チェコ、コンクールのご報告

コンクールの後半戦を追加しました。(4月30日)(注)とても長文です。

先日ご紹介いたしました、チェコ共和国のNACHODという街でのバイオリン製作コンクールが終了して、無事にクレモナに戻ってきましたので、ご報告いたします。

結果を先に申し上げますと、私は総合8位という成績でした。

1位は地元チェコのKUS FRANTISEKさんが獲得しました。

2位と4位は、2台の楽器でクレモナから参加したサンドロ・アジナーリさん、3位と7位に、同じくクレモナから、マルコ・オジオさんが入りました。

日本人では、天野さんが5位と6位に食い込みました。
なので、8位といっても、私の上には製作者は4人という不思議な結果になりました。
それだけ、皆さん、2台の楽器のバラツキが少なく、安定した実力が評価されたのだと思います。(私は、1台での参加でした。)

8位という成績にはとても満足しています。
参加した顔ぶれを見ると、半数近い製作者が過去のコンクールでのメダリストですし、実際に展示された楽器はどれもが良い楽器で、誰が優勝してもおかしくなく、逆に、誰もが下位に留まる可能性があると参加者全員が感じていたことと思います。

なので、私ももちろん上位を目指す気持ちで参加しましたが、逆に、恐怖もプレッシャーとして感じていましたので、無難な成績で終われてホッとしたというのが正直な気持ちです。

それよりも、今回、ウズマキの実技はもちろんですが、音響審査などを間近で見ることができて、そして、ライバル達と意見交換する中で、自分の楽器に何が足りないか、今後、どうしていけばさらに良い楽器にしていくことができるかを、ある程度明確にすることができたことが大きな収穫でした。

ハードなコンクールなので、参加するかどうか最後まで迷っていたのですが、今は、参加して良かったと心から思っています。

では、コンクールの様子を、写真でご紹介いたします。

審査会場は、ホテルと同じ建物で、とても快適でした。
左側が宿泊したホテルで、右側がウズマキの実技や音響審査が行われた会場です。
山の上に、お城が見えますね。
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プラハに飛行機で到着してから、バスで3時間かけてNACHODに移動したのですが、旅の疲れを癒す間もなく、出品に向けて最後の調整と磨き作業、そしてお互いの意見交換です。
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ライバルの楽器の音や仕上がりが、とても気になります。
でも、良い仲間達なので、牽制したりせず、素直に意見を言い合う雰囲気です。
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提出された楽器たち、41台のバイオリンです。
いろいろな国の、様々な年齢の人たちが参加していますので、楽器のスタイルもいろいろな特徴があります。
全ての楽器を丹念に見ることは、とても勉強になります。
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↓私の楽器はどれでしょうか?正解は最後に、、。
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出品も無事に終わって、ホッと一安心、翌日のウズマキ実技に向けて、一休みです。
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このコンクールは、19世紀にNACHODで活躍されていたMETELKAさんという製作者を記念して開催されています。
きっと、天国で喜んでいらっしゃることでしょう。
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お城のように見える建物、実は市役所です。
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こちらは、コンクール会場の目の前にある教会です。
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翌日の朝8時、ウズマキ製作実技の開始です。
終了は夜中の23時、体力と集中力の勝負です。
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旅の疲れが抜けていない私、、、。
でも、会場内はとても良い雰囲気で、和気あいあいと、楽しく、しかも最後まで集中して仕事をすることができました。
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ほとんど言葉が通じない人も多いのですが、目が合えば、「お互い大変だけど、最後までがんばろうね」と、製作者同士、通じ合うものがあるのです。
彼は、ポーランドのKRUPAさん、やはりコンクールの上位入賞の常連で、ライバルです。
2007年のチャイコフスキーコンクールでは、チェロ製作部門で優勝しています。
やはり、お互いに進行具合が気になるのです、、、。
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高橋明さん、隣同士で楽しく過ごしました。
ビールが見えますね~。。 でも、ノンアルコールですので、ご安心ください。
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天野さん、集中して、いい仕事してますね。
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クレモナからは、日本人の若手も3人参加しました。
皆、熱心で、将来有望な若者達です。
こちらは、前田君。
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高橋君。
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そして、日本人のなかでは紅一点の小島さん、、、ちゃんと見えているのかな?
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イタリア人の紅一点、デボラさん。。とても良い楽器をつくります。
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アジナーりさん、明君の師匠ですね、2位おめでとうございます。
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ポルタンティさん、数々のメダルの保持者ですが、さらにコンクールに挑戦され続けています。
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オジオさん、3位おめでとうございます。
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フィオレンティーニさん、いつも冗談ばかり言っている、クレモナチームのムードメーカーです。
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そして、私の兄弟子^^、アレッサンドロ君です。私と同じく、ラザーリ師匠のウズマキ写真を見本にしていました。
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もう一人、クレモナからはアクイリーノさんが参加しましたが、写真を撮りそびれました、、。

