少々マニアックな、カンナの話題

次のバイオリンです。
はぎ合わせしたあとの平面出しには、大きなカンナを使います。
少々マニアックな、カンナの話題_d0047461_17324843.jpg

押して使うタイプの、いわゆる洋ガンナは、スタンレー社が有名で、私も使っていますが、最近の私のお気に入りは、このクリフトン社のカンナです。
少々マニアックな、カンナの話題_d0047461_1733311.jpg

刃の切れ味も良いですし、機構部も精度が高くて使いやすいです。
少々マニアックな、カンナの話題_d0047461_1737363.jpg

そして、金属の表面仕上げが美しく、使っていて楽しいです。
少々マニアックな、カンナの話題_d0047461_17385027.jpg

道具は、性能が命ではあるのですが、、、でも、見て、触って、心が和む物をつい選んでしまいます。

そういう道具は、例外なく高価ではありますが、、、、(;_;)。

# by violino45 | 2007-03-17 17:44 | 製作記 | Comments(32)

ニス塗り その3 

なかなか余裕が無く(@_@)、更新ができないにもかかわらず、お越しいただきありがとうございます。
ニス塗りもほぼ終了で、バイオリンも色付いてます。
ニス塗り その3 _d0047461_2104894.jpg

今回は裏板のトラ杢が特徴的だったので、それをできるだけ活かせるような色合いと色の濃さを考えてニス塗りをしてきたのですが、まずまず上手くいったのではないかと思います。

いずれにしても、どの時点でストップするのかは、色だけでなく、ニスの層の厚さにも影響してきますので、見きわめが難しいところです。

ニス塗りが終わったら、指板を付けますが、この時点で最終的なカーブを仕上げるためにスクレーパーと紙やすりで削ります。
黒い粉が舞いますので、ウサギ君には向いていない仕事です。
ニス塗り その3 _d0047461_21111367.jpg

仕上がった指板はこんな感じです。
演奏性に直接影響する、重要なところですので、妥協は許さず、真っ黒になりながらも慎重に仕上げます。
ニス塗り その3 _d0047461_21163160.jpg

# by violino45 | 2007-03-07 21:19 | 製作記 | Comments(33)

横板の曲げと貼りつけ

早いもので、3月ですね。
今日は横板の曲げを少し詳しくご説明します。

横板曲げには、「横板曲げ器、、、別名、ベンディングアイロン」を使います。
コンロで直火であぶるタイプもありますが、私のは電熱器が内臓されています。
これを、作業台の万力に固定します。
横板の曲げと貼りつけ_d0047461_1736336.jpg

横板は、あらかじめ1ミリ強の厚さに仕上げて、水に濡らしておきます。
トラ杢の強い、綺麗な材料ほど、曲げづらく、割れやすいので、ついたくさん水に浸してしまいます。
横板の曲げと貼りつけ_d0047461_17392181.jpg

横板曲げのもう一つの主役は、この薄い金属板です。
この薄い板で、横板をアイロンに押し当てて曲げるのですが、金属板の硬さや弾力性によっては曲げやすさが大きく違ってきますので、とても重要な道具です。

私はこのトタン板の切れ端を長年使っていますが、今のところ、これ以上の材質には出会ったことがありませんし、使い込んで、ほど良い柔らかさになっていますので、もし、この板を紛失したら、途方にくれてしまいます。(;_;)
横板の曲げと貼りつけ_d0047461_1744297.jpg

さて、いよいよ曲げ作業です。
一気に曲げると割れますので、少しずつ、蒸気の力を利用して曲げていきます。
アイロンは、センター部分の形をしていますので、一見、このまま押し当てれば綺麗なカーブに仕上がってくれそうな気がするのですが、、、それは甘いデス。
一旦曲げた後、じわじわと修正作業をして、内型にピッタリと沿うように仕上げます。
ちなみに、上に乗っているダイヤルは、「表面温度計」で、い~ぐるさんのブログでおなじみのS-Mac社で購入しましたが、これは便利です。
横板の曲げと貼りつけ_d0047461_17505816.jpg

