新作ヴァイオリン、ニス塗り前後での音色比較。

以前からご紹介してきました新モデル「フォルマP」が完成し、音出しをしましたので、ニス塗り前後でどのような音色の変化があるのか、比較する動画を作成してみました。


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ただ、録音の条件を厳密に同じにすることは難しいですし、私自身の演奏も不安定なので、純粋にニス塗り前後の違いが音に現れているとは言えませんが、それでも、ホワイト状態での音の特徴、ニス塗り後の音の変化については、録音からも感じていただけるのではないかと思っております。

動画は、こちらになります。



ご視聴ありがとうございました。

音色の印象ですが、大まかに言うと、ホワイトは、木材の表面の乾いたカリカリした質感が音に現れていて、また、弦と弓の擦れるキシキシという雑音が増幅されている感じで、落ち着かない印象でしたが、ニス塗り後は、そのような弱点が程良く吸収されて、より落ち着いた、音楽表現に適した音色になっていると思います。

ただ、ニス塗り直後の乾燥が十分でないヴァイオリンは、ニスの効果が過剰に現れますので、これから乾燥が進むにつれて変化していきますが、ホワイトの時のような落ち着きのない音になることはなく、適度にニスの効果を維持してくれるものと思います。


では、完成しました「フォルマP」のヴァイオリンを、写真にてご紹介いたします。

おそらく、世の中で目にする本物のストラディバリの多くは、Pのモデルで製作されていますので、そのシルエットは、やはり見慣れたストラディバリモデルの楽器そのものという印象です。

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比較のために、いつもの、1705年モデルのヴァイオリンは、こちらとなります。

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裏板は、少し広めのトラ杢の、少し変化のある模様のものを選びました。

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エフ孔は、いつも使用しているアマティ風のものではなく、黄金期のストラディバリのモデルを使いました。

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同じく、比較のために、いつも使っているアマティ風のエフはこちらです。

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ウズマキは、いつもどおり、黄金期のストラドを目指して仕上げております。

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斜めからのショットです。

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では、少し別の角度からの写真もご紹介します。

ニスを塗ると、よりトラ杢の深みが引き立ってきます。

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コーナー部分のパーフリングは、ストラディバリの特長を尊重して、少し内側に向いた仕上げとなります。

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エフ孔の周りの造形を立体的に見ると、やはり、ヴァイオリンのデザインは、エフ孔の存在なしでは成り立たないと、あらためて感じます。

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駒に押す焼き印は、実は苦手な作業です(笑)

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ウズマキいろいろ、見る角度によって印象が変わりますが、常にバランスが取れた造形を維持するのは、なかなか難しいです。

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御覧いただき、ありがとうございました。

クレモナも猛暑が続いておりましたが、先週から一旦落ち着き、過ごしやすくなりました。
この間に、少しでも仕事を進めたいと思っております(笑)

猫たちも、相変わらずのんびり過ごしております。

クロ丸とビビ丸、仲良くひっくり返ってます。

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ビッキーは、窓辺で幽霊スタイル。

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ちび丸も、床に寝転んで幽霊してます。

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# by violino45 | 2023-07-28 14:56 | 製作記 | Comments(2)

62 新たな目標に向けて。

今年も、おかげさまで無事に誕生日を迎えることができました。

2001年にクレモナに渡った時には40歳でしたので、22年間の間に体力、視力の衰えを感じることが多くなりましたが、製作に対する意欲、気力には変わることはなく、より良い楽器を目指して精進する毎日を送ることができているのは、とても幸福なことと思っております。

いつもお世話になっております皆様に厚く感謝申し上げます。

最新作のラベルには、130という番号が付きました。
区切りとなる番号を見て、生涯に200台の楽器を製作したいという目標を、あらためて心に刻みたいと思っております。
まだまだ遠い目標ではありますが、焦らずに、じっくり1台1台を仕上げていきたいです。

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とはいえ、いくら気持ちを強く持っていても、体が動かなければ楽器は製作できませんので、健康には気をつけつつ、趣味の自転車を継続して、体力を維持していきたいとあらためて思っております。
昨年も同じ場所で写真を撮りましたが、毎年、同じ場所で自転車の写真を撮り続けることも、新しい目標として続けていきたいと思います。

