横板の曲げと貼りつけ

早いもので、3月ですね。
今日は横板の曲げを少し詳しくご説明します。

横板曲げには、「横板曲げ器、、、別名、ベンディングアイロン」を使います。
コンロで直火であぶるタイプもありますが、私のは電熱器が内臓されています。
これを、作業台の万力に固定します。
d0047461_1736336.jpg

横板は、あらかじめ1ミリ強の厚さに仕上げて、水に濡らしておきます。
トラ杢の強い、綺麗な材料ほど、曲げづらく、割れやすいので、ついたくさん水に浸してしまいます。
d0047461_17392181.jpg

横板曲げのもう一つの主役は、この薄い金属板です。
この薄い板で、横板をアイロンに押し当てて曲げるのですが、金属板の硬さや弾力性によっては曲げやすさが大きく違ってきますので、とても重要な道具です。

私はこのトタン板の切れ端を長年使っていますが、今のところ、これ以上の材質には出会ったことがありませんし、使い込んで、ほど良い柔らかさになっていますので、もし、この板を紛失したら、途方にくれてしまいます。(;_;)
d0047461_1744297.jpg

さて、いよいよ曲げ作業です。
一気に曲げると割れますので、少しずつ、蒸気の力を利用して曲げていきます。
アイロンは、センター部分の形をしていますので、一見、このまま押し当てれば綺麗なカーブに仕上がってくれそうな気がするのですが、、、それは甘いデス。
一旦曲げた後、じわじわと修正作業をして、内型にピッタリと沿うように仕上げます。
ちなみに、上に乗っているダイヤルは、「表面温度計」で、い~ぐるさんのブログでおなじみのS-Mac社で購入しましたが、これは便利です。
d0047461_17505816.jpg

無事に曲げ終わった横板です。
湿気を取るために、少し寝かしてから接着します。
d0047461_1752504.jpg

センター部分の貼り付けには、スプールクランプという、裏板や表板を貼り付けるときに使うミニ万力を使います。
でも、この接着方法は、マエストロによって千差万別で、いろいろなアイデアがあって面白いです。
私もいままでにいろいろな方法を試しましたが、今は、このやり方に落ち着いています。
d0047461_17555918.jpg

拡大すると、こうなります。
単純な仕掛けですよね。
こうしておいて、横板を外側から少し叩くと、内型にピッタリと密着するという理屈です。
でも、やってみると、なかなか理屈どおりにはいかないですが、、、、(汗)。
d0047461_17582522.jpg

横板は、美観にもとても影響しますし、裏板と表板をしっかりと支える土台となる重要な部分ですので、きっちりと仕上げることが第一だと思っています。
by violino45 | 2007-03-01 18:09 | 製作記 | Comments(16)
Commented by たにつち at 2007-03-01 21:26 x
めっけた!ウ~パ~ル~パ~。久々の妖精くんですね。
写真だけだと、しなやかにたやすく曲がってくれるように見えますが、違うんでしょうね。
↓のサラサーテ登場、もうご常連の風格ですね。
「菊田浩が語る・・」ってのもいいですね(^^)
「菊田浩が語る外からみた日本」「菊田浩が語るワインとチーズ」「菊田浩が語る猫の愛し方」・・etc
ブログタイトルにも使っていただきたいです(笑
Commented by い~ぐる at 2007-03-01 23:09 x
サラサーテの写真、ずっと眺めて、このまま淡々と進んでしまうのかと思いましたが、猫ちゃんが出てきて、なぜかホッとしました(笑)

ベンディングアイロン、400度と書いてあって、そんなんじゃこげちゃう!!と思ったら、華氏だったんですね~(笑)

SM社の表面温度計見て納得です。

ありゃ、SMの表面温度計?って・・(笑)

内型の作成、そろそろ試してみようかと思いつつ、これまた人により、本によりやり方が違うので、自分なりに納得行く方法を見つけ出せてませんデス
Commented by 菊田 at 2007-03-02 18:28 x
たにつちさん、こんにちは。
あれ、、今回は特に目立たないように背景に溶け込ませたつもりだったのですが、、おかしいな~、見つかってしまいましたか~。

横板って、トラ杢の濃いところが硬くて、薄いところが柔らかいので、普通に曲げるだけだと、戦車のキャタピラのようになってしまうのです。
あ、別にブルドーザーでもいいですけど、、、。
つまり、丸くならずに、多角形になるのですね。
これを、うまく丸く見えるように修正しながら微妙に曲げていくわけです。
ぜひ、一度お試しを、、、。

