1715 クレモネーゼ ・モデル、音質テストを動画でご紹介。

先日写真でご紹介した「1715 クレモネーゼ・モデル」の音質テストの様子を、動画でご紹介いたします。
このヴァイオリンの紹介記事はこちらです。
https://violino45.exblog.jp/28581806/

音質テストは何日もかけて行いますが、今回は、その一部をご紹介しました。
3分ほどの動画です、ご覧いただければ嬉しいです。




ご視聴ありがとうございました。

動画内でもテロップで説明しましたが、私がどのような観点で音質テストしているか、少し説明させていただきます。

最も重視しているのは、「完成したばかりのヴァイオリンが、元気よく、大きな音で鳴っているかどうか?」、です。
楽器本体のどこかに根本的な問題があると、それは必ず音に現れて、元気のない響きになりますので、まず、それを見極めます。

ヴァイオリンが健康で元気な状態だと確認できたら、まずは一安心ですが、その上で、より良い音色を目指し、細かい調整に入ります。
駒や魂柱の調整、場合によっては弦を交換しながら、音の改善を進めますが、動画では、その最終段階での試奏をご紹介しています。

①動画の前半は、各弦の音量バランスがイーブンかどうか、そして移弦時の音色の変化を確認しています。
各弦の音量バランスが悪いと、フレーズが音楽的につながらず、演奏者に負担をかけることになりますので、大切なポイントになります。
ヴァイオリン製作コンクールの採点では、この項目にも大きな点数が設定されています。
そして、移弦をした時の音色変化に違和感が無いかどうかを確認します。
音量バランスとともに、フレーズが音楽的につながるための大切な要素となります。

②次に、スケールを移弦の有る無しで弾き比べ、ハイポジションとローポジションで音色を比較しています。
ヴァイオリンは、同じフレーズを違う弦で弾くことで、音色の変化を表現できるのが魅力ですが、弦によって、またポジションによっての音色変化が大きすぎると、扱い辛い楽器となります。
かといって、あまりにも平均化した音色では、表現力の幅が乏しい楽器になってしまいますので、そのバランス加減が難しいところだと思います。
今回ご紹介したスケールの他、いろいろなポジションでの音色の変化もテストしています。

③同じ曲を、移調しながら弾くことで、ヴァイオリン全体の音の傾向を知る手がかりとなる事があります。
今回は「アンダンテ」でしたが、いろいろな曲を、弦を変えながら弾き比べ、違和感がある場合は、魂柱などを微調整していきます。


いずれにしても、完成した楽器の最終調整(駒、魂柱、弦の選択など)でできる事は限られていまして、製作途中に由来する問題(木材の選択、モデル、アーチ、厚み、バスバー、ニスなど)をサウンドチェックで確認できても、それを改善できるのは次に製作する楽器になります。

長いスパンでの試行錯誤の繰り返しになりますが、これを根気よく続けることで、さらに良い楽器を製作できるヒントを得られると信じ、これからも精進していきたいと思っております。

ご覧いただき、ありがとうございました。


ちび丸は、マイクスタンドの傍に寝そべって、私の演奏を上から目線で眺めています。

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ビビ丸は、友人がたくさん送ってくれた日本のお菓子にじゃれています。

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ちび丸は時々、仕事中の膝に登ってきます。
抱っこは嫌いですが、たまに、自分の場所を確認したいようです。

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ビビ丸は、文字通りビビリで、抱っこも嫌いなので、無理やり抱き上げた時の写真です。

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ご覧いただき、ありがとうございました。
早いもので、6月も半ばですね。
夏に向けて、日に日に暑くなる季節です、熱中症などにお気をつけてお過ごしくださいませ。

# by violino45 | 2021-06-10 13:25 | 製作記 | Comments(2)

ジロ・デ・イタリア クレモナ大聖堂前を通過

今年で104回目となる「ジロ・デ・イタリア」(Giro d’Italia)。
毎年5月に開催される自転車ロードレースで、7月の「ツール・ド・フランス」と並ぶ、伝統ある大会です。