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絶妙に空気を読むタニタさんに励まされながら(笑)、これからも元気に過ごし、ブログも少しずつ更新していきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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猫たちには、変わらず癒されております。
最近、クロ丸やビッキーも膝に上ってくるようになりました。

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ビビ丸は、足が上手く動かず、自力でトイレに行けないので、数時間に一度、砂場まで運んでいます。
でも、こちらの都合どおりには用足しをしてくれないので、なかなかタイミングが難しいのですが、上手くいったときは達成感があります(笑)。

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ちび丸も、めでたく3歳となりました。
2020年生まれなので、計算がしやすいです。
末永く、長生きして欲しいと願っています。

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# by violino45 | 2023-07-12 06:23 | 日記 | Comments(2)

新作ヴァイオリン お客様による試奏の動画

パリ在住のお客様から御注文いただいたヴァイオリン、春に完成して、工房まで受け取りにご来訪いただきました。

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お客様は、井脇浩之さん、アマチュアとして演奏活動をされていますが、イザイやパガニーニの難曲も弾く腕前をお持ちです。
今回、ぜひ音を記録に残せればと思い、試奏の様子を録画したいとお願いしたところ、快くご了承いただきました。

曲目は、
前半が「マスネ:タイスの瞑想曲」
後半が「パガニーニ:カプリース第24番」です。

パガニーニのカプリースと言えば、アマチュアにはかなりハードルが高い難曲として有名で、井脇さんもまだまだ練習中とのことでしたが、無理をお願いして一発撮りで収録させていただきました。

動画の途中では、ホワイトヴァイオリン、そして完成したヴァイオリンの写真もご紹介しておりますので、演奏とともに映像もお楽しみいただければ嬉しいです。

動画は、こちらとなります。
https://youtu.be/Mm-xfXrEF5c





ご視聴ありがとうございました。
完成した楽器をお客様に初めて弾いていただく瞬間は、製作者は非常に緊張しますし、お客様も楽器に集中したい場面ではあるのですが、普段、こうした機会はめったにないので、無理をお願いして収録させていただきました。

幸いにも、楽器はとても気に入っていただけましたし、貴重な瞬間を映像と音に残すことができて、製作者として幸福な時間となりました。

末永く、お客様の元で良い音を響かせて欲しいと願いを込めつつ、ヴァイオリンを送り出しました。


さて、動画内でもご紹介しましたが、写真で楽器を少しご紹介いたします。

いつもどおり、ストラディバリ、1705年モデルで製作しました。
顎当てとテールピースは、お客様のご要望で、通常とは違うタイプを使用しました。

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裏板は、二枚板、少し変化のあるトラ杢のカエデを使用しました。

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エフ孔は、少しアマティの雰囲気を残したストラディバリタイプ。
エフにかかる感じで、ハーゼ(蝶杢)が入っていて、少し迫力というか、凄みを感じます。

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同じ部分の、裏板の仕上げです。

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ウズマキは、黄金期のストラディバリモデル。
このモデルを使い始めて6年ぐらい経過して、少し手慣れてきた気がしています。

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別アングルからの画像をいくつか。

ニスの第一目的は、木材の保護なのですが、上手く塗れたニスは、木材の美しさを引き立ててくれますね。

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パーフリングのコーナー部分は、視力の低下とともに作業が難しくなってきますが、まだクローズアップに耐える仕上がりでしょうか?(笑)

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顎当ては、バーバータイプを使用しました。
通常のガルネリ型よりも、テールピースにかかる部分が多いので、楽器の中央寄りで構える奏者さんの場合、より安定するようです。

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エフ孔を横から見た造形も、外観上のポイントとなります。

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エフ孔から見える名前とクレモナの文字、思えば、このラベルを使い始めてから今年で20年となります。
アマチュア製作者の時代から憧れていたクレモナで、楽器製作を続けられている幸運に感謝です。

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ウズマキも、理想のカーブを追い求めつつ、悩みの多い日々ですが、ひとつでも数多く作品として残せるように精進していきたいです。

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背面の仕上げも重要で、同業者のチェックの目が厳しいポイントでもあります(笑)

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どの角度から見ても、造形が崩れないことが理想ですが、なかなか難しいです。
ついつい、見栄えの良い角度を選んで写真を撮ってしまいます(爆)

