次のヴァイオリンは、、、

久しぶりの、製作記ですね。
カノン砲の予告はいたしましたが、今は、ストラディバリモデルを製作中です。

チャイコフスキー・コンクールで優勝した楽器は、そのままコンクール事務局(ロシア政府?)に献上(召し上げ?)になってしまいましたので、あのヴァイオリンをお待ちいただいていたお客様のために、まったく同じ楽器は作る事はできませんが、でも、もっと良い楽器を製作するつもりです。(もしかして、強気?)

内型にブロックを貼り付けると、不思議と、気持ちが引き締まります。
モデルは、A.STRADIVARI の1705年モデルです。(コンクールの楽器と同じです)
次のヴァイオリンは、、、_d0047461_441753.jpg

でも、横板を曲げる時になると、気持ちが逃げ腰になります。
少し広めのトラ杢で、しかも杢が深いと、本当に曲げづらいです。(;_;)
次のヴァイオリンは、、、_d0047461_4585842.jpg

半泣き状態で、やっと曲げ終わり、接着すると、ホッと一息です。
最初の強気な気持ちはどこへやら、、、、、。
横板が割れなくて、本当に良かった~(^^)。
穴があったので、入っちゃいました。
次のヴァイオリンは、、、_d0047461_4591238.jpg

そんなわけで、またまた、頼りない製作記が続きますが、よろしければお付き合いいただければ幸いです。

by violino45 | 2007-07-17 05:01 | 製作記 | Comments(8)

Commented by かとう at 2007-07-17 18:58 x
菊田さん、こんにちは。
ふと疑問に思いましたので、質問させて下さい.

ストラディバリ先生が1705年に製作した楽器は複数梃あると思うのですが、同時期のものは、同じ型を使って製作されているのでしょうか?
それとも,1705年製の特定の楽器をモデルとされているんですか?
Commented by w-piglet at 2007-07-17 22:00
こんばんはー!
戻られてもお忙しい日々ですね。体調など崩されないようにして下さいね!
最後、穴に入っちゃっていますね(^^)。
Commented by claraY at 2007-07-18 06:27
こんにちは~
昨日、千住真理子さんの新しいCDを買って、彼女と
ストラディバリウス・デュランティの出会いの話を興味深く
読みました。バイオリンの人生(?)も不思議な出会いの連続
なのですね?菊田さんの手から生み出される次なる
バイオリンを楽しみにしています。そうそう・・・来週から
イタリアに短く遊びに行くことになりました。ベニス・フィレンツエ・
アシジ・ローマと周ります。ちっちゃなバイオリン弾きの子供も
一緒です。楽しみ♪
Commented by 菊田 at 2007-07-18 06:56 x
かとうさん、こんにちは。
鋭いご質問をありがとうございます。
というか、あいまいな書き方をしてしまって、失礼しました。

ここで書きました1705年というモデルは、特に、ストラディバリのどの楽器をコピーしたというものではありません。
実は、クレモナにはいろいろな種類のモデルが出回っているのですが、この1705も、おそらく、最初は誰かがストラディバリからコピーしたモデルなのですが、それが師匠から弟子へと引き継がれる際に、もともとの楽器の名前は消えてしまって、年号だけで呼ばれることが多いです。

こういう、出所があいまいなモデルは、他にもいくつかあるのですが、いままで引き継がれてきたと言う事は、デザイン的にも音響的にも優れたモデルなのだと思います。
昨年の、ヴィエニアフスキー・コンクールでの楽器も1705年ですし、今回のチャイコフスキーもそうですから、私にとってはラッキーモデルなのかもしれませんね。
でも、このモデルを使ったから必ず良い音になるわけではないのは言うまでもないので、そこが難しいところですね。
このモデルは、ラザーリ師匠もお気に入りで、私も師匠から引き継いだわけです。

Commented by 菊田 at 2007-07-18 07:01 x
w-pigletさん、こんにちは。
今は、ロング・バケーション中ですね。
いかがお過ごしでしょうか?

クレモナも、今まではそれほど暑くなくて、快適に過ごしていたのですが、この数日は本格的な夏の天気です。
とにかく、雨がまったく降らないので、すごく乾燥しています。
楽器製作にはちょうど良いのですが、、、、肌荒れが、、、、(嘘デス)。

そうなんです、今回の楽器のテーマは、牛です。
今は、少し自信喪失して、穴に入ってしまいましたが、次回は、また出てくるかも?
Commented by 菊田 at 2007-07-18 07:12 x
claraYさん、こんにちは。
そうですね~、千住さんと、ストラディヴァリウスとの出会い、関わりのお話は本当に不思議な感じですよね。
私の楽器も、まだまだ世の中にヨチヨチ歩きで旅立ったばかりですが、いずれは、不思議な出会いに導かれることもあるのかもしれませんね。

イタリア旅行!Buon viaggioデス。
クレモナから遠いところばかりですね~(;_;)。
でも、ちっちゃなヴァイオリニストさんにも刺激の多い、楽しい旅になることをお祈りしています。
お気をつけて、行ってらっしゃいませ。

Commented by かとう at 2007-07-18 12:38 x
菊田さん、詳しく教えていただき、ありがとうございます.
なるほどー,楽器の型って、お師匠さんからお弟子さんへと受け継がれていくものなんですね.
そういう中で、取捨選択、淘汰されながら,良いものが残っていくというのは,考えてみるとすごい事ですね.
300年経ってなお、理想の形を示し続ける楽器を作り上げたストラディバリ先生の偉大さも、改めて実感しました。

また,ヴィエニアフスキーの作品とチャイコフスキーのものとで同じ型という事ですが、写真を拝見すると、顔つきが違って,それぞれに個性を感じます.
実物を見比べると,それぞれの個性をもっと実感出来るのでしょうね.
Commented by 菊田 at 2007-07-18 15:46 x
かとうさん、こんにちは。
そうですね、同じストラドモデルでも、年代によってかなり違いがありますので、製作者によっては、得意なモデルとそうでないモデルに分かれるのかもしれません。
不思議なのは、同じモデルをコピーしても、製作者によってまったく違う印象の楽器になりますし、かとうさんご指摘のように、私が作った2台の楽器でも、微妙に表情が変わってくるのです。

そこが楽器製作の難しいところですが、面白い部分なのかもしれませんね。

ストラドモデルを使っても、まったくストラドに見えない楽器を作る人もいますし、その逆もあります。

製作者の個性、もっと言えば、人生がそのまま反映される気がして、怖い気がします。
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