イタリア全土をめぐる21のステージで、3週間かけて競われる過酷なレースです。
今回は第18ステージ、レースも終盤の重要な局面です。
各ステージの合計タイムが1位の選手には、薔薇色のシャツ「マリア・ローザ」(Maglia rosa)を着る権利が与えられ、最終ステージが終わった時点でマリア・ローザを着た選手が、総合優勝となります。

こちらが、5月27日時点での総合一位の、エガン・ベルナル選手(コロンビア出身、24歳)です。
この「マリア・ローザ」を着てジロ・デ・イタリアを走るのは、とても名誉なことで、世界中の自転車選手の憧れです。

【追記】大会最終日の5月30日、ミラノの第21ステージで、ベルナル選手はジロ・デ・イタリアの総合優勝を決めました。
2019年のツール・ド・フランス総合優勝とともに、2冠を達成しました。おめでとうございます。


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さて、その伝統あるジロ・デ・イタリアが、2021年5月27日、15年ぶりにクレモナに来ることになりました。
レースも終盤となる、第18ステージ、ロヴェレートからストラデッラまでの231キロの行程を5時間かけて走る途中、クレモナの中心地を通過していきました。(平均時速は、44キロです)

私は毎年5月に帰国していますので、見られない予定だったのですが、今年はコロナの影響で帰国できなくなり、観戦することができたのは不幸中の幸いでしょうか。
いずれにしても、自転車好きとしては絶対に見ておかなければならないと思い、カメラを持って繰り出しました。

まず、動画をご覧いただければ幸いです。
大聖堂の前をジロ・デ・イタリアが通過していく光景は、一生に一度、見るチャンスがあるかどうかの貴重なもので、感無量でした。
でも、通過する時はあっという間でした。
なので、動画の後半には、写真をギャラリー風に並べてみましたので、ゆっくりご覧いただければ嬉しいです。





ご視聴いただき、ありがとうございました。

では、動画内でもご紹介しましたが、写真で少しご説明させていただきます。

自宅から中心地に向かって歩いていくと、計測点が設置されています。
クレモナまでの区間タイムがここで計測されます。

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ここでの観戦も迫力ありそうですが、、どうせなら大聖堂前で見たいので、先に進みます。

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大聖堂の裏です。
急カーブを曲がる、観戦に良いポイントなので、すでに大勢の人が集まっています。

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自転車レースはイタリアの国技、しかもジロ・デ・イタリアがクレモナを通るということで、皆さん、すでにハイテンションです。

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大聖堂前にも、かなりの人出がありましたが、なんとか、良い場所に陣取ることができました。


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こういう中で、のんびり自転車で走ったりすると、観客から冷やかされます(笑)

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オフィシャルの車が、レースの通過が近いことを告げると、一気に盛り上がります。

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数分後、第一陣が通過します。

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大聖堂前を走り抜ける選手たちの姿を見ることができて、嬉しい瞬間となりました。

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動画でもご覧いただきましたが、通常、数台から数十台の自転車が先行して、レースを引っ張ることが多いです。(今回は23台)
レースの終盤でメインの集団に追い付かれて吸収されることも多いですが、この先行グループの中の選手が、そのまま優勝することもあります。
今回は、このグループの中から飛び出した、アルベルト・ベッティオール選手(イタリア)が優勝しました。
おめでとうございます。

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先行グループが過ぎたあと、チームのサポートカーが何台も通り過ぎます。
日本のメーカーがサポートしている車を見ると、日本人としては、やはり嬉しくなります。

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バイクで伴走する警察官、気さくな人でした。

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先行グループが過ぎて10分後、ようやくメインの集団がやってきました。

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マリア・ローザのベルナル選手の前後を、チームメイトが守るように走っています。
総合優勝を狙うためには、全てのステージで全力を出すのではなく、無理せずに着実にタイムを稼いでいくのも重要な戦略です。

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後続の選手たちもどんどん駆け抜けていきます。
感動的なシーンですが、30秒で、過ぎ去ってしまいました。

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チームごとに、カラフルなウェアも、自転車レースを見る楽しみです。
目の覚めるようなブルー。

