松山でのイベントのご報告

クレモナに戻ってしばらく経ちましたが、体調がなかなか本調子に戻らず、ブログも更新できずに失礼しております。

弦楽器フェアにはたくさんのお客様にお越しいただき、ありがとうございました。
また、日本滞在中にはいろいろな方にお世話になりました。
あらためて深く感謝申し上げます。

さて、弦楽器フェアの後に、とても印象に残ったイベントがありましたので、感謝の気持ちを込めてご紹介させていただきます。

場所は、松山市です。
私のヴァイオリンのお客様、西村真也氏のご厚意で、私の楽器だけを6台使用したコンサートを企画していただきました。
松山市内で皮膚科を開業されている西村氏は、松山モーツァルト会の会長をされておりまして、普段から音楽イベントなどを地元で企画されている方ですが、2009年に、ヴァイオリニストであるご子息のために私の楽器をご購入いただきましてから、毎年、松山モーツァルト会にて私の楽器を使用したイベントを開催いただいております。
今回は、ヴァイオリン4台とヴィオラ2台を使用したコンサートとなりました。

このようなコンサートは、2007年にも宮地楽器さんにて開催いただきましたが、楽器製作者にとって、これ以上無いくらい光栄で幸せな出来事だということは容易に想像していただけると思いますが、また同時に、私の楽器が演奏者の皆様の演奏に十分にお応えできるのか、音楽を妨げることがないか、という不安も感じるというのが正直な気持ちです。
でも、前日からのリハーサルで、演奏者の皆様が限られた時間の中で、楽器の音色を最大限に引き出していただいている様子を拝聴させていただき、その不安は払拭されました。