実は、こうしてウズマキを彫っている最中、バイオリン本体の審査が行われていました。
技術レベル、美観、スタイル、ニス、演奏性、オリジナリティ、材料の選択など、音質以外の全てを採点されます。
そして、夕方、まだウズマキ試験をしている最中に、その結果が発表されます。
私の楽器は、この時点では2位の成績を納めました。
ラザーリ師匠に習いながら、自分なりに追い求めてきたものが認められたということで、とても嬉しい結果でした。
でも、浮かれている場合ではなく、気を引き締めて、最後まで集中してウズマキを仕上げました。
結果は、どの審査員がどう点数をつけたかも、全て貼り出されます。
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全員の、完成したウズマキです。
それぞれの流派や、スタイルにとても特徴があって、眺めているととても勉強になります。
15時間、参加者全員が一削り一削り、気持ちをこめて彫り込んだウズマキを見ていると、その人の人柄が伝わってきます。
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私のウズマキは最近少しワイルド路線になっているのですが、審査ではそれがあまり好まれなかったようです。
前日のバイオリンの成績から落ちて、この時点で7位になりました。
私の作品です。
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ノミの跡がそのまま残っていますが、いかに表面が滑らかに仕上がっているかではなくて、ウズマキのモデル、スタイル、カーブの美しさなど、造形がトータルで審査されました。
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ウズマキの翌日は、音の1次審査(無伴奏)がありました。
会場は、同じ建物の中のホールです。
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審査員の皆様です。
右から2番目が、シメオネ・モラッシーさんです。前回、2004年に開催されたこのコンクールでは、優勝を飾りました。
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審査員には誰の楽器か知られないように、でも、会場の参加者には分かるように、そっと製作者の名前を書いた紙が見せられます。

今回、演奏された曲がとても短く、楽器の特徴を十分に聞き分けるには不十分だというのが、参加者の一致した意見でした。
でも、長すぎると、演奏者も審査員も途中で疲れてきて公平でなくなるという考え方もあるので、こういう審査というのは本当に難しいと感じました。
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音の1次審査が終わった時点で、私は一つ順位が上がって6位になりました。

他の参加者も、結果が発表されるたびに順位が大幅に動きますので、まさしく一喜一憂、悲喜こもごもの展開となりました。
もちろん、コンクールの成績はとても重要ですし、それを無視していてはコンクールに参加する意味も無くなってしまいますが、あまり結果を意識しすぎて悲しんだり、逆に浮かれていると、せっかく貴重なコンクールの場でいろいろなことを吸収できる機会を逃してしまう気がしますので、感情は極力抑えて、冷静に自分の楽器に足りないものをその場で見極めることも大切です。