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こちらは、鮮やかなオレンジですね。

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こちらはグリーン。

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そして、最先端のハイテクマシンを間近で見られるのも、自転車好きには楽しい時間です。

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晴天のクレモナの町を疾走する選手たちを見ながら、至福の時間を過ごすことができました。

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長文ご覧いただき、ありがとうございました。

清々しい余韻の中、クレモナはまた静かな町に戻ります。

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# by violino45 | 2021-05-28 14:56 | クレモナ散策 | Comments(4)

最新作ヴァイオリン、クレモネーゼモデルのご紹介

以前ホワイトでご紹介しました、ストラディバリ 1715年、クレモネーゼモデルのヴァイオリンが完成しましたので、動画と写真でご紹介いたします。
ホワイトヴァイオリンの紹介記事は、こちらです。

まずは、フォトギャラリー風の動画でご覧いただければ幸いです。(3分弱です)




ご視聴ありがとうございました。

では、いつもどおり、写真でもご紹介させていただきます。

ストラド黄金期の、力強いシルエットです。

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裏板は、オリジナルのクレモネーゼに少し似た、変化のあるトラ杢の一枚板を使用しました。

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エフは、黄金期のストラドらしく、張りの強いイメージを目指しましたが、少し、いつものアマティ風の、柔らかい印象になった気がしています。

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センター部分のカーブは、いつもの1705年モデルよりも少し直線的です。

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ウズマキは、最近は普段から黄金期ストラドに取り組んでおりましたので、違和感なく馴染んでいると思います。

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以下、別角度からの写真をギャラリー風に並べてみました。

ニスは、少し濃い目のオレンジブラウンの、アルコールニスです。

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横板も、裏板と同じ木材から製材しています。

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コーナー部分のパーフリングは、ストラドスタイルどおり、少し内側に向いています。

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エフの造形が、自然に表板のアーチに馴染んでいます。

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ウズマキの後頭部の掘り込みは、ニスを塗ると、より美しく見えます。

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駒の焼き印を押すのは、実は今でも苦手です。
傾いたり、薄くなったり、焦げたり、、なかなかうまくいきません。

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長文ご覧いただき、ありがとうございました。

最後に、猫写真を少し。

ビビ丸も、ちび丸も、この季節、ベランダで遊ぶのが気持ち良いようです。

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ベランダに置いた猫タワーで、少し休戦?です。

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# by violino45 | 2021-05-07 13:34 | 製作記 | Comments(6)

ビビ丸の物語 (すごく長文です)

前回のブログで少しご紹介した猫(ビビ丸)が、菊田家に来るまでの経緯をご紹介いたします。

また、この機会に、菊田家とクレモナの猫たちとの関わりを、少しご紹介させていただこうと思います。
かなりの長文になりますが、ご覧いただければ嬉しいです。

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  【猫シェルター】
以前もブログで少しご紹介しましたが、自宅アパートの隣の部屋が数年前から空き部屋になっていて、大家さんのご厚意で、動物保護団体が「猫シェルター」(保護した猫を一時的に住まわせる部屋)として利用しています。

少し時間を遡りますが、2012年から菊田家の一員だった「ミケにゃん」が2018年に重い病気になり、闘病の末、11月に永眠しましたが、その頃、隣のシェルターには一匹の猫が保護されていました。(ミケにゃんの闘病の様子は、こちらのブログ記事でご覧いただけます)

隣の空き部屋には、電気、ガス、水道がなく、寒い部屋に一匹で居る猫が可哀そうでしたが、ミケにゃんを亡くしたばかりの精神状態の中、なかなか行動に起こせずにいました。

でも、猫の世話に来るボランティアさんと仲良くなって、ときどき猫を見に行くようになり、ボランティアさんがバカンスで不在になるクリスマスの間、シェルターの管理を引き受けることにしました。
クリスマスの日、シェルターに見に行くと、猫が風邪をひいていたので、菊田家に連れて来て看病することにしたのですが、これが「とら丸」との生活の始まりでした。
(とら丸の紹介は、こちらのブログ記事でご覧いただけます)

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                とら丸、2019年夏のスナップ