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長文ご覧いただき、ありがとうございました。

仕事中に振り返ると、ちび丸が椅子の上からこちらを眺めていることが多いです。
ちゃんと仕事をしているか、見守られているような、監視されているような、、微妙な表情です。

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クロ丸も加わって二匹になると、もう仕事どころではなくなってきます(笑)、目線が痛い。

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ビッキーは、夏場は固い床が冷たくてお気に入りのようです。

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ビビ丸は、窓辺で風にあたってます。
ちょっと凛々しい表情ですね。

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暑い季節が続きますが、皆様、ご自愛くださいませ。

# by violino45 | 2023-07-05 05:40 | 製作記 | Comments(2)

バイオリン製作研究会 作品展示会のご報告

5月20日と21日、池袋の自由学園明日館 講堂にて開催された、「バイオリン製作研究会 第18回作品展示会」について、動画と写真にてご紹介いたします。

動画はこちらです、3分半ほどの映像になります。



ご視聴ありがとうございました。

では、写真でもご紹介させていただきます。

自由学園明日館は、建築家フランク・ロイド・ライトの設計によって1922年に竣工されました。
1934年に自由学園が移転となり、校舎としての役目を終えた後も数々の補修を経ながら保存され、1997年には国の重要文化財に指定されました。

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「講堂」は、ライトがアメリカへの帰国を余儀なくされた以降、弟子の遠藤新(あらた)が設計し、1927年に建築されました。
バイオリン製作研究会の展示会場としては、2003年から親しまれ、コロナによる3年間の中止を経て、今年は18回目の開催となりました。

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ライトの設計思想を受け継ぐ、美しい空間での弦楽器の展示会、製作者として参加できる喜びは格別です。

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ヴァイオリンが37台、ビオラが7台、チェロが5台の展示となりました。

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私は、2011年、2017年、2021年製作の3台のヴァイオリンと、2006年製のビオラを展示いたしました。

2021年のヴァイオリン(左)、そして2017年のヴァイオリン(右)。

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2006年のビオラ(左)と、2011年のヴァイオリン(右)

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ステージでは、両日、展示楽器を使用したミニコンサートが開催されました。

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私は、初日には星野美葉さんに2021年製のヴァイオリンを演奏いただきました。
曲目は、サン・サーンスの、序奏とロンド・カプリチオーゾでした。

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二日目は、三澤裕美子さんに、2017年製のヴァイオリンを演奏いただきました。
曲目は、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、第一楽章でした。

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素晴らしい演奏をご披露いただき、お二人にはとても感謝しております。

星野美葉さんには、私が初めて弦楽器フェアに、アマチュア製作者として参加した1997年にも試奏コンサートで演奏していただいたことがあり、それ以来、26年間、展示会ではお世話になっております。

三澤さんとも、思えば20年近く展示会で御一緒しております。

このような展示会で、演奏性の大きく異なる楽器を取り換えながら演奏するコンサートは、プロの演奏家さんにとって、困難も多いと思いますし、リスクもあると想像しております。
ですが、お二人は、そのようなマイナス要素をまったく感じさせず、むしろ、それぞれの楽器の良さを最大限に引き出して演奏していただき、毎回、その度量の大きさに尊敬の念を深くするとともに、厚く感謝しております。

ビオラの試奏コンサートは、佐藤良輔さん。

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チェロの試奏は、植草ひろみさんでした、素敵な演奏をありがとうございました。

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こちらは、出番を待つヴァイオリン達です。
晴れ舞台に向けて、緊張しているように見えます。
楽器係をされたのは、武蔵野音大の2年生に在学中の、長根萌生(めい)さんでした。
長根さんは、会場の受付もされていました。

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空き時間に、長根さんにヴァイオリンの試奏をお願いしました。
とても力強い音を出されるので、楽器の違いがよく分かって、製作者として勉強となる時間でした。
音大の2年生とのことで、今後の活躍を楽しみにしています。

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2日間、会場では多くのお客様に貴重なご意見をいただき、製作者として非常に勉強となる機会となりました。
あらためまして、ご来場いただいた皆様に厚く感謝を申し上げます。
この経験を糧に、さらに良い楽器を目指して精進していきたいと思っております。

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大久保さんとも、展示会でお会いするのは2019年以来となりました。
最初に出会ったのは二人とも30代の頃で、お互いに少し年を取りましたが、元気に再会できるのは嬉しいことです。