そうすることで、自分の楽器が良くなっていくのだと思いますし、次のコンクールで良い成績を残せることにもつながるのだと思います。

さて、残すは最終日の音響2次審査だけですが、その前夜、皆、なぜか楽しそうに町を歩いてますね。どこに行くのでしょうか?
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はい、こちらです。
審査員の人たちも、連日のプレッシャーを開放するように、大いに盛り上がっていました。
私も、おそらく、15年以上ぶりに、1ゲームだけ参加しましたが、、、、結果は、、、、。
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最終日、さすがに皆、疲れを隠せません。
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音響2次審査は、ピアノ伴奏でしたが、曲がさらに短く(おそらく20秒以下)、審査員も瞬時に判断しなければいけないので、本当に大変そうでした。

審査には、いろいろな考え方があるのだと思いますが、私が感じたのは、バイオリンというのは音楽を奏でる道具なのに、20秒という時間では音楽を感じるのではなく、単に音響性能を競っているような寂しい気持ちがしました。
コンクールという場ではありますが、もう少し音楽を感じていたかったです。
どの楽器も、それぞれ個性がありますが、いずれも良い音でしたので。
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審査結果は、会場の外にあるコンピューターですぐに集計、印刷されて発表されます。
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最終結果、上位20人です。
数字は、左から、バイオリン製作技術と美観審査、音響1次審査、音響2次審査、ウズマキ審査、そして合計点です。
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私は、残念ながら音響2次でさらに点を下げ、8位に落ち着きました。
優勝したKUSさんは、逆に、前日までは7位でしたが、最後に高得点を獲得して、トップになりました。
天野さんも、前日まではメダルを狙える位置だったのですが、残念ながら届きませんでした。
今回、ライバルの一人である高橋明さんは結果的に上位には食い込めませんでしたが、その楽器はいつもどおり美しく、音もすばらしいものでした。
私が最初に書きましたコンクールの恐怖が現実のものとなったわけですが、だからといって、高橋さんの楽器への評価は変わるものではありませんし、それは参加者が口を揃えて言っていたことです。
逆に、高橋さんなりに、新しいインスピレーションを掴んだことと思いますので、これからの彼の作品を見るのが楽しみです。

全ての戦いが終わり、皆で記念写真です。
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表彰式とともに、盛大なパーティです。
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私は賞品はありませんでしたが、参加記念状(ディプロマ)をいただきました。
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室内楽の演奏がありました。
3日間、張り詰めていた気持ちが、癒されていくのが分かりました。
やはり、音楽というのはすばらしいものですね。
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翌日は、プラハに立ち寄り、半日観光です。
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でも、すぐに道に迷います。
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Nachodと違い、大都会でした。
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大聖堂のある広場です。
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毎正時にはカラクリ時計が見られるらしいのですが、、、。
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そして、プラハといえばこちら、モルダウ川です。
初めて見ましたので、感激です。
本当に、あのメロディーが聞こえてきそうでした。
何枚か、絵葉書ショットです。
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皆、長かったコンクールから開放されて、良い表情です。
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私も、ここに来て、初めてリラックスできました。
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この平和な時代に生まれ、バイオリン製作者として生きて、すばらしい仲間達とともにこの祭典に参加できた幸運に感謝したいと思います。

長文にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
今回の経験を活かして、これからも良い楽器を作り続けていきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。
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あ、先ほどの答えは、右から2番目が私の楽器です^^。
by violino45 | 2008-04-29 05:30 | 製作記 | Comments(34)
Commented by いとうめぐみ at 2008-04-29 06:53 x
入賞、おめでとうございます☆写真を見ていると雰囲気が伝わってきてどきどきしました。
菊田さんの楽器、2番目のかなぁ・・・と思いつつ読んでいたら本当にそうだったのでびっくりしました 笑。
お体に気をつけてこれからもステキな楽器をたくさん作ってくださいね♪
Commented by はた at 2008-04-29 07:48 x
お疲れ様です。
いつもながら謙虚で前向きな姿勢に勉強になります。
2番目の楽器、当たりましたよ。
Commented by い~ぐる at 2008-04-29 09:30 x
入賞おめでとうございます。
ハードなコンクルでしたね。コンクルだからといって、ギスギスするのではなく、みんなが高みを目指して、情報交換できるのは、とても巣晴らしいです。
お忙しい日々が続いているようですが、体調にはくれぐれもご注意ください。
Commented by たか at 2008-04-29 12:07 x
菊田さんこんにちは。コンクール入賞おめでとうございます!
たくさんの写真から、コンクールの過酷さが伝わってきます。
ズラリと並んだヴァイオリン、本当に美しいですね。裏板の写真は見ているとワクワクします。
最後の調整・・・皆さん熱心に楽器を確認していますね。緊張感が伝わってきます。