  【とら丸が来てからの1年間】
いろいろあって、とら丸を引き取ることになってからは、猫ボランティアさんとの仲も親密になり、2019年からは、猫シェルターに預けられる猫たちの世話を菊田家も手伝うようになりました。

そうなると、猫ボランティアさんとしては、この部屋に預ければ安心とばかり、以前よりも、やってくる保護猫の数が増えるようになりました。

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兄弟猫たちが一度に来ることもあったりして、多い時は、7匹ぐらいの猫たちが走り回る、にぎやかな部屋となりました。

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時には、哺乳ビンが必要な子猫も来ました。


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元気な子猫の場合、安全のために、ケージに入れて様子を見ることもありました。

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2019年の夏ごろのスナップです。
猫に、なつかれるオジサンです。

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掃除中の二匹の猫?、のスナップです。

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中には、飼い主が病気で入院してしまい、預けられた猫もいました。
この猫たち、ジョエルとディクシーは、飼い主が退院するまで、一年以上もシェルターで生活することとなりました。

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保護猫たちは、多くの場合、数日から数週間で里親が見つかり、もらわれていくのですが、嬉しい反面、別れが寂しいこともありました。
ジョエルとディクシーは、一年以上もお世話して、家族同然になっていたので、別れは本当に辛かったです。

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2019年は、とら丸が猫シェルターからやって来たご縁で、たくさんの保護猫たちとの生活が始まった年でした。

保護猫たちのお世話とともに、とら丸も持病の鼻炎で吸入治療の毎日となり、なかなか大変な1年間でしたが、猫好きな菊田家としては、とても楽しく、幸福な時間でした。

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  【とら丸の永眠と、ちび丸の登場】
ですが、楽しい時間は長くは続かず、2019年12月、とら丸の頭部に腫瘍が見つかり、すでに手遅れと診断されました。
2020年の1月、腫瘍切除の手術をし、一時的には回復しましたが、5月には再発してしまい、8月17日、とら丸は永眠しました。

そして、同じ日に猫シェルターに来た子猫が、「ちび丸」でした。
ちび丸は、健康上の不安があったので、翌日から自宅で看病することになりました。
(とら丸の永眠と、ちび丸の話は、こちらのブログ記事でご覧いただけます)

シェルターに来た日の写真です。生後40日でした。
最初、クマのぬいぐるみかと思いました。

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ちび丸はアマゾンの箱に入って、やって来ました。
ジョエルとあいさつです。

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ディクシーに睨まれて、固まっています。

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ジョエルとは、相性が良いようです。
ジョエルは、シェルターにやってくる保護猫たちの面倒をよく見る、優しい猫でした。

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  【ちび丸の仲間探し】
菊田家の一員となったちび丸は、おかげ様で健やかに成長していますが、すごく活発な猫なので、仲間がいたほうが良いと思い、猫シェルターに来た猫と見合いさせてみたりしたのですが、猫同士の相性というのは、なかなか難しいものです。

というのも、猫シェルターに来る猫は、基本的には保護猫なので、厳しい環境の生活で神経質になっていることが多く、一方で、ちび丸は、離乳食の時から人間だけを見て育っているので、他の同世代の猫への対応が分からず、対面させても、なかなか上手くいかない状況でした。

仲間になれそうな猫を連れて来ると、ちび丸は興味津々で近づいていきますが、、

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威嚇されました。。この子は気が強くて、仲良くはなれませんでした。

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さらにタイミング悪く、大家さんの都合で、猫シェルターの閉鎖が決まり、2020年の秋以降は、ほとんど猫が来ることもなくなり、ちび丸の仲間探しもあきらめようかと思っていた時、今回の主役、「ビビ丸」が登場しました。




  【ビビ丸の物語】(ようやく本題です)
年が明けて2021年、寒い盛りの2月、もう閉鎖したはずの猫シェルターに、突然、猫(生後10か月、雄)がやってきました。
見に行くと、動きが不自然で、フラフラして上手く歩けず、しかも、人の姿を怖がって、猫砂の中でうずくまっていました。