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コロナ禍の影響で、展示会は開催できず、音楽を発表する場も失われ、残念な気持ちで過ごした3年間でしたが、今回の展示会では、以前の活気が戻って来たことを実感できて、気持ちが明るくなりました。
また来年、さらに活気のある会場にてお目にかかれますのを楽しみにしております。

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猫たちは、変わらずのんびり暮らしております。
ビビ丸とビッキ―

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ビビ丸とクロ丸

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そして、珍しく、ちび丸とビッキーが一緒に寝ています。
めったに無いことです(笑)

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# by violino45 | 2023-06-15 15:07 | 日記 | Comments(2)

宮地楽器での中西俊博さんとのイベント、ご報告。

大変遅くなりましたが、5月6日に宮地楽器さんにて開催されました、ヴァイオリニスト中西俊博さんとのイベントの御報告をさせていただきます。

14時、満員となりました宮地楽器ホールにて、イベントのスタートです。

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中西さんの演奏から始まりました。

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メインの演奏楽器として、2005年製作のヴァイオリンを使用いただきました。

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ピアノ演奏は、ジャズピアニストの若井優也さん。
中西さんと息の合った、素晴らしい即興演奏をご披露いただきました。

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一曲目から熱の入った演奏で、会場は大いに盛り上がりました。

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ずっと演奏を聴いていたいところですが(笑)、トークイベントなので、仕切り直しです。
まず、私の子供時代からのバイオグラフィーを写真でご紹介しました。
司会は、宮地楽器店長の山本岳志さんです。

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私がクレモナに渡った経緯なども、過去の番組の写真を使いつつ、山本さんのトークで盛り上げていただきました。

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続いて、中西さんのバイオグラフィーです。
幼少期の写真から。
可愛いですね。

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忙しく仕事をされていた頃の写真。車が趣味とお伺いしました。

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そして、巨匠、ステファン・グラッペリさんとの2ショット。
司会の山本さんが、しきりに羨ましがってました。
ジャズヴァイオリンの神様のような方なので、気持ちはよく分かります。

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トークの区切りで中西さんの演奏を聴かせていただくという、とても贅沢な時間となりました。

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そして、私と中西さんの出会いとなった、NHKのレッスン番組の話もさせていただきました。
中西さんの演奏シーンに、技術スタッフとしての私のテロップが出ていた1998年の番組。
25年を経て、中西さんのような一流の演奏家とステージで御一緒できる事への感謝と感激で胸が熱くなりました。

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私の過去の製作楽器、特に、宮地楽器での展示楽器の歴史についてもご説明し、それぞれの音色を中西さんに弾き比べていただくというコーナーもありました。

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左から2011年、2021年、そしてお客様からお借りした2017年のヴァイオリン。
それぞれの音色を引き出しながら、ロンドンデリーの歌を情感豊かに演奏いただきました。

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そしてイベントも大詰め、中西さんのミニライブで締めくくりです。

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即興演奏の掛け合いは、スリリングで、聴き応え満点です。

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盛り上がって、フィナーレとなりつつあったのですが、個人的に、どうしてもリクエストしたい曲があり、思い切ってお願いしてみました。
1998年のレッスン番組でも課題曲となった、チック・コリアの「スペイン」です。
快くお応えいただきました。

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フィナーレにふさわしい、躍動的な演奏で大いに盛り上がりました。

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中西さんと若井さんの素晴らしい演奏に、客席のお客様もご満足いただけたと思います。
ご来場いただきましたお客様に、あらためて厚く御礼申し上げます。
司会の山本さんはじめ、宮地楽器スタッフの皆様にも感謝申し上げます。

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終演後に、中西さんと記念撮影。
私は感激と、燃え尽きた感とで、なんとも言えない表情ですね(笑)
中西さん、本当にありがとうございました。
またの機会にお目にかかれます日を楽しみにしております。

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クレモナに戻ったら、猫たちは皆のんびり過ごしておりました。

ちび丸は工房でひっくり返り、

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ビビ丸は窓辺で、

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クロ丸はキッチンの床で、

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ビッキーだけは、ご近所さんからいただいたビワの実に興味津々のようです。


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# by violino45 | 2023-06-08 14:37 | 日記 | Comments(2)