音の審査の続き、楽しみにしています。
Commented by Hiryasu at 2008-04-29 15:59 x
菊田さん、こんにちは
入賞おめでとうございます
大変ハードな競技、審査なのですね
その中でもコンスタントに入賞以上をキープされているのはさすがですね
優勝された時も、そうでない時も冷静に、状況を分析し、明日への課題を見つける‐すぐ動揺する私は大いに見習わなくては
ところで私は現在ニューヨークに遊びに来ておりまして、明朝帰国します
帰国しましたら、菊田さんに大変お世話になった「彼」といよいよ会ってきます
楽しみにしております!
Commented by HIRO at 2008-04-29 17:12 x
入賞おめでとうございます。
一流の制作家が、うずまきを並んで彫る姿はすごいですね、、、
Commented by nao at 2008-04-29 22:03 x
菊田さん、コンクールお疲れ様でした。
&入賞おめでとうございます。
私も、写真の楽器の「2番目だなぁ」って当たりました。

そうそう、先だっては うちの先生 クレモナで連絡できなかったようですね。
残念がってました。
ただ、話を聞いていたら、天野さんに滞在中はお世話になっていたそうで。
狭いですね・・・日本じゃないのに。
Commented by たにつち at 2008-04-29 23:02 x
お疲れ様でした!そして入賞おめでとうございました。
上位はほとんどチーム・クレモナの面々だったのではありませんか。
要所要所の報道写真も、初めて見るコンクールの様子をよく伝えていただきました。
ポルタンティ氏・・初めてお顔を拝見・・実は、彼に関してひとつエピソードがあります。
あ、ところで、↓の「ナイショの話」って?・・今度教えてください。
Commented by セイジ at 2008-04-30 10:35 x
おめでとうございます。
ゆっくりと読ませていただきました。
イメージするコンクールって緊張感でピリピリしているのかと思っていましたが、結構和やかそうなんですね。

また、楽しみにしています。
Commented by Machako at 2008-04-30 10:47 x
お疲れさまでした。
入賞おめでとうございます♪
詳細なご報告楽しく読ませていただきました。
ありがとうございます。

審査というのは難しいものですね。
でもみなさん前向きで、こうした経験を通してぐ~んと成長していかれるのでしょうね。

それにしても、プラハ、ステキな街ですね。
ほんと音楽が聴こえてきそうです。
Commented by かとう at 2008-04-30 12:59 x
菊田さん、こんにちは。

入賞おめでとうございます。
ほかの方もコメントされていましたが、菊田さんの楽器はどれ?クイズ、私も当たりましたよ。
エフの雰囲気が、菊田さんかな?って。
コンクールで制作されたスクロールも、ノミの跡がワイルドさに更に拍車をかけていますねー。
アンモナイト師匠も押され気味の迫力??