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猫ボランティアさんの話では、生まれつきの脳性麻痺で、運動神経に障害があり、特に、後ろ脚が思うように動かず、常にフラフラと体が揺れてしまうとのこと。
餌を食べたり、トイレは自力でできるのですが、まっすぐ歩けず、少し高い段差を乗り越えたり、速く走るのは難しいようです。

シチリア出身で、いわゆる猫コロニーに居るところを保護されたのですが、たくさんの猫達の中で、どうやって一年近くも生き抜いてこられたのか、不思議だったそうです。

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名前ですが、猫コロニー時代は、Birillo(ビリッロ)と呼ばれていたそうです。
イタリア語では、「ボウリングのピン」という意味のようで、よく転ぶので、そう呼ばれていたのかもしれません。
とりあえず、猫シェルターで様子を見ながら、お世話していましたが、運動神経が麻痺しているわりには、よく歩き、ふらふらと、あちらこちらにぶつかりながらも、活動的な猫です。

ですが、猫コロニーに居た時に、いろいろ怖い思いをしたのかもしれません。
人が近づくと、ビックリしたように驚いて、ふらふらしながらも逃げて、物陰に隠れてしまう、いわゆるビビリな性格なので、自然と、「ビビ」と呼ぶようになっていたのですが、この頃は、後に菊田家の猫になるとは思っていなかったのでした。
ちび丸も、同じような経緯で命名してしまったのですが、菊田家に来る猫は、日本時代も含めて、すべて保護猫で、とりあえず呼んでいた名前が本名になってしまうのは伝統ではありました。
その後、ちび丸と同じく、「ビビ」にも噛み癖があることが分かってきて、噛み癖が強かった「とら丸」の再来のような気がして、最終的には、「ビビ丸」という名前になりました。

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  【ちび丸との関係】
ビビ丸は、感染症の疑いもあったので、最初はちび丸とは合わせずにいたのですが、2週間ぐらい過ぎて避妊手術をする頃には検査も終わり、大丈夫ということになったので、ちび丸が猫シェルターに出向く形での対面となりました。

ちび丸は、最初は、ビビ丸の唐突な動きに戸惑ったようですが、興味津々で近づいていきました。

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ビビ丸はコロニー育ちなので、仲間が来たと思って嬉しくなり、じゃれようとするのですが、フラフラして動きが安定しないので、軽くじゃれようと思っても、飛びかかるような動きになってしまい、ちび丸はビックリして逃げてしまうような感じでした。

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でも、ふたたび興味津々で近づいて、ビックリして逃げての繰り返しでしたが、そのうち、高いところに行けば安全と分かったのか、猫タワーの上部に陣取って、ビビ丸とバトルをはじめました。

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でも、いわゆる威嚇というか、「シャー!」という声はお互いに出さないので、本気で喧嘩するような感じではないのが救いでした。

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  【ビビ丸、菊田家へ】
シェルターでは、そういう状況がしばらく続きましたが、3月になり、試しに、ビビ丸を家に連れてきました。
この時点では、まだ引き取るかどうかは決めかねていましたが。

場所が変わっても、ちび丸とビビ丸の関係は同じで、お互いに興味があって近づき、少しじゃれるのですが、ビビ丸の唐突な動きや、噛み癖が出て、ちび丸が驚いて逃げてしまう感じでした。

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ただ、本気で怒って威嚇することはないので、相性は悪くないと思いましたが、夜に一緒に寝るということはなく、日中も、一定の距離感のまま過ごしている感じです。

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その後、3週間ほど過ぎ、お互いに相手のことも分かってきたのか、じゃれ合いもだんだん派手になってきて、激しく猫パンチや猫キック合戦することも多くなってきました。


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ビビ丸は足が不自由なのですが、ちび丸を追いかける時には信じられないほど速く走り、逆に、ちび丸も遠慮なく飛び掛かることも多く、ドタバタと鬼ごっこする様子は楽しそうに見えるので、これなら、家族として迎え入れても大丈夫と判断しました。

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そういうわけで、3月の終わり、菊田家の猫は正式に「アランチャ・ちび丸」と「ビリッロ・ビビ丸」の2匹となりました。

