アーチの荒削り

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バイオリンの形に切り出した後は、丸ノミで全体を荒削りして整えます。
この段階では、まだまだ余分な肉をざくざく削り取るだけですので、あまり考えずにひたすら肉体労働です。
でも、以前も書きましたが、この荒っぽい削りの中でも、バイオリンのアーチは常に意識していて、自然な隆起を描くようにしないと、後の作業に悪影響を与えますので、荒い作業なのですが実はデリケートです。
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この段階で、木材のいろいろな欠点、節や虫食い、染み、などが出てくることが多いので、ひたすら祈り続けます。
もし、虫食いの穴が出てきたら、この時点でこの材料はサヨウナラです。

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表板をノミで削った瞬間、材料の特性を感じ取ることができます。
ノミに微妙に伝わる手ごたえ、音などで、質の高い材料かどうか、最終的に判断します。
もちろん、選んだ時点で、楽器用材として合格という判断はしていますので、それ以上の微妙なクオリティの話ですが。
良い表板は、削った部分が微妙に透明感があって、キラキラと光ります。
良い音が出そうな予感に、気持ちが高揚する瞬間でもあります。
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# by violino45 | 2006-10-30 17:37 | 製作記 | Comments(4)

裏板の切り出し

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今回の楽器の裏板は、1枚板です。
はぎ合わせる必要がありませんので、いきなり、カンナがけからスタートです。

カンナをかけると、トラ杢が綺麗に浮かび上がってきます。
全面、きれいなトラ杢というのは、これが見納めですね。

平面が出たら、横板をガイドにして、裏板の形をデザインします。
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実は、この横板、裏板の材料から製材したので、裏板と横板は同じ模様です。
でも、裏板の材料によっては、他の横板を探したほうがきれいな場合もあるので、見極めは微妙です。
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あ、今日は、オチはありませんデス。

# by violino45 | 2006-10-28 16:00 | 製作記 | Comments(12)

ライニング

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ライニングを曲げて、横板に貼り付けます。
厚さ2ミリ、高さ8ミリの板です。

横板は、厚さが1ミリぐらいしかないので、表板や裏板を貼り付ける「のりしろ」が必要です。
ライニングによって、「のりしろ」は3mm程度になって、十分な接着強度が得られるわけです。
もちろん、横板を補強するという重要な役割も忘れてはいけませんが、、、。

私は、表板と同じ材質の、もみの木を使っていますが、柳や、カエデ、ポプラ、ブナなどを使う人もいます。

ライニングの材質によって音がどの程度変化するかは、いろいろな説がありますが、一般的に、重く硬い材質を使うほど、横板の振動が抑えられて、落ち着いた音になると言われています。

でも、大事なのは、すき間無く接着することです。

しっかり曲がっていれば、どんなクランプを使っても隙間無く接着できるのですが、さらに密着度を上げたいので、私は万力タイプのミニクランプを使っています。
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いつ見ても、痛々しい映像ですね、、、、。
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「先生、、、これなに?」
「これはな、クランプと言って、オペで使う鉗子のようなものだ。」
「アッチョンブリケ」

# by violino45 | 2006-10-26 15:27 | 製作記 | Comments(4)

横板の高さ

貼り付けた横板は、ブロックからはみ出していますので、カンナで削って高さを揃えます。
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この作業、単純に見えますが、綺麗に高さを揃えるのは難しいです。
エンド部分とネック部分では1mmの高さの差がありますので、徐々に下がっていくように削ります。
この、徐々に下がっていく度合いをコントロールして、表板や裏板に微妙にテンションをかけて音色を改善させる技もありますが、私は素直にまっすぐにしています。
横板の高さ_d0047461_3481020.jpg
このカンナ、もう10年使っていますが、手に馴染んでます。
もう一つ、同じ形で値段が数倍高い高級品も購入したのですが、こちらの方が微妙に手に馴染むので、こちらばかり使っています。

道具との出会いというのも不思議なものですね。
楽器製作を始めたときに、とりあえずホームセンターで適当にそろえたヤスリや平のみが、今では無くてはならない道具になっています。
それ以上の道具を探して、専門店で高い値段で購入しても、結局は古い道具の方が使い勝手が良かったりするのです。
その道具を紛失したら、、、と思うととても不安になります。
でも、もちろんそれだけではなくて、ものすごく高い道具を思い切って購入したおかげで、その後の作業がすごく快適になったこともたくさんあります。
いずれにしても、道具は値段ではなくて、フィーリングというか、いかに手に馴染むかが大切な気がします。
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ここまで来ると、自分で立つようになります。
横板は、楽器になった後も表舞台には立ちませんが、構造的にとても大切な部分です。
横板を軽んじる者は、横板に泣く?

# by violino45 | 2006-10-25 03:56 | 製作記 | Comments(4)

次作バイオリン 横板

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ひさしぶりの製作記です。
内型に、横板を貼り付けていきます。
まずは、センター部分(C、と呼んでいます)を貼り付けてから、サイド部分と上下のブロックを削ります。
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ベンディングアイロンで型にピッタリと合わせて曲げます。

この時点で横板がゆがんでいたり、垂直がずれていると、表板や裏板のシルエットもゆがんでしまうので、慎重に作業します。
でも、トラ杢がきれいな材料ほど、綺麗に曲げるのは大変なんです。
今回の横板も、曲がったことが大嫌いな、頑固者でした。(大汗)

次作バイオリン 横板_d0047461_15503743.jpg

突然、すみません。
以前から、当ブログにて話題になっていた、某nobaraさんご推奨の二○加煎餅です。
た、確かに、エフ孔に似てるかも、、、、、。
この上目遣い、、、一度見たら忘れられなくなりそうです。

実は、今まで実物を見たことがなかったのですが、今回のモンドムジカにいらっしゃった福岡からのお客様に、リクエストして持ってきていただいたのでした~。(ひどい奴)
ありがとうございました。
次作バイオリン 横板_d0047461_15571186.jpg

なかなか、濃いパッケージですよね。
で、裏側が、これです。
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徐々に目に焼きついてきましたか?
極めつけは、これ。
次作バイオリン 横板_d0047461_1604392.jpg

お面です。
子供は喜ぶでしょうね。
でも、パッケージの顔と、お面の顔は、微妙に表情が違っているのです。
芸が細かいですね~。
で、包装紙の裏面には、面白い企画が、、、。
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博多の方言集です。
う~ん、知っている言葉もあるけれど、、、、分からない言葉も多いですね。

これからの、私の楽器のエフに、どのような影響を及ぼすのでしょうか、、、この上目遣い、、、。

あ、とても美味しくいただきましたよ、、、念のため、、。

# by violino45 | 2006-10-18 16:08 | 製作記 | Comments(18)