音響審査では、審査員の方もそうですが、数十秒で次々と楽器を変えて弾いた演奏者の方も大変だったでしょうね・・・
Commented by shige at 2008-04-30 22:01 x
菊田さん、こんにちは。コンクールお疲れさまでした。入賞おめでとうございます。

ノミ跡の残っているウズマキもなんか良い感じです。わざとノミ跡を残してある楽器もあるみたいですね~。私がノミ跡を残すと製作途中?みたいになりそうです(笑)

音響については、審査する方も大変でしょうね。数はたくさんあるし、審査員それぞれの好みもあるし・・・その日の体調でも違うだろうし・・・
私なんかの場合は全く演奏できないので開放弦でギコギコ音を出しているだけなのに毎日違う感じがしますよ。弾けば弾くほど鳴らなくなっているような?笑?

では、また。
Commented by 菊田 at 2008-04-30 23:51 x
いとうめぐみさん、ありがとうございます。
おひさしぶりです。
写真で、うまくコンクールの雰囲気が伝わったのでしたらなによりです。
私の楽器も、、当てていただき、嬉しいです。
今は、早く新しい楽器を作りたい気持ちでいっぱいですが、まずは体調を整えたいと思っています。
またぜひお気軽にお越しくださいませ。
Commented by 菊田 at 2008-05-01 00:02 x
はたさん、ありがとうございます。
さすが、私の楽器を見破られてしまいましたね^^。
そうですね~、せっかくチェコまではるばる参加したので、少しでも多くのものを吸収しないと損だという気持ちで4日間を過ごしました。
体力的には限界でしたが、得るものが多かったです。
次回は、ぜひはたさんもご参加くださいませ。
Commented by 菊田 at 2008-05-01 00:15 x
い~ぐるさん、ありがとうございます。
お互い、ライバル心というか、やはりコンクールですから負けたくないという気持ちも強いのですが、誰かが勝てばそのほかの人は負けるという現実の中で、お互いに思いやる気持ちを持ちながら、心地よい緊張感の中で過ごしました。
実は、帰ってきてから一気に緊張が緩んだのか、体調を崩しました。
少し、休んでから仕事を再開したいと思います。
ちょうど、日本はGWですし、、、、^^。
ちなみに、イタリアではメーデーは祝日です。
Commented by 菊田 at 2008-05-01 00:23 x
たかさん、ありがとうございます。
私にとって、想像以上に過酷なコンクールでしたが、でも、楽しい仲間達と一緒でしたので、最後まで乗り切ることができました。
最終調整のときに、お互いの楽器と初めて見比べるのですが、その時にいろいろと気が付いてもすでに時遅く、いろいろな複雑な思いとともに出品するのです。
でも、こうやって極限の状態の中でお互いの楽器を見るだけでも、とても得るものがありますので、こういう参加型のコンクールは貴重な存在だと思いました。
Commented by 菊田 at 2008-05-01 00:35 x
Hiryasuさん、ありがとうございます。
NY出張お疲れ様でした。
帰国後はいよいよご対面ですね、、、。
私も、ドキドキしてきました。

コンクールでは、私も普通に平常心を保てるわけではなくて、やはり落ち込んだり、浮かれたり、一喜一憂するのですが、そういう精神状態ではやはりアンテナの性能も落ちて、貴重な情報を逃してしまうということが、今までのコンクール参加経験で徐々に分かってきましたので、今は、意図的に平常心を保つように努力しています。
かといって、悔しい気持ちを忘れてしまっては、向上しませんので、自分の中に、二人の自分がいるような感覚で3日間を過ごしました。
でも、これはとてもエネルギーを消耗しますので、今は、ぐったりです。
少し、休みたいと思っています。
Commented by 菊田 at 2008-05-01 00:42 x
HIROさん、ありがとうございます。
そうですね、こういう体験は、おそらく一生のうちに何度もできるものではないので、15時間は長かったですが、集中して過ごした時間はとても幸せでした。
いろいろな国の、いろいろな年齢層で、言葉も通じない悲しさはあるのですが、ただ楽器作りが好きだという共通点だけでお互いに通じ合うものを感じる素敵な時間で、夜の23時に終了してしまうのが本当に残念に感じていました。
Commented by 菊田 at 2008-05-01 00:46 x
naoさん、ありがとうございます。
当たりましたか~、すごい。
というか、誰も当たらなかったら寂しいところでしたが、、、^^。