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2011年の3月にシマにゃんを保護した時から数えて、ビビ丸は5代目の猫となりました。
生まれつきの障害を持った猫なので、この先、どんな苦難が訪れるか分かりませんが、ちび丸とともに、楽しい猫ライフを過ごしてくれればと思っております。


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  【猫シェルターの閉鎖】
さて、ビビ丸を最後に、隣の猫シェルターは閉鎖となる予定です。
この2年間、通算50匹以上の猫がやってきては、里親にもらわれていき、また、残念ながら重い病気を持っていて、そのまま亡くなった猫もいました。
少しずつ増えた写真をすべて、記念として2枚のボードに貼って、シェルターに飾っています。

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一枚目の写真(左上)は、とら丸です、すべてはここから始まりました。

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二枚目のボードの途中でちび丸が登場して、最後の写真はビビ丸となりました。(右下)

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2001年にクレモナに来て、最初の10年間は、猫を飼う余裕もなかったというのが正直なところですが、2011年にシマにゃんと出会ってからは、常に猫が居る生活で、何度も悲しい別れもしましたが、でも、猫たちと一緒に過ごせた時間は、かけがえのない日々となりました。

特に、この2年間の猫シェルター生活は、毎日、御飯やトイレの世話、掃除などをし続けた奥さんは大変だったと思いますが、普通ではなかなか経験できない、密度の濃い貴重な時間となりました。

シェルターから菊田家に来た3匹を含め、共に過ごした50匹以上の猫たちに、あらためて感謝の気持ちを伝えたいです。

さて、最後に、ちび丸とビビ丸のスナップを少しご紹介して、長文のブログを終わりにしたいと思います。
ご覧いただき、ありがとうございました。


二匹の喧嘩というか、じゃれ合いは、いつも、ちび丸が下から猫パンチを繰り出すところから始まります。
お腹を見せているということは、本気の戦いではないということなのだと思います。

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ビビ丸が応戦開始して、

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そのまま猫キック合戦に突入です。

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一旦、離れて間合いを取って、

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二回戦です。

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疲れたのでちょっと休憩、

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また始まりました。

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そして、ちび丸が猫タワーに登って、休戦です。

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まだまだ、お互いに微妙な距離感ではありますが、、

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いつかは、仲良くグルーミングするような関係になって欲しいと願っています。

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長文、ご覧いただき、ありがとうございました。
今後も、少しずつですが、猫ブログも更新できればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。


# by violino45 | 2021-04-27 05:11 | 猫ネタ | Comments(2)

新作ヴァイオリン、ホワイトでご紹介

以前、スクレーパー作業などを紹介しましたヴァイオリン、ホワイトで仕上がりましたので、動画と写真でご紹介いたします。

2分少々の動画にまとめましたので、ご覧いただければ嬉しいです。

https://youtu.be/9NJb2Cho8_Q




ご視聴ありがとうございました。

では、写真でもご紹介させていただきます。

いつもどおり、A.ストラディバリ、1705年モデルで製作しました。

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裏板は、端正ながらも少しだけ変化のあるトラ杢の、二枚板を使用しました。

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コーナー部分の仕上げです、ストラドスタイルの特徴で、パーフリング先端が少しだけ内側を向いています。

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エフは、ストラドがアマティの弟子から独立して、独自のスタイルを築いていった頃のモデルです。

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ストラド黄金期の力強さと、アマティの柔らかさが融合した造形です。

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渦巻きは、ストラドの黄金期をモデルにしていますが、最近は、少し繊細な雰囲気を目指して製作しております。

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理想的には、どの角度から見ても破綻なく、バランスの取れた美しい造形を目指しておりますが、、なかなか難しいテーマです。

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ご覧いただき、ありがとうございました。

クレモナも春らしい陽気となり、ちび丸もベランダに出ることが多くなりました。
植木鉢に巻いてあったアルミ箔を咥えて、得意げな表情です。

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そして、、ちび丸の仲間が増えました。
この猫については、書き始めると長くなりますので、また時期を見て、別の機会にご紹介させていただきます。。

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# by violino45 | 2021-04-11 15:34 | 製作記 | Comments(6)