リハーサルの風景が中心になりますが、ご出演いただきました皆様をご紹介させていただきます。

コンサートのメインの演目は、ヴィヴァルディの、「4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲」でした。
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第一ヴァイオリン、そして総監督として、東京芸術大学名誉教授の浦川宜也先生にご参加いただきました。
現在、西村氏のご子息の壮さんが浦川先生に師事されているご縁もあり、このような光栄かつ畏れ多いこととなりました。
先生には、私の2007年製の楽器で、バッハの「シャコンヌ」も演奏していただきました。
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第二ヴァイオリンは、浅野未希さんです。
ハンガリー国立リスト音楽院を修了され、浦川先生にも師事されました。
現在は、クラシック音楽の他、和楽器とのコラボレーションなど、幅広くご活躍されています。
2005年製作のヴァイオリン(宮地楽器展示品)を演奏していただきました。
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第三ヴァイオリンは、高橋暁子さんです。
松山のご出身で、同志社女子大学学芸学部音楽科を卒業された後は、愛媛を中心に演奏活動、また、ヴァイオリン講師としても活躍されています。
弦楽器フェアでも展示しました2011年製のヴァイオリンを演奏いただきました。
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第四ヴァイオリンは、西村氏のご子息、西村壮さんです。
徳島文理大学研究科を卒業後、浦川先生に師事。ソリスト、室内楽メンバーとして幅広く演奏活動をされています。
2009年製のヴァイオリンを演奏いただきました。
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第一ヴィオラは、升田勝喜さんです。
20歳でヴィオラを始め、筒井はるみ、菊田秋一、玉置勝彦氏に師事、オーケストラ、室内楽などで活躍されています。本業は歯科医師さんです。
トリエンナーレコンクールで5位となりました2012年製のヴィオラを演奏いただきました。
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第二ヴィオラは、江口志保さんです。
99年にエリザベト音楽大学音楽学部器楽学科を卒業後、01年に同大学大学院修士を修了され、現在は「なごみアンサンブル」の代表として活躍中です。
2009年製のヴィオラを演奏いただきました。
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特別ゲストとして、後藤一宏さんにご参加いただき、チェロのパートをファゴットで演奏していただきました。
後藤さんは、77年からファゴットを始め、現在は、ワグネルOBオケ、練馬交響楽団の団員として演奏活動をされています。 スタインウェイジャパンの代表取締役をされています。
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ピアノは、藤田浩さんです。
ウィーン国立音楽大学ピアノ科を卒業。第6回シューマン・ユン=チャン国際ピアノコンクール最高位受賞。日本ピアノ教育連盟四国西南支部支部長、全日本ピアノ指導者協会正会員などの活動をされ、済美高校の教諭もされています。
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コンサートの主催者である西村真也さんも、ピアノ演奏で参加されています。
写真は、コンサートの前日、「マツヤマ楽器」さんの店内でリハーサル中の西村氏と、ヴァイオリンの浅野さん、高橋さんです。
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お忙しい中、弾き慣れない楽器に慣れるために寸暇を惜しんで練習を重ね、本番に臨んでいただきました。
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夜は、西村氏の自宅に集合してのリハーサルとなりました。
ヴィオラの江口さんにはこの日に初めて楽器をお渡しすることになり、サイズの違いもあり、申し訳ない状況でした。また、楽器が揃ってのリハーサルはこの時が初めてでしたが、本番までの短い時間の中で、楽器が見違えるほど生き生きと鳴り出していくのは、さすがだと感じました。
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浦川先生は、当日のリハーサルからの参加でしたが、熱の入ったご指導により、音楽がさらに高い次元に昇華していく過程を目の当たりにすることができ、非常に良い経験となりました。
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コンサートでは、ヴィヴァルディの協奏曲の他、デュオやトリオの曲も演奏していただきました。
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私の楽器同士が、どのように響き合うのか、不安と期待が入り交じった気持ちで聴かせていただきましたが、同じ製作者の楽器であっても、やはりそれぞれに個性があって、違う声を持っているものだとあらためて実感することとなりました。
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ですが、やはり同じ遺伝子を持った楽器同士のアンサンブル、普段の演奏会ではなかなか聴くことのできない独特の響きを感じるものだということは、ご参加いただいた皆さん共通の感想でした。
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ファゴットとヴィオラのデュオでは、ファゴットの響きがなんとも温かで美しく、感動的でした。
ふと、弦楽器でもこのような膨らみを持った音色を作れないものかと、真剣に考えてしまいました。
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ヴァイヴァルディの協奏曲では、私が製作した6台の楽器たちの音色が混ざり合って、すごい迫力で迫ってくるように感じました。
それぞれの楽器を製作していた当時の思い出もよみがえってきて、思わず号泣しそうになってしまいましたが、なんとか堪えて、すばらしい音楽を心に刻ませていただきました。
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本番はもちろん大成功のうちに幕を閉じました。
今回のコンサートを聴かせていただいて、あらためて、音楽の持つ力、すばらしさを実感しました。
そして、弦楽器を製作する仕事に就けたことに、心から感謝したいと思いました。
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最後に、素晴らしい演奏をしていただいた音楽家の皆様、西村さんをはじめコンサートの開催に向けてご尽力、ご協力いただきました関係者の皆様、また、大切な楽器をご提供いただきましたオーナーの皆様、そして、会場にお越しいただきましたお客様へ、厚く御礼申し上げます。

私の楽器を使用してのコンサートではありましたが、会場のお客様には、そのことを意識されずに、純粋に音楽を楽しんでいただけたのでしたら、楽器製作者としてこれ以上嬉しいことはございません。
また次回、お目にかかれる日を楽しみにしております。
by violino45 | 2012-12-14 04:52 | 日記 | Comments(9)
Commented by junjun at 2012-12-14 06:57 x
菊田さん、こんにちは。

松山では、こんな素敵なイベントが開催されていたのですね。
是非とも、伺いたかったですが、、。
皆様素晴らしい方々が揃われての演奏会、その写真からも いかにスペシャルなものだったかが想像出来ます。
楽器フェアで、触らせてくださったバイオリン。また、その奏でる音が聴きたいです。

クレモナでは、もう本格的に寒くなっていると思いますが、体調が早く良くなられる事を心よりお祈りいたします。
もう、辺りはクリスマスモードでしょうか?