クレモナではご連絡があるかと思って気にはしていたのですが、残念でした。
でも、天野さんにお会いできたのならなによりです。
Commented by 菊田 at 2008-05-01 00:55 x
たにつちさん、ありがとうございます。
そうなんです、クレモナチームは皆大健闘でした。
若手の高橋君も、とても良い成績で、私もいよいよ年貢の納め時が近いかも、、、デス。
他の日本人も、20位以内には入れませんでしたが、良い成績でした。

ポルタンティさん、渋くていい男ですよね。
映画に出てきそうな、、、。

あ、ナイショの話はなのねのね、、、。
というか、すでに明君のブログではバレてますので、、、。
Commented by gon at 2008-05-01 01:00 x
菊田さん、コンクールお疲れ様でした。そして8位入賞おめでとうございます。あと健闘されたクレモナ組の方々もおめでとうございます。
今回撮られた数々の写真、ワクワクドキドキしながら拝見させていただきました。
残念ながらMyパソコンのモニターが壊れて、只今14型液晶テレビ君が代理で働いてもらっているので、細かい画面が少し見ずらくて残念です。
でも、菊田さんの彫ったスクロールは大きく写していましたので、彫りの感じ良く分かってとても勉強になりました。ほとんどノミで仕上げられたスクロール綺麗です。
身体を十分休めて、製作がんばってください。
Commented by 菊田 at 2008-05-01 01:13 x
セイジさん、ありがとうございます。
そうですね~、実際、和やかなのですが、内面的には皆、ものすごいプレッシャーと戦っていて、ヘロヘロになっています。
でも、私も含めて皆、コンクールでは数多くの失敗や敗北を経験していているからこそ、お互いを思いやる気持ちも強いのだと思います。
ものすごい緊張感の中で、お互いを認め合い、高め合う気持ちが生み出す和やかさは、とても心地よく、参加して良かったと心から思えました。
Commented by 菊田 at 2008-05-01 01:29 x
Machakoさん、ありがとうございます。
そうですね、審査というのは、する方もされる方も、そして、それを運営する主催者も本当に大変だと思います。

フィギュアスケートのように、国際的な審査委員会があるわけではないですので、公平感を維持するのはとても難しいことだと思います。
それを全て受け止めた上で、自分なりに将来につなげていくには強い精神力が必要で、私もコンクールではかなり鍛えられました。
それが今の楽器に活かされていますので、やはりコンクールに参加するのは意義深いことだと思ってます。

プラハは、やはり建造物がとても美しく、モルダウとの対比に心を奪われました。
また、ゆっくりと訪れてみたいと、旅行が苦手な私でも思ったくらいです^^。
Commented by 菊田 at 2008-05-01 01:42 x
かとうさん、ありがとうございます。
バイオリン、当たりましたか~、皆さんすごいですね。

今回、初めてノミだけで仕上げてみて、ウズマキというのはやはり造形が大切で、表面の仕上げというのは2次的なものだということが実感できたのが収穫でした。
アンモナイト師匠には「なんじゃぁこりゃぁ~」と、松田優作風にワイルドに一括されましたが、、、、。

演奏者さんは、本当に責任が重く、大変だったと思います。
41台のバイオリン、セッティングも全て違いますし、最良の音が出るツボも微妙に違いますので、それを同じ条件で公平に弾き切るというのは、、、、想像しただけでも息が詰る気持ちがしますが、ほぼ完璧に弾きこなしていらしたのはさすがと思いました。
なので、さらに、その先が聴きたくなるのですが、、、、20秒というのは、、、、それだけに残念でした。
Commented by 菊田 at 2008-05-01 01:55 x
shigeさん、ありがとうございます。
そうですね、わざとノミの跡を残した渦巻きは、いままではあまり好きではなかったのですが、今回参加してみて、これはこれで美しいということが実感できたのは良かったです。

