ガリンベルティモデル パーフリング

パーフリングカッターという道具で、溝を付けていきます。
これだけで十分深いように感じられますが、実際にはナイフでさらに掘り込みます。
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コーナー部分の仕上がりは、バイオリンの見た目の完成度に大きく影響しますし、製作者の腕前やセンスを判断するのには一番分かりやすい部分ですので、じっくりと時間をかけて作業をします。
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パーフリングを入れる前の溝です。
オリジナルのガリンベルティの楽器は、パーフリングの先端がストラドほど内側に向いていませんが、今回は、私の最近のスタイルどおり、先端が内側を向くようにしました。
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ニカワを入れる前のチェックです。
隙間が無いように、というのが理想ですが、それよりも、「曲線が生きているか?」ということに神経を配ります。
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ニカワ付けした後、周辺部を削り込みます。
この溝が、バイオリンの優美な曲線のスタート地点になるわけです。
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削りカスが、これです。
「金太郎飴」状態ですね。
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by violino45 | 2007-11-24 14:20 | 製作記 | Comments(6)

Commented by shige at 2007-11-26 21:39 x
こんにちは菊田さん。日本遠征お疲れさまでした。もうクレモナに戻られたんですか?
私もこの間5作目のバイオリンにパフリング入れましたが、これがなかなか上手くいかないんですよ(笑)何回もやることはできないですからね。特にコーナー部分は、後で見てみるとあっち向いたりこっち向いたりです(笑)
ただ私が使用しているパフリングは黒檀とメープルを薄くした自作のパフリングの為(パフリングの溝の形に膠で着けた物)かなり頑丈なので、多少溝がフニャフニャしていてもゆがみが少ない為助かっております(笑)
菊田さんのパフリングはファイバーですか?私の溝にファイバーだとフニャフニャになること間違いなし!です(笑)特に表板が!!
そのうちに上手くなることを夢見て頑張っております。
ちなみに菊田さんの1作目のバイオリンはどうされましたか?もしよろしければお教えください。私の場合はまだ売り物になるレベルでは無いとのことで(親父のセリフです)仕事場で私の遊び道具となっております(笑)
また時々コメントさせてもらうと思うのでよろしくお願いします。では失礼します。
Commented by Machako at 2007-11-27 02:24 x
お疲れさまでした。
さすが芸大!すごい設備ですね。
記事、面白く拝見いたしました。

あまり知識がないのでガリンベルティモデルというのを
初めて聞きましたが、出来上がりが楽しみです。
Commented by 菊田 at 2007-11-27 12:12 x
shigeさん、こんにちは。
クレモナは底冷えしております。
でも、そろそろクリスマスの飾り付けが始まって、町はキレイです。

私の1作目は、実家で眠っています。
もちろん、売り物どころか、お見せできるレベルではないので、当分の間は封印?しておこうと思っています。
私も、5台目どころか、つい最近まで(今も?)パーフリングの先端はどこに行くのか風まかせ状態です。
右と左では癖も出るようですしね。
でも、多少バラツキがあってもそれぞれの線の勢いがあれば、それが大切な事だと最近は特に思うようになりました。

黒檀のパーフリング、作るのも曲げるのも難しそうですね。
でも、仕上がりはビシッとして最高なのだと思います。

私は、市販品ですが、メープルを黒く着色した物を使っています。
曲げやすく、しかもファイバーのようにゆがまないので、使いやすいです。

ではでは、またコメントをぜひよろしくお願いいたします。
Commented by 菊田 at 2007-11-27 12:32 x
Machakoさん、こんにちは。
芸大、、、、禁断の園に入ってしまった気がしています。
「バイオリン」もそうでしたが、芸大とか音大という響きは、自分にはまったく縁のないものだと思っていましたので。
でも、のだめの世界にちょっとだけ近いところに行けて、なんだか嬉しかったデス。

さて、ガリンベルティ、マニアックな話題ですみません、、。

私の師匠がラザーリさんで、その師匠がモラッシーさんで、さらにその師匠がガリンベルティさんですので、私は、「ひ孫弟子」になるのだと思います。
70年代まで製作していた方ですが、すでにモダンイタリアンとして最大の評価を得ている製作家です。
その作風は、一言で言うと、完全無欠、、、。
でも、冷たい作風とは無縁の、すごく人間的な、不思議な楽器です。
そのまま、師匠のラザーリさんの作風に置き換えられるわけですが、、。

Commented by shige at 2007-11-27 23:38 x
菊田さん、こんにちは。
線の勢い!確かにその通りだと思います!なかなか勢い良くはいかないですけど(笑)
私も1作目のパフリングは染め木の物を使いました。膠が多すぎたせいか周りが黒くなってしまいましたが(^0^)
黒檀のパフリングの場合はそんなこと無いですが、ただパフリングの部分にかんなをかけたり木賊で磨いたりしたときの光沢は市販の物とは全く違う感じです。
さらに黒檀とメープルを自分で削るため色々な厚さに調整できます(同じ厚さに削れていないだけという説もありますが(笑)

やっぱり癖というか右利き左利きというのもかなり関係が有りそうな気がします。利き腕によってやりやすい所が違うと思います。両手が同じように使えたら楽かな?と思ったりもします。

それではおじゃましました(^0^)/
Commented by 菊田 at 2007-11-28 17:00 x
shigeさん、こんにちは。
黒檀のパーフリング、、、憧れはあるのですが、なかなか実行までは至らないですね、、、(不器用なもので、、、、)。
いつか、作り方を教えてください。(内緒で)

モラッシーさんは、左右どちらの手でもノミが使えるようですよ。
私も、試した事はあるのですが、やはり、微妙なところにくると、左手では怖いですね。
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