シマにゃんその後はいかがですか?

ではでは、素敵なクリスマスをお迎えくださいませ!!????
Commented by 菊田 at 2012-12-14 16:42 x
junjunさん、こんにちは。

ヴァイオリン・デュオの曲では、弦楽器フェアで並んでいた2台の楽器を演奏していただきまして、音色の違いが良く分かりましたので、私も、junjunさんにはぜひ聴いていただきたいコンサートでしたが、、東京からは遠方でしたよね、、、。

クレモナは、今、今年2度目の大雪が降り続いておりまして、ホワイトクリスマスになりつつあります。

私も、やっと時差ボケから戻りつつありますので、年末に向けて、いろいろ回復していきたいです。

シマにゃんへのお気遣い、ありがとうございます。
なかなか難しい状況が続いておりますが、、少しだけ機嫌がよさそうな時もあったりするので、引き続き、回復への希望を持って看病していきたいと思っております。

junjunさんも、年末に向けて、風邪などはひかないでくださいね。
Commented by たにつち at 2012-12-15 09:40 x
ご無沙汰しております。松山でのイベント、どうだったのだろうととても気になっていました。
準備から本番まで入念に、すばらしい演奏会となりましたこと、お祝い申し上げます。
うかがえませんでしたが、詳細なレポートでとてもよく伝わって参りました。合奏で溶け合っている同じ遺伝子の音まで、聞こえてくるようです!
そちらも冬本格のようですね、どうぞご自愛くださいませ。
Commented by 大久保 治 at 2012-12-15 12:35 x
どうもどうも 回復傾向にあるようで 何よりです。
あ、こういう企画あったんですね~! 関東だったら聴きに行きたかったけど 残念!
同じことを考える人やっぱりいるんですね~(笑)。 さて 何か別のコラボ考えなくっちゃ! では又 メリークリスマス&良いお年をお迎えください。
Commented by 菊田 at 2012-12-15 15:34 x
たにつちさん、ありがとうございます。
企画段階ではお騒がせいたしましたが、無事に終了することができました。
次回、もし同様のイベントがありましたら、ぜひたにつちさんの楽器もご参加くださいませ。

そうですね、兄弟楽器のハーモニーというのは、独特の味わいがあるものだとあらためて感じました。
私が理想としている、カーペンターズの声、ハーモニーに近いもの感じることができて、嬉しかったです。

日本も冬本番ですね。インフルなどにはお気をつけくださいませ。
Commented by 菊田 at 2012-12-15 15:39 x
大久保治さん、こんにちは。
その節は、せっかくご一緒できたのに体調が悪くて、、失礼しました。
でも、楽しい時間を過ごさせていただきました。

そうですね~、来年の大久保さんのコンサートでも、私の楽器を使っていただければ嬉しかったのですが、、、帰国のタイミングが合わず、残念です。(コンサートを生で聴けないことのほうが、もっと残念ですが。)

いつか、別の形で実現できることを祈っております。

大久保さんも、メリークリスマス、そして、良いお年を!(って、まだ早いって。。)
Commented by セロ弾き at 2012-12-18 13:22 x
とっても贅沢な企画ですね!
たまにストラドをそろえた演奏会みたいなのがありますが、菊田バイオリンをそろえてのコンサートは製作者も演奏者も聴衆もたまらなく楽しいでしょうね。
考えてみれば、大阪の展示会で実際の楽器を拝見したものの、音はTVやパソコンを通してしか聴いたことがありません。いつか生の音に接したいです。
Commented at 2012-12-19 10:51 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 菊田 at 2012-12-19 15:32 x
セロ弾きさん、こんにちは。

そうですね~、ストラディバリさんから見れば、それこそ300年早い!と言われそうですが、、、生きている間にこうしたイベントを企画していただけるのは、製作者としてとても幸せなことだと思っています。

生の音もぜひいつか聴いていただければ嬉しいです。
今のところ、チェロは無いのですが、、、。
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