音の審査は難しいですね。
今回、音の審査を公平にするために、5台演奏するごとに、耳の基準をつくるために審査とは関係の無いバイオリンが演奏されたのですが、その楽器の音でさえ、弾かれるたびにまったく違って聴こえました。
なので、41台の楽器を順番を変えて同じ審査をしたら、また別の結果が出たと思われます。
でも、それを言ってしまったら、コンクールが成り立ちませんし、参加する意味も無いと思います。
その時間、その場所で、どんな音がしたかが全てですね。
もう一度人生をやり直すことはできないように、幸運、不運、すべてを受け入れたうえで、未来につなげていくことが大切なのだと思っています。
Commented by 菊田 at 2008-05-01 02:03 x
gonさん、ありがとうございます。
長文にお付き合いいただき、恐縮ですが、楽しんでいただけたのなら幸いです。
ウズマキは、自分の中でも100%納得できてはいなかったのですが、そのままの点数が出ましたので、良かったです。
これでもし、たまたま良い成績だったら、これが自分にとって良いウズマキだったと勘違いしてしまって、道を踏み外す危険もありましたので。
今回の経験をもとに、さらに良いウズマキを彫っていきたいと思います。

実は、最後のプラハ観光での移動が、一番体力的には堪えました。
でも、気持ち的にはリフレッシュできましたので、しばしの休息後、活動を再開したいと思います。
Commented by 松原ゆきひろ at 2008-05-01 16:37 x
菊田さん、入賞おめでとうございます!
とても素晴らしいことです!  

緊張感が漂うコンクールの様子が画像によってわかります。

製作技術の数字は(単位が判りませんが)1位の方と1ポイント差なのですね。
菊田さんのヴァイオリンは直感でわかりましたよ。

音響2次審査の伴奏つきは20秒とありましたが、何の曲だったのでしょう?
楽譜一ページくらいは弾くものなんだと思っていたのでちょっとびっくりしました。

コンクールの会場になったホテルの建物や、プラハの風景など・・・綺麗ですね。
一度行ってみたい気がします・・・が言葉が

私の近所は(菊田さんの古巣のそば)14階建マンションがあちこちに建って「オヨヨ」って思っていたら何と27階建ビルの工事が近々はじまるそうです。
都会は便利になって破壊されていくような気がしますが、チェコの風景を見てうらやましく思いました。

またお会いできるのを楽しみにしています。

おめでとうございます!
Commented by hilo at 2008-05-01 23:55 x
コンクールと長文ブログ、お疲れ様でした!そして入賞おめでとうございます。
ノミとナイフだけで作るスクロール、近くで見ると、こうなってるんですね。

ワイルド路線のスクロール、私は大好きですがコンクールではあまり評価が高くないんですね…残念!ノミの跡と相まって更にワイルドな感じで、私はこのウズマキ大好きですよ!!

楽器、私も一発で解りました!!
Commented by ohshige at 2008-05-02 19:54 x
菊田さん ご無沙汰しています。菊田さんのブログを拝見すると、とてもいい人生を送られてるな〜と私も幸せな気持ちになれるのと同時にとても良い刺激を受けます。
これからもお身体に気をつけて、素敵なバイオリン作ってください。
「この平和な時代に生まれ、バイオリン製作者として生きて、すばらしい仲間達とともにこの祭典に参加できた幸運に感謝したいと思います。」
......この文章におばちゃんはうるっ!ときてしまいました。
それにしても、プラハは素敵な街ですね。カメラマンの腕がいいのかしらねっ。
Commented by 菊田 at 2008-05-03 17:56 x
松原さん、ありがとうございます。
いろいろな意味で、良い経験になりました^^。