いえいえ、私がバイオリンについて語るなんて、1000万年早いですが、少しでもバイオリンの構造に興味を持っていただける助けになればいいかなと思って、書きました。

ホントは、語りたいネタは他にいっぱいあるのですが、、、このブログがこれ以上マニアックになってしまうのはどうかなと思うので、当面はバイオリンネタで行こうと思います。(十分マニアック?)
Commented by 菊田 at 2007-03-02 18:48 x
い~ぐるさん、こんにちは。
そうですね、、、格調高いバイオリン専門誌上で、いきなり「アホ」と思われるのもどうかと思い、、、(事実ですが、、)、少し気取ってノーマルな写真で攻めてみました。
でも、まったく無しというのもシャクなので、最後に猫君に登場いただいたわけです。

あ、400度の件、失礼しました。
さすが、鋭い指摘ですね、、、。

実は、最初は温度計込みの写真を使おうと思っていたので、数字が見えることを想定して書いたのですが、その後で温度計無しの写真に変更したときに、そのまま文章上に400度という数字だけが残ってしまったのです。
いずれにしても、摂氏に換算して書けば良かったですね。
お騒がせしました~。

内型、、、これもいろいろなポリシーや考え方があって、なかなか思い通りの型を作るのは難しいです。
私は、いままでにおそらく20個ぐらいの内型を作ってきましたが、今使っているのは2~3種類だけです。
やっと最近、型作りのコツが分ってきたので、これからはそんなに増えないと思いますが、、、たぶん。
Commented by N.KOJIMA at 2007-03-02 21:26 x
アホロートル(ウーパールーパー)がなにげに!
それにしても、バイオリン、高い訳ですね〜手がかかってる、、、
Commented by 大工協奏曲 at 2007-03-02 21:56 x
こんばんは~♪
サラサーテ、取り寄せでゲットしました。
バイオリン作りの繊細な作業の様子が伝わってきます。
楽器のふくらみの写真は何度見ても素敵ですね♪

それkら、今回の曲げ木の工程、難しそうですね。
一度曲げても翌日には戻っちゃいそうな感じがしますが、やっぱり多少は戻りがあるんでしょうね
それから、トタンの切れ端の話は面白いですね
私も早速トタンの切れ端探さなくては(笑)
Commented by はた at 2007-03-02 23:54 x
ああ、そちらでは横板はそうやって接着していたのですね!目からうろこです。有難うございます。一度やってみます。
「サラサーテ」、拝見しました。菊田さんすごくかっこよく映っているし製作途中の写真からも丁寧さと愛情がにじみ出ていますね。知り合いが載ってるとなるとなんだかうれしくなって、偶然立ち読みしたのですが買っちゃいました!
「菊田浩が語る猫の愛し方」も期待して待ってます!
Commented by 菊田 at 2007-03-03 16:23 x
N.KOJIMA さん、こんにちは。
それにしても、ナイスネーミングですよね、アホロートル、、、。
いろいろな動物が妙に流行った時期がありましたよね、、昭和の時代。
そういえば、最近、レッサーパンダも流行ったようですが、、、、、。

銀細工の世界も、手間がかかるのは同じですよね。
でも、価格を決めるのは、手間の多さよりも、その質のような気もしています。
金目ふくろう、、、美しいですね、、実物を拝見したいものです。
Commented by 菊田 at 2007-03-03 16:35 x
大工協奏曲さん、こんにちは、
わざわざお取り寄せいただき、ありがとうございます。(;_;)

そうですね、、、曲げた後で、長時間置いておくとある程度は戻ってしまいますが、曲げた直後の、熱が残っているような状態で貼り付けてしまうと、貼り付けた後で変形してしまうので、頃合いが難しいです。

金属板、、イタリアでは煙突を切り抜いて使っている人が多いようですが、それでもなかなか良い材料は見つからないようです。
「横板曲げ用」として商品になっているものを通販で買ったこともあるのですが、、、イマイチでした。
道具というのは、なかなか理屈どうりにはいかない、奥が深いものですよね。
Commented by 菊田 at 2007-03-03 16:48 x
はたさん、こんにちは。
そ、、そんな、、目からうろこなんて、、、
この方式の難点は、、ブロック材のはみ出し量が、裏表で違うので、クランプの取り付け具合が難しいということでしょうか、、、。
その点、ストラディバリさんがやっていた方法の方が、さらに理にかなっている気がします。

