレ・コンクールのご報告④ 出品チェロのご紹介_d0047461_15483159.jpg




# by violino45 | 2024-11-10 15:37 | 製作記 | Comments(2)

トリエンナーレ・コンクールのご報告③ 伊藤黎さんによる試奏動画

先日ご紹介しましたトリエンナーレ・コンクールの参加ヴァイオリンを、クレモナ在住のヴァイオリニストの伊藤黎さんに試奏いただきましたので、動画でご紹介いたします。

伊藤黎さんは2018年からクレモナに在住、ソプラノ歌手としてオペラなどの演奏会でのソロ活動の他、ヴァイオリニストとしてもイタリア各地で幅広く活躍されています。

トリエンナーレ・コンクールのご報告③ 伊藤黎さんによる試奏動画_d0047461_14174057.jpg


動画はこちらです。
 1曲目が、クライスラー作曲、前奏曲とアレグロの冒頭部分。
 2曲目が、マスネ作曲、タイスの瞑想曲です。
ごゆっくりご覧いただけたら嬉しいです。






ご視聴ありがとうございました。
今回演奏いただいたヴァイオリンの写真は、こちらのブログ記事でご覧いただけます。
コンクールの参加楽器は、何か特別な仕上げをしていると思われがちですが、そういうことはなく、普段通りに製作した楽器が、コンクール開催のタイミングに合った時に、それが参加楽器となります。
もちろん、コンクールの結果は大切で、私もそれを目指して参加しているのですが、それ以上に、お客様に届ける楽器の仕上がりが重要で、常に最高のものを目指して製作していれば、自動的に、コンクール参加作品としても十分なものになると考えています。

コンクールは、そうして製作した楽器が、どのように評価されるのかを知る良い機会ですし、その結果を次の作品に活かしていくことが有意義なことと考え、年齢を重ねてからも参加し続けております。


さて、慣れない新作楽器を当日渡されて演奏、しかも動画撮影というのは、演奏者さんにとって過酷な条件と思いますが、伊藤さんにはいつも、楽器の良い響きを引き出す演奏をしていただき、感謝しております。
多忙な方なので、なかなか気軽にはお願いできませんが、また機会がありましたら、試奏していただきたいと思っております。

トリエンナーレ・コンクールのご報告③ 伊藤黎さんによる試奏動画_d0047461_14175684.jpg

# by violino45 | 2024-11-02 14:54 | 製作記 | Comments(2)