バイオリンそのものの審査で高得点だったことは、私にとって、それだけで十分満足できる、嬉しい結果でした。
ちなみに、最初のバイオリン審査では6人の審査員がそれぞれ120点満点での合計720点満点でした。
音の審査は、それぞれ50点満点の合計300点が2回、ウズマキは、40点満点で合計240点でした。

音の2次審査の曲は、どの部分か定かではないのですが、スメタナの、「わが故郷から、ヴァイオリンとピアノのための小品」の一部で、G線のハイポジションから一気にE線の最高音まで駆け上がって、その後ゆっくり降りてくる、結構有名なフレーズです。
ピアノ伴奏といっても、ほとんどバイオリンのカデンツァを聴いているような感じでした。

プラハは、大都会でしたが、いたるところに緑を感じる場所があって、自然と建造物が上手く溶け合っている感じがしました。
モルダウの雄大な風景の中に、少しも邪魔にならずに古い建物が並んでいるのはとても感心しました。

5月にはまたお邪魔させていただきます。
お会いできることを楽しみにしています。
Commented by 菊田 at 2008-05-03 18:09 x
hiloさん、ありがとうございます。
そうですね~、私もこのウズマキは好きなのですが、すこし重みを出しすぎたかな?と思っていたら、やはり、今回の審査のトレンドからは少し外れていたようで、審査員の人からは、「カーブはとても美しいが、少し重々し過ぎる」とのコメントをいただきました。

後日、ラザーリ師匠からは、「いつもどおりで、GOOD」との批評をいただきましたので、今回の結果をそのまま今後のバイオリンに反映させるわけではないのですが、いずれにしても、たくさんの刺激を吸収できましたので、これからも少しずつ私の楽器は変わっていくものと思われます。

バイオリン、当たりましたか~、みなさん、すごいですね~。
賞品を設定しておかなくて良かった、、、、、、(汗)。
Commented by 菊田 at 2008-05-03 18:22 x
ohshigeさん、ありがとうございます。
こちらこそご無沙汰しています。
いえいえ、ohshigeさんこそ、とても豊かな人生を送られていると思いますよ。

いろいろな国の、さまざまな年代の人が、一同に集まって、いっせいにウズマキを彫るという、これ以上平和的なイベントはなかなか存在しないと思いますし、でも、ただ平和なだけではなくて、皆それぞれの人生をかけた真剣勝負であるところが、すばらしい時間を過ごせた理由だと思いますし、私にとっても幸せな時間でした。

プラハの街は、特にモルダウ川周辺は、たぶん、目をつぶってシャッターを切り続けていても、ほとんどの写真は絵葉書になるのではと思うくらい、360度、美しい景色の連続でした。
ちょうど、日暮れ時だったので、光の具合も、キレイでした。
Commented by xi@イオニア様式? at 2008-05-08 20:50 x
菊田さん入賞おめでとうございます(だいぶ出遅れましたが)。
色々とご苦労もあるかと想像しますが、
いつもチャレンジされている姿勢に本当に心を打たれます。
なおかつしっかり結果もついてくるなんてカッコ良過ぎデス。

うずまきの並んだ姿は、ギリシャ時代の建築のようですね。
菊田さんの作品は、、、あれかな・・・、私はまだまだ修行が足りないようです。

それいえばエプロンは大会ユニフォームですか?

Commented by 菊田 at 2008-05-09 05:11 x
xiさん、ありがとうございます。
はい~、エプロン、リアクションいただきありがとうございます^^。
コンクール前日に、皆に配られました。
あと、バイオリンの形をした陶器製のペンダントも、、、、。
説明では、これをつけて当日は作業をしなさいとのことでしたが、ペンダントは邪魔なので、皆外していました。
でも、高橋明さんは首からぶら下げていて、気がついたらネックのところが折れて、胴体はどこかへ消えていました、、、、不吉、、、、。

ギリシャ時代の建築、いろいろなところにウズマキが付いていますよね。
やはり、ウズマキには人を惹きつける魅力があるのでしょうね~@_@。

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