サラサーテ、、、ありがとうございます。(;_;)
プロの製作家の方にそう言っていただけるのは嬉しいです。
製作を語るなんて1億年早いと、お叱りを受けるかと思っていましたので。

猫の愛し方、、、ぜひ、はたさんにこそ、語っていただきたいデス。
ぽこ&ちゃう、、、まん丸の猫ちゃんたち、その後、元気ですか?
いただいた写真、大切に取ってありますよ。

Commented by w-piglet at 2007-03-03 23:08
こんばんは(^^)。
あれ? 2枚目の写真、何かがいませんか(^^)笑!

曲げ作業というのはすごく大変で時間がかかるのですね。
今度どこかでバイオリンに触れる事があったらもっとじっくりと
見たいな〜と思います。
でも身近で見られる場所と行ったら楽器屋さんしかないですが。。
Commented by 菊田 at 2007-03-04 17:26 x
w-pigletさん、こんにちは。
お忙しいのに、いつもコメントをありがとうございます(^^)。

エ?  2枚目、、、の写真、ですか、、(・_・)、、、。
おお、ついに私の心霊ブログも本物になりましたね、、。
そうなんです、、、カエデの気に宿るオンネン、(通称メイプル君)が、霊感の強い人には見えるはずです、、、、。

ちなみに、5枚目にも、内型に宿るオンネン(通称、アホ君)が居るのですが、こちらはさらに霊感の強い人にしか見えないはずです。。

それはともかく、、、
ぜひぜひ、本物の楽器で確認してみてくださいませ。
もともとは真っ直ぐな木だったカエデが、綺麗な曲線を描く様子は、製作者から見ても、なんだか不思議な気分になりますです、、。
Commented by ゆみ at 2007-03-05 13:27 x
ええっ?!2枚目にもオンネンが・・・??どこにオンネン?(^^ゞ(→ありきたり)可愛い名前のオンネンくんですね~!

たにつちさ~ん、まだありますよ!
「菊田浩が語るオタクの世界」「菊田浩が語る大村家のその後」「菊田浩が語る背後霊さんとオンネンくんたちとのほのぼのな毎日」などなど・・・

あ、w-pigletさんだ♪いつもこっそり拝見しております。隠れファンで~す(*^_^*)

サラサーテ・・・さてさーて、そろそろ買いに行こうかなっと!(さむ・・)
なんかくだらないコメントですね・・・失礼しましたm(__)m
Commented by 菊田@さて、、 at 2007-03-05 16:07 x
ゆみさん、こんにちは、、。
2枚目は、おそらく、エクトプラズム現象かと思われます、、、。
昭和中期世代なら、、「水曜スペシャル」などで良く紹介されていましたので、ご存知のはず、、、。

大村家の人々、、、懐かしいのじゃが、、、あまりにも複雑になりすぎて、本人もよく分らんのじゃ、、、、。
また蝶シーズンになったら、少し考えるのじゃ、、、。

さてぃ、、、(というのはゆみさんのギャグだったような、、、)、また、ゆみさんの演奏でも聴きに行こうかな、、、。
ヘンデル、、とても素敵な演奏でした、、って、ここに書くのもヘンデスね。(く、、苦しい、、)。
Commented by さとぼ@音楽室からのたより at 2007-03-08 19:08 x
こんばんは。お久しぶりです。

横板専用のアイロンがあるんですね。ぬらして温めると曲がるんですね。

横板のカタチというか,バイオリンの曲線って本当に良くできていますね。機能美ですね。単純すぎず,複雑すぎず,曲げられたカーブの組み合わせで出来ているんだなと,この間気づきました。

またきまーす。
Commented by 菊田 at 2007-03-09 02:55 x
さとぼさん、こんにちは。
横板曲げアイロン、いろいろ市販されていますが、自作されるかたもいらっしゃいます。
普段は硬い木が、濡らして加熱するとあんなに急角度で曲がってしまうのは不思議な気がします。
子供の頃、模型飛行機を作るのに、ロウソクで竹ひごを曲げましたが、その経験が妙に役立っているわけです、、、。

バイオリンの形、まさしくいろいろなカーブが融合して出来上がっていて、それが常に変化しつつ結びついているところが、魅力的な造形を生み出しているのかもしれません。
でも、それが製作者を悩ませる所でもあるのですが。

またぜひお越しくださいませ。
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