無事に曲げ終わった横板です。
湿気を取るために、少し寝かしてから接着します。
横板の曲げと貼りつけ_d0047461_1752504.jpg

センター部分の貼り付けには、スプールクランプという、裏板や表板を貼り付けるときに使うミニ万力を使います。
でも、この接着方法は、マエストロによって千差万別で、いろいろなアイデアがあって面白いです。
私もいままでにいろいろな方法を試しましたが、今は、このやり方に落ち着いています。
横板の曲げと貼りつけ_d0047461_17555918.jpg

拡大すると、こうなります。
単純な仕掛けですよね。
こうしておいて、横板を外側から少し叩くと、内型にピッタリと密着するという理屈です。
でも、やってみると、なかなか理屈どおりにはいかないですが、、、、(汗)。
横板の曲げと貼りつけ_d0047461_17582522.jpg

横板は、美観にもとても影響しますし、裏板と表板をしっかりと支える土台となる重要な部分ですので、きっちりと仕上げることが第一だと思っています。

# by violino45 | 2007-03-01 18:09 | 製作記 | Comments(16)

お知らせと、ニス塗りその2

サラサーテ誌の最新号が2月28日に発売になります。
今回の特集は、なんと、「ヴァイオリンを作ろう」です。
お知らせと、ニス塗りその2_d0047461_15155382.jpg

なんとも大胆な企画、、、、このブログに挑戦か??、、と思ったら、、
私も実はこの特集に参加しております。

「菊田浩が語るヴァイオリンの作り方」という、なんとも、顔から火が出そうなタイトルですが、5ページに渡って写真と文章でヴァイオリン製作の工程を一通り説明しております。

私がヴァイオリン製作を語るなど、20年早いですが、このブログのコンセプトと同じく、演奏者の方に楽器の構造を知っていただき、さらにヴァイオリンに親しんでいただきたいという気持ちで書きました。

写真はかなり絞り込んだのですが、それでもかなりの枚数になってしまい、編集部の方にはレイアウトでご苦労をかけてしまったようですが、ヴァイオリン製作を一通り実感するにはちょうど良い内容にまとまったと思います。

特集の、他の記事がどんな感じなのかは分かりませんが、製作学校の紹介や、製作道具や材料の紹介記事もあるようですので、併せてぜひお楽しみください。

さて、ニス塗りはさらに進んで、こんな感じです。
だいぶヴァイオリンらしくなってきましたが、まだまだ折り返し地点ぐらいです。
お知らせと、ニス塗りその2_d0047461_1546371.jpg

以前も書きましたが、ニス塗り途中では何度も疑心暗鬼になります。
つまり、日によって色の濃さが違って見えますし、体調や、その時の気分にも影響されるので、いろいろな光の下で、客観的な目で見ることが大切になってきます。
そういう意味では、壁に貼ってあるポスターも比較対象のためには有効ですし、他の楽器と比較することも必要になってきます。

# by violino45 | 2007-02-24 16:02 | 製作記 | Comments(22)

ブログのご紹介

ちょっと前になってしまいましたが、さとぼさんのブログ、「音楽室からのたより」~極上の音楽トリビアを~で、当ブログをご紹介いただきました。(2月19日)

この「音楽室からのたより」では、音楽に関するいろいろな情報が満載で、とてもおもしろく勉強になりますし、また、youtubeなどの興味深い動画もたくさん紹介されています。

さらに、タイトル通りの、音楽室での授業風景(合唱やリコーダーの合奏)を録音で聞くことができるのですが、子供たちの無心な歌声と楽しそうなリコーダーの合奏を聴くと、とても暖かい気持ちになれますので、おすすめです。

個人的には、2月18日の、YMO@ライディーンの動画や、2月19日の、カーペンターズの動画の紹介にはうるうる来てしまいましたが、、、、。

# by violino45 | 2007-02-22 16:26 | 日記 | Comments(4)